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ICTを活用した一単位時間での自由進度学習の実践~じっくり考え、自ら学ぶ児童を育成するために 〜

校内研究で、「じっくり考えることを楽しむ児童の育成〜教材研究を楽しむ教師の授業改善〜」という研究主題のもと、第2学年で「一単位時間での自由進度学習」での研究授業を行いました。「じっくり考えること」という研究主題に向かうには、「自由進度学習」が適しているのではないかと考えました。一斉授業を否定するわけではなく、一斉授業の利点を活かしつつ、個別最適な学びや協働的な学びを組み合わせることで、より効果的な学習を実現できると考えています。そのような実践を紹介します。

執筆/東京都公立小学校教諭・河田侃也

こちらも併せてご覧ください【自ら学ぶ児童を育成するために 〜ICTを活用した自由進度学習の実践~】

学習指導案略案

1 単元名
3けたの数「100より大きい数をしらべよう」
2 単元の目標
1000までの数についてその意味や表し方を理解し、数の概念について理解を深め、図や式を用いて考える力を養うとともに、十進位取り記数法の仕組みを数学的表現を用いて考えた過程を振り返り、そのよさに気付き今後の生活や学習に活用しようとする態度を養う。
3 本時(全12時間中の8時間)
⑴ 本時の目標
 数の構成に着目し、1000までの数の多様な見方について考えることができるようにする。
⑵ 本時の展開

 以下のようなICTの活用を行いました。

ICTの活用について

学習の見通しがもてるGoogleスライド機能

前時の復習が終わったら、以下のようなスライドを提示しました。

提示したスライド

この流れに沿って、子供たちは自分の進度で進めました。タスク管理のように、「自分がここまで進んだ」と分かるように、自分のスライドにチェックをする子もいました(研究授業を受け、スライドの背景を変えるといいということで変更しています)。

スライドにチェックの様子1
スライドにチェックの様子2

1単位時間の流れは大きく変わらないので、スライドの用意は簡単でした。

自分の考えの共有

今回は、自分の考えの共有の仕方を2つの方法で自己選択させました。自分の言葉で共有したい人は「共有スペース」、タブレット端末を活用した共有をしたい人は「Padret」を活用しました。Padretを活用すると、以下のような画面で共有ができます。

Padretの画面
タブレット端末を活用すると、多くの考えを一度で見ることができます。
クリックして拡大した画像
画像をクリックすると、友達の考えを詳しく見ることができます。

2年生の子供たちは、ローマ字を未修のため、写真で共有することにメリットを感じました。

活動の様子1

共有スペースでの共有では、友達の考えを聞いて、自分のものにしました。従来通りの共有の仕方なので、安心感のもとで行えている様子でした。

スタディログ

学習の振り返りは、以前紹介したGoogleスプレッドシートで行いました。振り返りの言葉は、音声入力などを用いているため、誤字はありますが子供たちの思いがしっかりと伝わってきます。このスタディログのよさは、「友達の振り返りを参考にできる」「今までの学びが蓄積される」です。黄色の枠に変えているのは、全体で紹介するような振り返りです。

Googleスプレッドシートによる振り返り

これらのタブレット端末を活用した自由進度学習では、いつでもこの学びを確認することができます。もちろん、欠席した児童も同様です。どの子にも、学びの保証をすることができています。
また、今回は全員が1人でこの自由進度学習を進めました。理由としては、本来教師と学んでほしい児童を、「先生とやりなさい」と強制するのは、児童の人権を無視していると感じたためです。そのため、子供たちには「いつでも先生が助けるからね」と言葉を掛けました。この自由進度学習により、個に応じた指導により注力することができました。

終わりに

フッターです。