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小1算数「どっちがひろい」指導アイデア《身の回りにあるものの広さに着目して、直接比較の方法で比べる方法を考える》

特集
文部科学省教科調査官監修「教科指導のヒントとアイデア」
小一算数科 どっちがひろい_タイトル

執筆/糸島市立東風小学校教諭・安藤純也

監修/東京都国立教育政策研究所教育課程調査官・加固希支男、福岡県教育センター指導主事・西島大祐

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・たし算
・ひき算
・形づくり
・たすのかな、ひくのかな
・20より大きい数
・どっちがひろい
・何時何分

単元の展開(各時の主な学習活動内容)

第1時 (本時)身の回りにあるものの広さに着目して、直接比較の方法で比べる方法を考える。
第2時 広さを直接比較や任意単位による比較の方法で調べる方法を使いながら、問題を解いたり、陣取り遊びをしたりしながら、学習内容の習熟を図る。

本時のねらい

身の回りにあるものの広さについて、どちらが広いかを調べる活動を通して、広さを比べるときには重ねることにより、一方が他方に完全に含まれるのであれば、広さの大小を比べることができることを理解する。

評価規準

広さの比べ方について、重ねることにより、広さの大小を比べることができている。(知識・技能)

本時の教材のポイント

本時では、身の回りにあるものの広さに着目させるために、レジャーシートの広さ比べを行います。どちらのレジャーシートが広いかを調べる活動を通して、広さを比べるときには重ねることにより、広さの大小を比べることができることを子供自身が気付いていくように学習を展開していくことが大切です。

そこで本時の導入段階では、2つのレジャーシートを提示し、どちらが広いかを予想する活動を設定します。1人1人予想をさせた後には、学級全体で予想の傾向を確かめ、「本当にそうなのかを確かめるためにはどうすればよさそうか」と問題解決の見通しを問う発問をします。そうすることで、「2つのシートを重ねればよさそう」という問題解決の見通しをもたせていきます。

展開段階では、グループごとに2つのレジャーシートを配付し、どちらが広いと言えるか、その根拠を考えることができるようにします。どちらが広いと言えるかを話し合う活動では、2つのレジャーシートをどのように重ねたのかを明らかにしていきます。そして、「重ねることで、はみ出しているところが多いほうが広いと言える」という発言から、一方が他方に完全に含まれるのであれば広さの大小を比べることができることを捉えさせていきます。

終末段階では、もう1人がレジャーシートを持ってきたという場面を設定し、3つのレジャーシートの広さを比べる問題へと発展させることで、「広さを比べるときには重ねて比べること」のよさを捉えることができるようにしていきます。

本時の展開

今日は、こんな場面です。(図1を提示する)

どっちがひろい_図表01
図1

遠足で公園に来たのかな。

2人の子がレジャーシートに座っているから、今からお弁当を食べるんだね。

実は、2人のお友達はこんなレジャーシートに座っています。(図2を提示する)

どっちがひろい_図表02
図2

色や模様が違うね。

イのほうが広そうだよ。

「イのほうが広い」と予想しているのですね。みんなは、どちらのレジャーシートのほうが広いと思いますか。(問題文を板書する)

問題
どちらの レジャーシートが ひろいでしょう。

イのほうが広いと思います。

どちらも同じくらいかな。

どちらが広いかを調べるにはどうしたらよいでしょうか。

レジャーシートを重ねたらいいと思います。

今日は、どんなめあてで学習しますか。

どちらのレジャーシートが広いかを調べよう。

どちらのレジャーシートが広いかを重ねて調べよう。

では、めあてを書きましょう。

学習のねらい
どちらが広いか、重ねて調べよう。

見通し

グループに2つのレジャーシートを配るので、どちらが広いか話し合いながら調べてみましょう。

レジャーシートを重ねれば調べられそうだね。

重ねるときには、ぴったり重ねたほうがいいと思うよ。

自力解決の様子

A つまずいているグループ

配付した2つのレジャーシートを広さを比べられるように重ねていない。

どっちがひろい_図表04

B 素朴に解いているグループ

配付した2つのレジャーシートを重ねて比べているが、どちらが広いか説明はできない。

どっちがひろい_図表05

C ねらい通り解いているグループ


配付した2つのレジャーシートを重ねて広さを比べ、はみ出している部分の大きさを基に、イのレジャーシートのほうが広いことを説明している。

どっちがひろい_図表06

全体発表とそれぞれの考えの関連付け

どちらのレジャーシートのほうが広かったですか。

イのほうが広かったです。

どうしてイのほうが広いと言えるのか、黒板に貼ってあるレジャーシートを使って説明しましょう。

2つのレジャーシートを端をそろえて比べてみたけれど、どちらが広いかよく分からなかったよ。

《予想される考え①》

どっちがひろい_図表07

このように重ねたら、イが広いことが分かりました。

《予想される考え②》

どっちがひろい_図表08

私たちのグループでは、このように、重ねてみました。

《予想される考え③》

どっちがひろい_図表09

やっぱり、イのほうが広かったです。

どうしてイのほうが広いと言えますか。

だって、2つのシートを重ねたときに、イのほうがはみ出しているところが多いからです。

なるほど、重ねてはみ出しているところに注目したのですね。実は、このお話には続きがあります。まだレジャーシートを出していなかったお友達。実はこんなレジャーシートを持っていました。(3つ目のレジャーシート“ウ”を提示する。広さは子供の思考をゆさぶるため2番目に広いものにする)

どっちがひろい_図表10b

2つの広さ比べはできたけど、3つの広さ比べはできそうですか。

3つは難しそうだな。

多分、2番目にウが広いと思います。

さっきと同じで重ねると調べられそうです。

それぞれのグループに新しいレジャーシートを配るので、調べてみましょう。

※グループで調べる活動を設定した後に、全体で交流する。

どのようにシートを重ねましたか。

このように重ねれば、イ→ウ→アの順に広いと分かります。

《予想される考え④》

どっちがひろい_図表11b

私たちのグループではこのように重ねてみました。やっぱり、イ→ウ→アの順に広いと思います。

《予想される考え⑤》

どっちがひろい_図表12b

はみ出しているところに気を付けると比べることができました。

今日のめあては、どちらが広いか調べようでした。広さを比べるときのポイントは何ですか。

重ねることが大切だと思います。

重ねたあとに、はみ出したところに目を付けると広さ比べができました。

学習のまとめ

広さは重ねると、どちらが広いか比べることができる。

ポイント&アドバイス

構成/桧貝卓哉 イラスト/横井智美・やひろきよみ 図版/永井俊彦

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