冬休み明けに「過剰な期待」は厳禁!現実的なリスタートを

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小五も三学期になると、担任としては最高学年への橋渡しをする大切な時期と意識することでしょう。しかし、冬休み明けの子供たちは「休みが終わってガッカリ」と言うのが本音。教師だけが意気込んで過剰な期待をするのは荒れの元です。子供たちの気持ちに寄り添いながら、最高学年に向けての自信や成長へつなげる指導を心がけましょう。

執筆/北海道公立小学校教諭・戸来友美

三学期は橋渡しを意識した指導を

三学期の始まりは、冬休みから学校生活への緩やかな橋渡しを意識します。また、五年生にとっての三学期は、最高学年の六年生に向けて生活や学習の橋渡しの始まりの時期でもあります。二つのつながりを意識して、この時期は指導していくとよいでしょう。

1.学校へ迎え入れる

冬休みが終わり、がっかりしている子供たちがいることを思いながら、初日を迎えます。朝の教室で、子供から先にあいさつできることが理想ですが、冬休み明けは先生から穏やかに「おはようございます」と声をかけたいものです。

その時に、返ってくる声が小さくても、強く指導はせずに、元気がなかった子に「会えてうれしいよ」と笑顔になれるような言葉をかけて一日を始めます。また、寒い道のりを登校してきた子供たちには「鼻も赤くなるほど寒かったんだね」「雪の中、よくきてくれたね」と労いの言葉もかけたいです。

2.学習や生活習慣の確認

三学期の始まりは、二学期の続きではありません。スムーズに学校生活をスタートさせるために、学習規律を再度指導したり、学習の持ち物の点検をしたりする必要があります。「できて当たり前」と思うことなく、三学期の始まりに確認するとよいでしょう。そうすることで、安心して五年生のエンディングが始まる三学期の第一歩を踏み出しやすくなります。

確認と同時に、どこまで身についていて、これからどんな指導をしていくのかの見通しをもつ機会にするとよいでしょう。

<学習規律>
□最後まで話を聞く
□場に応じた話し方をする
□返事をする
□ノートの取り方

<学習の持ち物>
□筆箱の中身
□道具袋の中

六年生を意識した励ましを

三学期になって、急に六年生を意識しすぎた厳しい指導をしてしまっては、学級がうまくいかなくなってしまいます。ですから、今まで頑張ってきたこと、当たり前にできているよいところを見つけてほめていきます。その時に、「きっと、頼れる六年生になってくれそうだね」「全校リーダーとしての芽が出てるね」のように声をかけていきます。六年生への自覚が生まれてくるでしょう。

教師はできていないところに目がいくことがありますが、そこは意識を変えて、三学期こそ子供たちのよさを見つめる指導をしていきましょう。そうすることで、子供たち自身が自分たちのできていることに気づき、自信をもって成長していくことができるでしょう。

一年間の復習は協働的に

五年生の学習内容はとても重厚ですから、カリキュラムを終えられるように残り時数と内容について余裕をもって取り組まなければなりません。また、他の学年に比べ、学年の復習の時間を十分に取ることができないことが多いです。季節的にインフルエンザによる学級閉鎖など突発的な事態も予想されます。

限られた時間で五年生のまとめの学習を子供同士で対話的に行えるようにするために、自分たちで問題を出し合う時間を作ります。

●理科の復習は問題づくりで

理科の板書例
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教科書に理科の四つの分野とその学習内容が書かれています。教科書の内容を終えた後には、全体指導で分野ごとに学習内容を振り返ります。その後、分野ごとに問題づくりの担当の班を決めて、問題づくりに取り組みます。

まず、教科書で学んだことを班で確認し合います。大事だと思うところはどこなのかを話すように伝えます。そして、そこについて問題を作ります。その時には教科書を見ながら、図を写したり、グラフを書いたり、表にしたりする必要がありますので、問題を作る側にとって深い復習の時間となります。分量としては、B5のプリントに2、3題くらいです。

1時間で問題を作り、担任は人数分印刷しておきます。次の時間にはできた4分野の問題を10分ずつ解き合います。問題を作った班は、悩む人にヒントを出したり、丸つけをします。繰り返すうちに問題づくりも上手になり、大事なポイントを探せるようになります。

●漢字の復習をペアで行う

漢字の復習は一度に行わずに何度か繰り返し行います。国語の授業時間のはじめの10分を使ってペアで行います。

最初に、5分間、教科書の漢字一覧を見ながら一年間で学習した漢字を個人で練習します。その後、隣の人に自分の練習した範囲を伝えて、その中から問題を出してもらいます。5分間、隣のペアで、交代しながら問題を出し合います。テスト問題を出した人は、書いている相手が正しい漢字を書けているか、正しく書いているかを注意深く見て、間違っている時には教えます。

子供同士で声をかけることで、単調な漢字の練習に協同的に取り組むことができます。また、自分では気づいていなかった間違いを指摘してもらえます。範囲を先に終えた子は、問題を出してもらう範囲を広げたり、漢字のドリルを使ったりして、繰り返し五年生の漢字の練習をします。

イラスト/設楽みな子

『小五教育技術』2019年1月号より

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