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ダブルダッチが跳べるようになったら、次は何ができるの? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #95】

連載
使える知恵満載! ブラッシュアップ体育授業

筑波大学附属小学校教諭

平川 譲
使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業

#94では、ダブルダッチのなわの回し方や入り方、跳び方を紹介しました。一見すると難しそうなダブルダッチですが、ステップを踏んで指導すれば、達成率はかなり高まります。
今回は、ダブルダッチを跳べるようになった後のステップを紹介します。

執筆/東京都公立小学校教諭・吉羽顕人
監修/筑波大学附属小学校教諭
 体育授業研鑽会代表
 筑波学校体育研究会理事・平川譲

1.人数を増やして跳ぼう!

これまで取り組んできた「かぶり回し」「むかえ回し」では、「入る→跳ぶ→抜ける」という流れで学習を進めました。ダブルダッチでも、2本のなわに入り、跳ぶことができたら、子どもたちは「抜けてみたい!」と思うのが自然の流れでしょう。
しかし、ダブルダッチの場合は、抜け方を学習する前に跳び手と回し手の技能を高め、十分に安定して跳び続けられるようにしておくことをオススメします。
そこで、なわの中で跳ぶ人数を増やす「人数跳び」に取り組みます。身長順の4人組(体育の学習班)で行う場合、2人がなわを回して、残りの2人が順になわに入って跳びます。2人がなわに入ってから10回連続で跳べれば成功です。跳び手や回し手の組み合わせを変えて、何度も挑戦させましょう。

図表1

多くの子が、2人跳びができるようになったら、4人組を合体させて8人組を作ることで、3人跳びや4人跳びに挑戦することができます。
人数跳びに取り組む中で、楽しみながら、なわ回しやなわを跳ぶ技能を高めることができます。

2.なわから抜けよう!

⑴ なわからの抜け方は2通り

なわ回しやなわを跳ぶ技能が十分に高まったら、いよいよ、なわから抜ける学習です。ここで指導者として知っておきたいのは、ダブルダッチの抜け方は2通りあるということです。跳び手から見て、反対側に抜ける方法と手前に抜ける方法があります。

<跳び手の反対側に抜ける方法>

図表2

<跳び手の手前に抜ける方法> 

図表3

さて、「なわから抜けよう」という課題に取り組み始めると、1回だけなわを跳んで抜ける動きが多く見られることでしょう。これは、跳び手から見て、手前のなわだけを跳んで奥に抜けている状態で、「むかえ回し」と同じ動きです。このような抜け方が出てきたら、「これは、なわを1本しか跳んでいないけど、ダブルダッチのなわを抜けたと言えるのかな?」と、ゆさぶりをかけましょう。そうすると、なわを複数回跳んで抜けるにはどうしたらよいか、子どもたちが思考を始めます。

⑵ 中で跳ぶ回数に注目

なわの抜け方について試行錯誤し始めたら、「何回跳んでから抜けられたのか、班の仲間が数えておいてね」と指示を出します。次第に、「3回、5回で抜けられた」、「奇数回で抜けられる」、「偶数回だと、向こうじゃなくて手前に抜ければよさそう」という発言が生まれます。各グループの意見を整理すると、次のようにまとめられます。

①なわを奇数回跳んだときは、跳び手から見て反対側に抜けられる。
(8の字跳びと同じ抜け方)

図表4

②なわを偶数回跳んだときは、跳び手から見て手前に抜けられる。
(ひょうたん跳びと同じ抜け方)

図表5

中には、体勢を崩しながらもなわを避けることで、奇数回跳んだ後に手前に抜けるような動きをする子もいます。これは例外として捉え、混乱する子が出ないように、全体で共有する必要はないと考えています。

3.みんなで続けて跳ぼう!

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