小6国語科「漢字の広場③ 5年生で習った漢字」全時間の板書&指導アイデア

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文部科学省教科調査官の監修のもと、小6国語科「漢字の広場③」(光村図書)の全時間の板書例、教師の発問、想定される児童の発言、1人1台端末活用のポイント等を示した授業実践例を紹介します。

小六 国語科 教材名:漢字の広場③(光村図書・国語 六)

監修/文部科学省教科調査官・大塚健太郎
編集委員/山梨大学大学院教授・茅野政徳
執筆/神奈川県川崎市立はるひ野小学校・田中真琴

1. 単元で身に付けたい資質・能力

本単元では、5学年で学習した漢字を中心に、これまでに学習した漢字を文や文章で用いる技能を身に付けます。挿絵の場面を文に表し、さらに同じ意味や似た意味の語句を使って言い換えた文を書くことで、国語だけでなく、他の教科・領域、日常生活でも積極的に漢字を使って表そうとする態度が育まれることを期待しています。

2. 単元の評価規準

単元の評価規準

3. 言語活動とその特徴

「漢字の広場」の学習は①から⑥まで設定されており、5年生で学習する漢字が網羅されています。
学習指導要領では、当該学年の前の学年までに配当されている漢字については、読めるだけでなく書けるようになることも目標としています。つまり、各学年の教科書に準備されているこの「漢字の広場」を意識的に行うことが、目標達成には必要です。

新出漢字の指導や習熟に時間を費やしてしまい、その学年以前の漢字についてはなおざりになってしまっている現状があるのではないでしょうか。

「漢字の広場」は、毎回様々なテーマで挿絵とともに漢字が載せられ、活動の提案がなされています。ぜひ、楽しい創作活動を行いながら、漢字の習熟を図るとともに、文や文章の中で使っていこうとする態度を育みましょう。

「漢字の広場③」では、同音異義語や同じ部分をもつ漢字など、表記を間違いやすい漢字(例えば「「快適」の「てき」、「非常事態」の「たい」、「独り」(ひとり)、「正義」の「ぎ」、「博識」の「しき」など)に注意が必要です。本時でもう一度、つくりやへんを意識し、意味を確認できるとよいでしょう。ひいては、今後の漢字を学習していく上での姿勢につながっていくように指導していけるとよいですね。

4. 指導のアイデア

〈対話的な学び〉 語句の意味と捉え方や感じ方の違い

「漢字の広場③」では、魔法使いが冒険をするストーリーを作ることができます。
想像的なストーリーを生み出すことができれば、人に読んでもらいたくなるでしょう。ぜひ、グループの友達と読み合う時間を設け、アドバイスをし合ってさらによりよい文章へと表現の仕方を工夫する活動を設けましょう。読み合うことで対話が生まれやすい学習材ですので、その特徴を上手に活用していけるとよいですね。
本実践では、友達と協働して作品を作り上げる学習活動を設定することにしました。一人一人が物語のすべてを書き、友達と読み合う時間を確保すると、どうしても文章を書く時間が減ってしまいます。
まして、冒険物語を書くとなれば、想像が膨らみ、書く時間がいくらあっても足りないという子供も出てくるでしょう。
そこで、絵に合わせて内容を分け、グループで物語を完成させるようにしました。一人が担当する漢字や分量が減るので、負担なく文章を書くことができます。物語が成り立っているか、面白くなっているか、友達の書いた文章と読み合わせていく中で、内容に関する対話が期待できます。
また、漢字の使い方や表記に間違いがないか、表現は適切か、自分が担当しなかった漢字をはじめ、表現についても対話の必要性が見出されるでしょう。漢字を書く機会を多く確保するならば、課外の時間なども活用し、できあがった物語を全員が清書する活動も考えられます。

5. 1人1台端末活用の位置付けと指導のポイント

イラスト/横井智美

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