考えを書くために「消さない」「立場をはっきり」【ノート指導6】
自分の考えをしっかり書けるようになるには? ノート指導について解説するシリーズの6回めの今回は、考えを深めていくために消しゴムは使わない、〇か✕かを答えたあとでその根拠を書かせる、この2つのノート指導について紹介します。
執筆/北岡隆行
目次
消しゴムを使わないで「消す」
「何を書くか」より、「合っているかどうか」が気になってしょうがない子どもがいます。間違ったとたん、消しゴムで消してしまうような子どもです。
そんな子どもには、こう言ったらどうでしょう。
「 消しゴムを使わないで、鉛筆で消しなさい。」
「ボールペンで書きなさい。間違ったら、ボールペンで消しなさい。」
「消さないで、二重線を上に書きなさい。」
考えが変わる、考えが深まるためには、もともとの自分の考えを消さないことが大切です。最初の考えと後の考えを比較できるからです。
そのためにボールペンを使って、消しゴムを使わないのです。鉛筆で、上に斜線や二重線を書いて消すのも、同様の意味からです。
●考えを比較したノートの例
「○か×か」立場をハッキリさせる
「〇か×か、なぜだ」
これは、野口芳宏氏によって広く知られた、短時間で個々の考えを知ることができる点で有効な方法です。
野口氏は「〇か×か」ときいたあと、必ずこうききます。 「なぜだ。」そう答えた根拠を子どもたちに求めます。次のようにノートを使わせてみましょう。
▶まず、問題を書かせる。
▶次に、〇か×かの判断と、根拠を一緒に書かせる。
この2つがセットです。
たとえば、「ごんぎつね」(光村4年下)に次のような場面があります。
ごんぎつねの話で、兵十がいなくなったすきに、ごんはびくの中の魚を逃がす。最後にのこったうなぎをつかもうとしたがうまくいかない。そこで、ごんは頭をつっこんで口に「くわえた」場面である。
「ごんは、じれったくなって、頭をびくの中につっこんで、うなぎの頭を口にくわえました。うなぎは、キュッといってごんの首へまきつきました。」
イラスト/相澤るつ子
「COMPACT64 ノート指導 早わかり」より