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かまってほしい子供への対応とは?「教師という仕事が10倍楽しくなるヒント」きっとおもしろい発見がある! #31

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教師という仕事が10倍楽しくなるヒント~きっとおもしろい発見がある!~
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帝京平成大学教授

吉藤玲子
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「教師という仕事が10倍楽しくなるヒント」の31回目のテーマは、「かまってほしい子供への対応とは?」です。何かにつけて先生に引っ付いてくるという子供が学級にいませんか。みんなの前で褒められるのが嫌な子、自分は悪くないと主張する子など、気になりませんか。かまってほしい子供の特徴や対応の仕方など様々なヒントをお届けします。

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執筆/吉藤玲子(よしふじれいこ)
帝京平成大学教授。1961年、東京都生まれ。日本女子大学卒業後、小学校教員・校長としての経歴を含め、38年間、東京都の教育活動に携わる。専門は社会科教育。学級経営の傍ら、文部科学省「中央教育審議会教育課程部社会科」審議員等、様々な委員を兼務。校長になってからは、女性初の全国小学校社会科研究協議会会長、東京都小学校社会科研究会会長職を担う。2022年から現職。現在、小学校の教員を目指す学生を教えている。学校経営、社会科に関わる文献等著書多数。現在、日本・中国・韓国の初等教育において、異文化理解教育の推進に関する実践と研究にも携わっている。

かまってほしい子供が増えている

最近、実にかまってほしい子供が増えています。困っている先生も多いのではないでしょうか。1年生を担任すると全体に話した後に必ず一人一人が話した内容を確認したくて、手を挙げて聞きます。それが1年生の担任の大変なところだったのですが、最近は、6年生でも担任が話した内容をすぐに個別に聞きに来ます。「今、言ったでしょ」と先生は思うのですが、このような子供たちは1対1の対応を望んでいるのです。そして、対応してもらってほっとします。でもクラスには30人以上の子供たちがいるわけですから、担任が全員に毎回丁寧な対応をするのは難しいでしょう。かまってほしい子供たちにどのような対応をしたらよいかを考えてみたいと思います。

かまってほしい子供への対応イラスト

相対的に見られるのを嫌う子供

クラスのみんなの前で怒られたらどんな子供でも嫌になります。ですから、注意をするときには配慮が必要です。しかし、この頃はみんなの前で褒められることも嫌がる子供がいます。それが難しい、とある担任の先生が話していました。1対1で褒められた場合は、本当にうれしそうな表情をするのですが、教師がよかれと思って、みんなの前で褒めても「シュンとした表情だ」と言うのです。私たちは、ついつい、自分の経験上みんなの前で褒めることはよいことだと思ってしまいますが、そうでない子供もいるのだということを分かっていなくてはいけません。

これは、大人の中にも出てきている現象です。ある保育園の園長が子供への対応がよかった保育士をみんなの前で褒めたら、あまり喜ばれなかったと話していました。集団の中での対応がますます難しくなっています。先生の周りにいつも来る、かまってほしがっている子供には、褒め方にも注意が必要です。みんなの中の1人としてみんなと比べられることが嫌なのです。

相手に合わせられない子供

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