学習の流れを明確化し、思考を深める「板書の作成法」【学ぶ意欲と力を育てる 学習指導の極意⑫】

子供たちの学ぶ意欲と力を育てるためには、教師はどのような指導をしていけばよいのでしょうか。学級経営を長年、研究・実践してきた稲垣孝章先生が、全15回のテーマ別に学級経営の本流を踏まえて、学習指導の基礎基本を解説します。第12回は、板書の構造化について解説します。
執筆/埼玉県東松山市教育委員会教育長職務代理者
城西国際大学兼任講師
日本女子大学非常勤講師・稲垣孝章
板書は、思考の流れを可視化し、授業の内容を深める重要な役割を担います。板書計画を立てることは、授業の流れのイメージを明確にすることにもつながります。また、整理され、構造化された板書は、子供たちのノート指導にも直結します。子供たちが学習の流れを理解し、思考を整理しながら学習を深めることができるように、板書計画を立案しましょう。その際、次の3つのキーワード「板書の役割の再確認」「構造化した板書の作成」「板書作成上の配慮点」で実践をチェックしてみましょう。
目次
CHECK① 板書の役割の再確認
現在は黒板だけでなく、ホワイトボードやプロジェクター用スクリーン、電子黒板等を活用した授業も多く見られます。しかし、多様な視聴覚機器等を活用した場合にも、1単位時間の学習の流れや学習内容を簡潔に可視化することが、子供にとって分かりやすい授業の基本です。
特に、黒板を活用して板書する場合は、1単位時間で黒板1枚に板書が収まるようにすることが基本です。板書は、簡潔であり、誰にとっても見やすいものであることが大切です。このような板書の役割を再確認して授業を構想していきましょう。
学習の流れを理解し、思考を深めるようにします
計画的で整理された授業の板書は、子供たちにとって「学習の見通し」をもつことができるような手立てとなります。
板書には様々な役割がありますが、まずは「課題をつかむ」段階等、「学習の流れ」を明確にすることによって、子供たちが見通しをもって学習できるようにします。また、多くの資料を吟味し精選する中で、教材や資料を活用しやすいように黒板等に提示し、意欲的な課題解決への学習の思考を促します。さらに、子供たちの多様な意見を整理しながら板書し、思考を整理して学習内容をまとめます。
1単位時間の学習の流れが明確になり、子供たちの思考が深まるような板書にしていきましょう。
CHECK② 構造化した板書の作成
授業のねらいを踏まえて学習の過程を構造化した板書は、子供の学習意欲を喚起し、学習内容を深めることにつながります。どのような板書にすることが、子供たちにとって学習意欲を喚起し、思考を深めることになるのかを考える必要があります。教科等の特質を踏まえ、具体的には、次のような視点をもって、板書を構造化することが求められます。
板書を構造化するための視点を明確にします
(1)「課題」「まとめ」などの学習の流れが分かるような表示をします
(2)多様な資料等の情報を整理して、比べたりイメージ化したりして可視化します
(3)子供の多様な意見を、分類・整理したりまとめたりして思考を深めます
(4)学習のまとめを図示したり枠込みをしたりして、強調点を明確にして提示します
(5)学習の思考を整理する内容とノートに記載する内容を明確に提示します

