中学年版|あなたはあなたのままで—自分への思いやりを育む授業―【ストレスフリーの教室をめざして #45】

前回の記事では、自分への思いやりを向ける力を育む授業について、「低学年編」をお伝えしました。今回の記事は「中学年編」として、小学校3・4年生を対象とした具体的な授業の展開例についてまとめました。
執筆/埼玉県公立小学校教諭・春日智稀
目次
ちょっと復習~自分への思いやり「セルフ・コンパッション」~
自分への思いやりは「セルフ・コンパッション」と呼ばれています。研究によれば、セルフ・コンパッションには次の3つの要素があるといわれています。
①自分へのやさしさ:自分をいたわる言葉を自分自身にかけること
②共通の人間性:苦しい思いをしているのは自分だけではないととらえること
③マインドフルネス:今の自分の気持ちに気づき、そのまま受け止めること
関連する研究では、セルフ・コンパッションの高まりは学習への内的動機づけを高めたり、現実をあるがままに受け入れやすくなったりする傾向があることが分かっています。つまり、自分への思いやりを向ける力を育むことは、子どもの学校生活への適応を促進する可能性があると言えるでしょう。
これらのことを踏まえこの授業では、全学年において、
①自分をいたわる力
②苦しい思いを共有する力
③ありのままを受け入れる力
の3つの力を育むことを共通のねらいとします。
中学年では、「自分にやさしい言葉をかける力」を育む
中学年になると、自分の行動や結果を客観的に振り返ることができるようになります。それ自体は成長ですが、同時に「自分の心の中のつぶやき」も増えていきます。
例えば何かミスをした瞬間に、「最悪」「またやっちゃった」「どうせ自分はダメ」といった言葉が自分の心の中に浮かび、その言葉が気持ちを沈ませ、次の挑戦を止めてしまうことがあります。
そこで中学年の授業では、「自分にやさしい言葉をかける力」を特に大切にします。失敗やつまずきに直面したとき、自分の心の中のつぶやきを厳しいものにせず、やさしくいたわる言葉に変換していく力を育みます。そのために、自分の心の中に自然と浮かぶ言葉に意識を向けたり、それがネガティブな内容であった場合にはリフレーミングをしたりする活動を行います。
※以下の活動例は、①→②とどちらも行うことを想定しています。
