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【相談募集中】担任クラス以外の子たちの問題行動にはどうアプローチすべきか

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教育アドバイザー

多賀一郎

自分の担任するクラスではない、信頼関係もない子たちの問題行動にはどうアプローチすべきなのかと悩んでいる先生から、「みん教相談室」への投稿がありました。ここでは、教育アドバイザー・多賀一郎先生からの回答をシェアします。

悩む男性

Q.自クラス以外で受け持っているクラスの児童の問題行動に疲弊しています。どうアプローチすべきでしょうか

中堅教員です。教員が足りず、自分の担任クラス以外に、教科担任制で他学年の授業を受け持っています。自分のクラスには問題がないのですが、教科担任で入っているクラスに入るのが苦痛でくじけそうです。

そのクラスは、離席、教室外への飛び出し、授業中の暴言、ヤジを飛ばす(教師にも暴言を吐きます)、他害(児童同士だけでなく教師への暴力も)学習のルールを守らない、片付けをしないなど、問題だらけで、少なくともそういった行動が目立つ児童が10人弱います。学習規律やモラルはありません。

ある子は、口頭注意では喧嘩をやめず、執拗にターゲットを追いかけ回して暴力を振るうので、児童の体をつかんだり、引っ張って引き離したりしなければ止められません。そうすると、「あ、いけないんだ、体罰! 体罰教師!」と叫ばれます。やむを得ない有形力の行使だと認識していますが、身を守るためにボイスレコーダーなどで録音していても問題ないでしょうか。

ある子は、タブレットのルールを守らず、授業中にゲームばかりします。口頭注意を複数回してもやめられず、仕方がなく「預かるね」と言ってタブレットを取り上げると、文句や「死ね」「消えろ」など、暴言を吐かれます。子どものたわ言と受け取ってはいても、毎回暴言のシャワーを浴びせられるので、本当に苦痛です。

サポートの職員がいて、大人複数体制でもモグラ叩き状態で、授業の進行もままならないことがあります。毎回精神がすり減ります。自分のクラスに帰ってきたときに、ほっとして思わず涙が流れ、クラスの子どもたちに心配をかけたこともあります。夢にうなされ、受け持ち授業がある日の朝は、仕事に行くのが怖いです。

そのクラスの先生もご苦労なさっているのが分かるので、けがなどよっぽどのことがない限りは、事細かにクラスの問題を報告していませんが、やはり全てのことを報告すべきでしょうか。自クラスではない、信頼関係もない子たちの問題行動にはどうアプローチすべきなのでしょうか。また、他の真面目に授業を受けたい児童を守るにはどうしたらいいのでしょうか。

(yuuri先生・40代男性)

A.自分の心を守ることをいちばんに考えてください

あなたは真面目で誠実な先生でしょうね。そういう方は、そうでない人よりも苦しんだり悩んだりするものです。

まず、先生の立場でその状態の子どもたちを変えることは、とても難しくて、不可能に近いと思います。ご自分の心を守ることを中心に考えてください。

「何とかしてあげたい」
「真面目に受けたい子どもたちを、助けてあげたい」

そういった思いは、誠実な教師ならば、みんなが感じることです。

でも、教師は万能のスーパーマンではありません。できないことは、あるのです。

学級担任ならば、まだ少しはやれることがあるかも知れませんが、毎日何時間も子どもたちとの時間があるわけでもなく、一つの教科だけの担任ですよね。

それでは、子どもたちと信頼関係を結ぶのはとても無理です。

荒れた子どもたちにアプローチする方法は、学級担任ならば、少しはあるでしょう。

  • 子ども一人一人と本気で向き合って、子どもの声をよく聴くこと。
  • 子どもたちが楽しくてたまらないような授業を仕組むこと。
  • クラスミーティングなど、子ども主体の企画をすること。

などが考えられますが、そのためにはものすごい労力が必要になります。

自分のクラスの子どもたちのことは二の次に置いておいて取り組まなければ、荒れた子どもたちには向かい合えません。

子どもたちと信頼関係を築くためには、大変なことだし、4月から積み上げていかなければならないものです。

ですから、今は自分のクラスの子どもたちに全力を傾けて、教担のクラスでは、淡々と授業を進めて、深い思いを抱かないようにした方が良いと思います。

あなた自身がつぶれたら、自分の担任しているクラスの子どもたちにまで、影響が出てしまいますよ。


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