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教育現場の優れた取組を顕彰し広げていく「博報賞」を受賞した4件の取組を紹介【PR】

博報賞は、児童教育の現場を活性化し支援することを目的として、博報堂教育財団が主催する賞です。全国の学校や団体、教育実践者が取り組む創造的な教育活動を表彰し、その価値ある実践を社会に広めることで、日本の教育全体の質の向上に貢献しています。

各受賞者には賞状と副賞が贈られ、とくに優れた取組には文部科学大臣賞も授与されます。今回は、博報賞を受賞した4件の取組をご紹介します。

提供/博報堂教育財団

前回記事:優れた教育活動や教育実践者を表彰する第56回「博報賞」応募受付中(6月25日締切)

「博報賞」の目的と賞の内容

博報堂教育財団が主催するこの「博報賞」(後援:文部科学省)は、同財団が未来を担う子どもたちの健やかな成長を願い、教育現場での草の根的な活動を応援するために行われています。全国の学校・団体・個人の教育実践者が取り組む創造的な教育活動を表彰することで、その価値ある実践を社会に広め、日本の教育全体の質の向上に貢献することが目的とされています。

各受賞者には賞状と副賞が贈られます。

「博報賞」受賞者:100万円

「功労賞」受賞者:50万円

「奨励賞」受賞者:30万円

さらに、博報賞受賞者の中からとくに優れた取組には、権威ある文部科学大臣賞が授与されます。皆さんの成果を発表する場として、チャレンジしがいのある賞と言えます。

教育現場の優れた取組を顕彰し広げていく「博報賞」

「博報賞」は、児童教育現場の活性化と支援を目的として、財団創立とともにつくられました。日々教育現場で尽力されている学校・団体・教育実践者の「波及効果が期待できる草の根的な活動と貢献」を顕彰しています。また、その成果の共有、地道な活動の継続と拡大の支援も行っています。

博報賞受賞者の中からとくに優れた実践には、文部科学大臣賞があわせて贈られます。今回は、博報賞を受賞した4件を紹介いたします。

【山口県】下関市立本村(ほんむら)小学校 ※文部科学大臣賞も受賞

学校と地域の連携カリキュラム「ふるさと玄洋学」を設け、中学校区の小中学校3校で取り組んでいます。中でも特筆できるものが、この本村小学校の取組です。「平家踊り」の継承を掲げ、その由来や地域の方々の踊りへの思いを探る総合的な学習の時間を中心に活動しました。

最初は、地域の「平家踊り保存会」の指導者から実技指導を受けてきたのですが、4年前にこれを見直しました。コミュニティ・スクールの仕組みを活用して、中学校を加えた中学校区の9年間で学校と地域が連携したカリキュラム「ふるさと玄洋学」を作成しています。この教育課程において改めて「平家踊りの継承」を位置づけ、「技能の継承」から「伝統芸能で地域を活性化」していく活動へ発展しています。

地域の方との熟議を通して、ただ技能を習得するだけでなく、長年続く伝統芸能を次の世代につなげて、本村地区の活性化に貢献したいという児童の自己肯定感や自己効力感を高め、郷土愛を育んでいます。また、児童には「そのためにはなにをすればよいか」と主体的に考えるような変容が生まれ、一人ひとりが行動に移して、さらに広く発信していこうとする意欲的な姿が見られるようになっています。

【神奈川県】石川 正明(まさあき)(横浜市立吉原小学校 教諭)

俳句と同じく連歌から派生した、より柔軟な文芸様式である川柳を使いながら、子どもたちの表現力・理解力を育て、ことばを介したつながりをつくり出す教育実践です。川柳というジャンルのもつ柔軟性と可能性を活かして、自分のことばを吟味し、思いを伝え合うツールとして、学習者の一人ひとりが受け入れ、実践しています。

自分の身の回りで生じた出来事や見聞きした事象の意味を、子どもたちがことばによって発見する営みが学校の内外で展開され、ことばの力とことばによるものの見方・感じ方が育まれていく実践には見応えがあります。年間を通して、国語科授業で川柳を学ぶだけでなく、それを使って学校スローガンの提言を行ったり、係活動に取り入れたり、総合的な学習の時間に句会を実施したりする活動が計画的に行われてきました。年度末には、子どもたちがつくった川柳を学校外の大会に投句し、社会的に高い評価も受けています。

連歌・俳句の規律や約束事にとらわれない比較的自由な文芸様式としての川柳のもつ大衆性を活かしながら、社会性を帯びた教育活動の軸として展開されているところには今日的な教育的意義があります。ことばが自分を映す「鏡」にも、人とつながる「絆」にも、世界を知る「窓」にもなることを教える実践です。

【三重県】三重県立特別支援学校 北勢(ほくせい)きらら学園

平成元年頃から就学猶予や訪問教育の対象であった、経管栄養やたんの吸引等の「医療的ケア」を必要とする子どもの地域の養護学校(当時)等への通学による就学ニーズが高まっています。また、医療的ケア児が通学するには保護者の付き添いが求められてきました。

平成9年開校の三重県立特別支援学校北勢きらら学園は、平成10・11年に旧文部省「特殊教育における福祉・医療との連携に関する実践研究」事業の対象校として、学校看護師と教員との協働による保護者の付き添いを必要としない学校教育の在り方に関する先駆的な実践研究を行い、その成果を全国に発信しました。その後も今日まで27年間継続して、医療・福祉機関との連携を強め、安全な学習環境の構築に努めながら、医療的ケア児の学習権の保証に向けた取組を行い、情報発信を行っています。

また、国立特別支援教育総合研究所研究協力校となるなど、全国のモデル校となっています。医療的ケアの内容は個別化、複雑化し、より高度な看護の専門性が必要となっていることから、看護師研修の充実、教員による自主的な研修会や実践研究に取り組んでいます。近年、医療的ケア児は小中学校等にも在籍しており、学校看護師が地域支援に参加するなど、新たな特別支援学校のセンター的機能の役割も期待されています。

【大阪府】NPO法人 おおさかこども多文化センター

NPO 法人 おおさかこども多文化センターは、外国にルーツをもつ子どもの教育支援を幅広く展開しています。その中でも、外国にルーツをもつ子どもの母語・母文化を尊重し、多言語の絵本をツールとした「多文化にふれる えほんのひろば」の活動には重要な意味があります。外国にルーツのある子どもたちの多くはなんらかの形で日本語の壁にぶつかり、自分の母語を忘れたり、母語に価値を見いだせなくなってしまいます。そのような状況で、日本語に重きを置いた支援は広がりを見せるものの、母語・母文化に注目した活動は十分に広がっているとは言いがたいのが実状です。

「多文化にふれる えほんのひろば」は、図書館、学校、他不特定多数の集まる商業施設など公共の場で外国につながる子どもと保護者が母語や母文化を披露し、交流する活動です。母語で読み聞かせをする保護者の姿を見て、子どもが自分もやりたいと母語に対する関心を高めたり、日本人の子どもや保護者が外国につながる子どもや保護者の母語・母文化に触れ、多文化に興味を持つきっかけとなっています。そこで生まれる交流は、外国につながる子どもや保護者の自己肯定感を高め、自信につながり、こうした出会いの場にまた参加しようという気持ちにつながります。

子どもの持つ母語・母文化を強みとして捉える活動は、ことばを通してみんなの笑顔をつなぎ、広がっています。

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