低学年の子どもたちの「見てほしい!」という気持ちを満たす声かけ法!
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絵を描いた後、子どもたちの多くは「誰かに見てほしい」という気持ちでいます。先生に絵を見てほしい、絵を見て何か言ってほしい、共感してほしいという気持ちを持って「先生見て見て!」とたくさん話しかけてくれます。低学年段階ではなおさらです。そのような児童の気持ちに対して、こちらからひとこと言ってあげられたらいいですね。今回の記事では、見てほしいという気持ちを満たす声かけについて考えていきます。
題字・イラスト・執筆/埼玉県公立小・中学校教諭 坂齊諒一
連載【いちばん楽しいアート】#09
1、授業中の子どもからの声はほとんどこれ
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低学年での授業では、子供たちから話しかけられたときの内容のほとんどは、見てほしいというものでした。低学年は絵を描いたり、何かを作ったりすることが大好きです。
基本的にこちらが何か働きかけをしなくても、どんどん作りたいことや描きたいものがあふれて、楽しい気持ちで授業に取り組みます。
そして自分が作ったものを誇らしげに「先生見て見て!」と伝えてくれるのです。
この見てほしいという強い気持ちに答えることができれば、また、この気持ちを満たしてあげることができれば、図工の授業の雰囲気が良くなるだけでなく、学級経営にもつながるものとなります。低学年を担任している先生方は、ぜひ次の図工の授業中の子供たちの声に耳を傾けてみてください。そして、余裕があればどのような内容の声であったかを数えてみてください。
2、上手く描けたかどうかを言ってほしいわけではない
児童から見てほしいと言われた時に勘違いしてはいけないのが、評価やアドバイスがほしいわけではない、ということです。
「見てほしい」=「絵を見た時の反応を通して先生と関わりたい」
と思っています。そのため、児童が求めている反応は、先生が笑顔になったり、驚いたり、自分の絵に興味を持ってくれたりすることです。
どのような声かけをしたら良いのかは、以下の記事をご覧ください。
>>児童への図工的「ほめ言葉」をトレーニングして、楽しく自由な図工の授業をつくろう!
上記の記事に加えて、次のポイントを意識するとよいでしょう。
1、笑顔で振り向く
2、身振り手振りも入れてリアクションする
3、会話の最後に「また見せてね」と次も待っている気持ちを付け加える
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低学年では特に、先生が「喜んでくれた」「楽しんでくれた」という反応が重要です。児童の声にたくさん反応して、授業を盛り上げてみてください。その反応ができると、児童の声がどんどん増えて授業中引っ張りだこでしょう。先生方から嬉しい悲鳴が聞こえてきそうです。
イラスト/坂齊諒一
![坂齊諒一](https://kyoiku.sho.jp/wp-content/uploads/2024/06/893b610c3f8a25691d666abd7ff3470a.jpg)
【著者プロフィール】
坂齊諒一●さかさいりょういち
1991年埼玉県生まれ。文京学院大学人間学部児童発達学科卒業。埼玉県公立小学校教諭として7年間勤務した後、2022年に一旦退職。翌年度から小学校、中学校教諭として勤務しながら、フリーランスイラストレーターとして活動を始める。企業や教育委員会からの依頼で絵を描きつつ、教員の働き方や図工の授業について研究をしている。