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「子供のために」が子供のためにならない?教師の価値観を疑え!

2020/5/11

学校の先生をしていると「子どものために」という考え方に頻繁に出会います。子どものために残業をして教材研究、子どものために週末も勉強会に参加、子どものために、子どものために……。これらは教師としての当たり前の価値観にも思えますが、今回はこの価値観を疑ってみたいと思います。

執筆/大阪府公立小学校教諭・浅野学

「子どものために」から「自分のために」
イラストAC

睡眠不足は絶対に避けるべき

長時間労働は子どものためになるのでしょうか。教師として一番大切なこととして、私はいつも自分に言い聞かせていることがあります。それは「しっかりと睡眠時間を確保すること」です。

寝不足は人のパフォーマンスを大きく低下させます。子どもたちを相手にする仕事だからか、予定通りに進むことが少ないのが学校の先生という仕事です。心に余裕が無いと、イライラしてしまったり、焦ってしまったり、それらの感情から子どもたちに八つ当たりをしてしまったり…。

それらの感情を必死に堪えていたとしても、それはすべて自分への借金のように積み重なります。借金のように溜まっていった疲労はいつか時限爆弾のように爆発します。

仕事ができなくなってしまったら、結局、子どもたちは困ってしまう。長時間労働から生まれる睡眠不足は子どもたちにとって負の側面しかないのがよくわかります。

日々の授業実践を教材研究に

しかし、授業は毎日あります。教材研究もせずに授業をする方が子どもたちに不利益なのではないか、そんな思いもあるでしょう。確かに「教材研究をせずに」授業を行うことは子どもたちに対しても失礼です。でも、視点を変えてみましょう。「教材研究をしながら授業をする」というのはどうでしょうか。

少し脱線しますが、昨今、長時間の部活動が問題になっています。しかし、全国大会で優勝するような部活の中には、練習時間が他と比べても少ないところもあります。

それでも結果が残せるのは何故でしょうか。理由は練習内容にあります。短時間練習かつ全国レベルの学校の練習は「実践中心」だそうです。一番多くを学べるのは実践の中であるという考えから、試合形式の練習を中心に取り組むのだそうです。

学校の授業も同様に考えられるのではないでしょうか。

授業力をつけるために必要なことは、長い時間をかけてする「教材研究」よりも、毎日の子どもたちとの「実際の授業」なのではないか。

授業の中で子どもたちの反応を見ながら、足りないことは何かを考えて授業をする。前の授業の反省点を次の授業で生かす。このように、「日々の授業実践=教材研究」と考えてみませんか。

もちろん、教材研究をするなというわけではありません。実践をしていく中で足りない点をいつも考えているあなたなら「教材研究の質」も以前より確実に向上しているでしょう。

1日に5コマも6コマも授業をしなければならない小学校教員にとって、「日々の授業実践を教材研究にする」というのは、「持続可能な働き方」にとっての必要な考え方なのです。

休日は自分のために

無理な働き方の結果、体調を崩してしまえば、困るのはもちろん子どもたちです。我々教員が自身の働き方に気を配ること、それはそのまま子どもたちへ還元されることなのです。

平日に無理な働き方をして、休日にたっぷり休んで、また平日に無理な働き方をする…。こんなサイクルで働いていては、「学校の先生は学校しか知らない」なんて批判されてしまうかもしれません。

平日は「持続可能な働き方」をして、休日には自身が楽しめる活動をする。そしてその経験を子どもたちに話してあげたらどうでしょうか。

子どもたちは学校の外側の話が大好きです。子どもにとっては保護者と同じくらい身近な大人である学校の先生が充実した休日を過ごすことで、それは子どもたちへと還元されるのだと強く感じます。

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