小6国語「表現をくふうする」板書の技術


今回の教材は説明文の「表現をくふうする」です。本単元では、比喩や倒置などの表現の工夫について理解し、その効果を考えて文づくりにつなげることを目指します。そのため、本時では、教材文から、自分が心引かれる表現の工夫を探し、その工夫や効果について考える活動を行います。子供の発言や要点を書き並べる板書や、精選した言葉と言葉の関係を結び付ける板書の工夫を紹介します。
監修/元京都女子大学教授
元同附属小学校校長・吉永幸司
執筆/大阪府公立小学校教諭・岡本美穂
教材名 「表現をくふうする」(東京書籍)
目次
単元の計画(全4時間)
- 既習事項を確かめ、単元の学習の見通しをもつ。
- 表現の工夫とその効果について理解する。
- これまでに読んできた文章などから表現の工夫を探したり、自分が書いた文章を書き直したりする。
- 学習を振り返り、表現の工夫やその効果についての理解を確かめる。
板書の基本
本単元では、比喩や倒置などの表現の工夫について理解し、その効果を考えて文づくりにつなげることを目指しています。そして、実際に文章を書く際に、倒置、反復などの表現方法や、言葉の選び方などによって、豊かで魅力的な、心引かれる表現ができることを理解できるようにします。
表現の工夫への気付きを整理する活動として、教科書にある教材文から、自分が心引かれる表現の工夫を探し、その工夫や効果について考える活動を設けました。
今回は、子供の発言の「言葉」から要点を書き並べる板書を意識しました。ここでは、子供の思考過程を、板書を使って明確に整理することを求めています。考えが多様に出てくる題材なので、子供の発言や要点を書き並べる板書や精選した言葉と言葉の関係を結び付ける板書を心がけています。だからこそ、どこに何を書くかが問われる板書になっていきます。
板書は学級の子供たちの方向性を示す視点であり、自分たちで考えたことが黒板に書かれていき、さらにそこへ友達の考えが足されていき、深まっていく。その過程が「思考力」を育むと考えています。こうして1時間の板書ができ上っていくことで、子供たちは学習への意欲を高めます。言い換えれば、「深まっていく板書づくり」を意識することが子供の意欲を引き出すということです。
そのためには、
●自分で学習を進めていく子供たちになる。
●1つの言葉から考え方、言葉と言葉の関係付け方、見付け方を知る。
●比較が生まれる。
●子供の考えの土台となる。
上のことをポイントとして、子供たちが見通しをもてるような板書を目指しています。
板書のコツ(2/4時間目導入)
板書のコツ
今回のめあては、「表現のくふうについて知り、使ってみよう。」です。まず、授業の最初に教科書の挿絵を黒板に貼り、見せました。どんな様子の挿絵かと聞くと、いろいろ予想して意見が出てきました。ここでは、子供たちが感じたままに伝えてくれたらと思っているのでどんどん聞いていきます。
・なんだかさみしそう。
・恋してる?
・迷っている。
・悩んでいる。
・落ち葉があるから秋みたい。
いろいろ意見を伝え合ったところで、教科書の文章を子供たちと一緒に読みます。
そこで、今回のめあてを伝えます。
板書のコツ(2/4時間目前半)
板書のコツ
より印象的に伝える、伝わるようにするために「表現の工夫」があること、そして、その効果を知ることで、卒業文集などでも意識して使っていくことができるようにしようと伝えました。
その後、子供たちに、範読した文章から、それぞれ「表現の工夫」だと思うところに線を引くように伝えました。
子供たちは次のところに線を引きました。
・まるでどこまでも続くじゅうたんのようだ。
・落ち葉のメロディー
・ついにもどってきた、この森に。
など、注目している部分を伝え合い、どんな効果なのかについてペアなどで話し合う様子も見られました。
この意見を大きく2つに分類することを伝え、板書していきます。
板書のコツ(2/4時間目中盤)
板書のコツ
今までの学習で出てきた「スイミー」などにも比喩表現が出てくることに気が付いた子供たちがいたので、板書しました。
そして、上のように大きく①と②の2つに分けて板書を行い、「比喩」という言葉を伝えました。
板書のコツ(2/4時間目後半)
板書のコツ
振り返りでは、1枚の写真を見せて、それについて表現の工夫を使って説明するようにしました。
写真は、私が旅行に行ったときに撮影した「くじら」の写真です。
学習した2つの表現の工夫を使って、説明できることを意識して書くように伝えました。
構成/浅原孝子