教頭が異動するときのヒント:便利な「教頭引き継ぎ書」で次世代に知見を引き継ごう

教頭(副校長)が、転退職・昇任などで勤務校を去る時、次の担当者に「引き継ぎ書」を作成して業務の引き継ぎをします。定型化されたものはほぼなく、それぞれが工夫して作成していることが多いようですので、なるべく分かりやすく、そして親切に学校経営の概要や課題を伝えることが大事です。あなたがつくってきた素晴らしい学校経営を次世代につなぐためです。どのように作成すれば効果的かポイントを整理してみましょう。
【連載】がんばれ教頭クラブ

目次
Ⅰ 引き継ぎ書とは?
教頭(副校長)の引き継ぎ書は、学校経営を円滑に進めるために必要な情報を分かりやすくまとめたもので、法的な規定はなく、各校で伝統的に引き継がれていたり、あるいは異動の際に新規に作るなどしていたりすると思います。
作成者によって、ざっくりしているものだったり、詳細が細かく書かれていたりと千差万別ですが、異動してくる相手に応じて、配慮してあげる必要があるのではないでしょうか?
例えば、新任教頭(副校長)が赴任してくる場合は、きっと分からないことだらけでしょうから、詳しくレクチャーしてあげるくらいの内容でちょうどいいと思いますし、異なる市区町村からの異動者であれば、自治体ごとのやり方を丁寧に解説してあげると親切です。
何しろ学校は、顔を合わせて異動の引き継ぎができる時間がほとんどありませんから、確実に1日でバトンが渡せるようにしたいですね。
Ⅱ 引き継ぎ書作成のポイント
① 索引と見出しをつくろう!
何がどこに書いてあるか、ざっくり把握できると便利です! 引継書の冒頭には、以下のような索引と見出しを示すと親切です。
索引と見出し
扉 作成者の情報・緊急質問先
1 基本情報
2 担当する業務
3 業務の詳細について
①教育課程・教育内容・校内研究に関すること
②教職員に関すること
③学校施設設備に関すること
④事務処理に関すること
⑤その他
⑥留意点
4 各連絡先電話番号・担当者一覧表などのデータ集
基本的に以上のような項目があれば、ほぼ伝えたい内容を網羅できます。
② 作成のポイントをとらえよう!
作成のポイントは以下のとおりです。
ポイント① 引き継ぎ書の目的と対象、引き継ぎ時期などを明確にする
ポイント② フォームを決めてシンプルに分かりやすくする(目的・概要・手順・課題・対策・見通しなど…)
ポイント③ 可能な限り資料をそろえ、手順を示したり、数値化したものや事実、エピソードを添えたりする
ポイント④ 原案を上司(校長)に確認してもらい、抜け漏れや誤りがないかをチェックする
ポイント⑤ 後任者に引き継いだあともフォローすることを添える