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プロが伝授! 失敗しない保護者との電話応対テクニック~「クレーム対応編」~

電話応対のプロが、保護者との信頼関係を構築する電話テクニックを紹介する連載の第四弾。今回は、クレーム対応です。電話でのクレームへの対応を誤ると、対応する側が長時間拘束され、疲弊することになることに加え、保護者との関係性を悪化させることにもつながります。ここではクレーム対応の心構えと留意点、電話で効果的に解決へ導くプロの技を紹介します。

相手から投げられたボール(気持ち)をキャッチしてから、注意深く返答するのが電話応対のプロへの道。(写真/ChatGPT)

電話でのクレームの注意点 

電話は事実と違っていても、絶対にすぐに否定しない

クレーム対応の大原則は、すぐに相手の訴えを否定しないことです。

たとえ、保護者からの訴えが事実と違っていても、「そんな事実は一切ございません」「それはまったくの誤解です」などと最初から否定してしまうと、相手の気持ちを逆なでしてトラブルも大きくなってしまうことがあるので注意しましょう。

クレームの電話を受けたら、まず結論を述べるのではなく、「何が理由で保護者に誤解を与えているのかを理解しよう」と考え、相手の話を傾聴する姿勢を見せることが肝要です。そして保護者がなぜそう感じているのか、なぜそのように捉えているのか、丁寧に質問をしながら具体的に掘り下げていくようにしましょう。

無理にその場で解決しようとしない

クレームには迅速な対応が求められます。

しかし、保護者からクレームの電話を受けた時に仕事が立て込んでいたり、自分の気持ちがイライラしたりしているときは、すぐに対応せず、一度気持ちを落ち着かせたほうがよいでしょう。

「いまゆっくりお話を聴くことが難しい時間帯なので、本当に申し訳ございませんが、夕方もう一度こちらからご連絡してもよろしいでしょうか?」などと言って、一旦電話を切り、時間をおいてから対応するほうが、効果的な課題解決につながります。

クレーム対応 5つのポイント

プロが使うクレーム対応の手順とは?

日々顧客から問い合わせを受けるコールセンターでは、クレーム対応が求められるケースも多々あります。そうしたクレームに適切に対応することで、リピーター獲得や顧客満足度向上に貢献します。ここではこうしたビジネスの場で活用される電話によるクレーム対応の5つの基本ポイントを紹介します。きっと学校現場でも活かせることもあると思いますので、ぜひ参考にしてください。

電話によるクレームには、謝る→よく話を聴く→繰り返す→名前を呼ぶ→感謝する、という5つのサイクルで対応することで効果的に解決に導きやすくなることを覚えておきましょう。

①まずは「謝る」

先生方の中には、原因や結果もわからないのに、最初から相手に謝罪してしまうことはいけないことだと考える方もいるかもしれません。しかし、相手に不快な思いをさせている、もしくは心配をかけてしまっているということだけは事実なので、「嫌な思いをさせてしまって申し訳ございません」「ご心配をおかけし申し訳ございません」などと言って、まず最初にお詫びをするほうが効果的です。こうした保護者の心情に寄り添った一言を添えることで、保護者の気持ちを落ち着かせ、その後の対応がスムーズになります

クレーム対応の用語例<謝りの言葉>】
・○○様、この度は申し訳ございません。大変ご心配をおかけしました。
・ご迷惑をおかけして、大変申し訳ありません。
・それは大変失礼いたしました。
・誠に不行き届きで申し訳ございません。

②よく話を聴く

次に、相手の話をよく聴き、心情を理解します。ここでは、保護者の話を最後まで聴くことが大切です。途中で話を遮らず、言い訳や相手の話を否定するようなワードは一切使わず、なぜそう感じているのか、何を不快に感じているのか傾聴し、相手の気持ちを受け止めましょう。

クレーム対応の用語例<よく話を聴いていると思わせる言葉>
・お怒りの気持ちはごもっともでございます。
・おっしゃることはよくわかります。
・早速注意いたします。
・とても勉強になります。
・早速確認してお返事申し上げます。
・今後十分注意いたします。

相手が話をしている途中に言い訳や反論をしてはいけません。言い訳や反論は不信感や怒りを増幅させます。言い訳や反論と受け取られやすい用語には、以下のようなものがあるので注意しましょう。

【クレーム対応の用語例<NGワード>】
・でも、
・そう言われましても、
・そうではなく、
・そんなことはないです。
・私も急いでいましたので、
・私も立て込んでまして、

③繰り返す

顧客の話を聴き終えてクレームに発展した理由が分かったら、もう一度、相手のクレーム内容を繰り返し、事実と問題点を確認します。

これは、前回の「上手な話の聞き方編」において、「保護者に好印象を与えながら、上手に話を切り上げるためのテクニック」で紹介した「復唱」です。

大事なのは、相手が問題に感じていることを正確に把握することです。

こうした誠実な対応を取ることで、保護者は自分の気持ちに寄り添ってくれていると感じ、信頼してくれるようになります。

もし調査が必要で、その調査に時間を要する場合は折り返し連絡する旨を伝えましょう。その際は、どれくらいの時間が必要となるのかも一緒に伝えます。

④名前を呼ぶ

電話では、「お母さん」「お父さん」ではなく、「●●さん」と名前を呼ぶことで、相手は「自分のことを認識してくれている」と感じ、好意的に受け止めやすくなります。また名前を呼ぶことで感情的な状態から理性的な状態へ促す効果もあります。 「●●さんのご要望といたしましては~」「●●さんは本当にお子さんのことをお考えなのですね」などと、意識して名前を呼ぶようにしましょう。

⑤感謝する

そして、クレームを伝えてくれたことや時間をいただいたことに対して感謝を伝えます

保護者からご指摘いただいた事柄の中には、クラスづくりや子供同士の関係性の改善につながるヒントがちりばめられていることがあります。このような場合には、貴重な意見をいただいたことにお礼を伝えましょう。

感謝を伝える場合にも「●●さん、」と名前を付け加えるとよいでしょう。そして、感謝を伝える場合、全て問題が解決した場合は「ありがとうございました」と過去形にしてもよいですが、進行形の場合は、話の内容は「今」の現状についてなので「ありがとうございます」と現在形で伝えましょう。過去形(終わり)にせず現在形にした方が真摯に受け止めていることが相手の方に伝わります。

【クレーム対応の用語例<感謝の言葉>】
・●●さん、今回は貴重なご意見ありがとうございます。
・いろいろとお手数をお掛けいたします。
・ご親切にご連絡くださいましてありがとうございます。
・おっしゃっていただいてありがとうございます。
・今後はこのようなことがないようにいたします。
・今後ともよろしくお願いいたします。

感じのよいクッション言葉を使おう

電話で話をしている途中に、感情的になってしまう保護者もいます。できるだけ冷静に話を進めるために、話の途中や聞き終えた後などには、適宜、以下のような「感じのよいクッション言葉」を使うように心がけましょう。

クレーム対応の用語例<クッション言葉>】
・恐れ入りますが
・よろしければ
・失礼ですが
・お差支えなければ
・お手数ですが
・ご足労をおかけいたしますが
・申し訳ございませんが
・早速ですが
・勝手ですが
・お恥ずかしいのですが
・お忙しいにもかかわらず

クレームには組織的対応と情報共有が不可欠

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