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小学算数「構造的板書」の工夫とコツ(小数/体積)

特集
樋口綾香&樋口万太郎夫妻が解説! 国語・算数 伝わる板書のルール
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香里ヌヴェール学院小学校 教諭兼研究員

樋口万太郎

スッキリした分かりやすい構成で、子どもたちに伝わりやすい板書の書き方を指南する本シリーズ。今回は、算数の「小数」と「体積」がテーマです。 構造的板書を長年研究している樋口万太郎先生(京都教育大学附属桃山小学校教諭)に、板書で気をつけるべき「配置」のテクニックを中心に教えていただきます。

樋口万太郎先生 撮影/水本克美(桑島写真スタジオ)

板書スキル1:大切なことは真ん中に書く

★小数

算数の板書というと、左上から始まり右下へと書いていくというのが、あたりまえのようになっています。しかし、黒板を三分割したときに、子供たちの視線が集まるのはどこでしょうか。それは間違いなくど真ん中の部分です。だから、そこにその授業において大切なことを書くようにするのです。

では、算数の授業において大切なこととはなんでしょうか。それは、考え方やまとめです。下の板書では、真ん中にまずじゃけんゲームのルールを書きました。通常であれば、ルールの部分が問題文になります。問題文が真ん中にあれば、1時間の授業を終えた後、振り返りがしやすくなります。今回の板書では「めあて」を書いていませんが、もし書くのならやはり真ん中に書きます。

本時は、10 倍、100倍、1000倍することで小数点がどのように移動するのか、位がどうなるのかを理解することをねらいとしています。そのためにじゃんけんゲームを行います。ゲームはとても盛り上がりますが、活動あって学びなしの状態になりやすいです。そうならないためには、ねらいがあることが大切です。

じゃんけんゲームで算数する構造的板書
ルールは真ん中に書きましょう

ルールを書いても、そのルールを全員がすぐに理解できるとは限りません。そこで、例として行なった結果をルールの下に書くことでルールの理解度が増します。このとき、子供たちはじゃんけんゲームの結果をノートに書くように言っておくことで、本時のねらいを達成しやすくなります。

同じルールでゲームをしていては、子供たちは飽きてしまいます。そこで子供とルールの変更を考えるのです。それを左右の場所に書きます。条件を変える③では、最初のルールに負けると10 分の1というルールを加えます。子供たちの実態に応じて、100分の1や1000分の1を入れてもいいことでしょう。

子供たちは活動を通して、小数点がどのように移動するのか、位がどうなるのかに気づいていることでしょう。そこで、上の板書のように空欄部分をつくり、まとめを書き、空欄部分は子供たちに埋めさせるようにします。もちろんまとめは大切なものなので、真ん中に書きます。

まとめは、あらかじめ用意していた紙を貼るのではなく、その場で書くようにしましょう。なぜなら、できる限り、子供たちから出てきた言葉で表現したいからです。

板書スキル2:問題、式、考えをつなぐ

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