小6らくらくUnit 8「My Future, My Dream.」①【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業
小6 モトヨシ先生のスライドde外国語

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 6 Unit 8「My Future, My Dream. ~夢宣言カードでスピーチをしよう」第1時(中学校にはどんな部活動があるかな?)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語活動の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学6年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 6」のUnit 8「My Future, My Dream. ~夢宣言カードでスピーチをしよう」全8時の1時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

単元のゴール
友達が書いた夢を英語で読んでみよう。
○本時の目標
中学校にはどんな部活動があるかな?

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉

I want to join ~. I want to enjoy ~. I’m good at ~. I want to be ~. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
中学校生活や将来の夢などについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、海外の国について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
中学校生活や将来の夢などについて、簡単な語句や基本的な表現を理解している。
〈技能〉
中学校生活や将来の夢などについて、書かれた英文を理解する技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味が分かり、声に出して読んでいる。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、書かれた簡単な語句や基本的な表現の意味を分かろうとし、声に出して読もうとしている。

【話すこと】
●知識・技能
〈知識〉

I want to join ~. I want to enjoy ~. I’m good at ~. I want to be ~. およびその関連語句などについて、理解している。
〈技能〉
中学校生活や将来の夢などについて、I want to join ~. I want to enjoy ~. I’m good at ~. I want to be ~. およびその関連語句などについて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う(話す)技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている(話している)。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おう(話そう)としている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、英語を使ってしたいことについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉

中学校生活や将来の夢などについて、英文の語順などを理解している。
〈技能〉
中学校生活や将来の夢などについて、例文を参考に書く技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、例文を参考に書いている。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、中学校生活や将来の夢などについて、例文を参考に書こうとしている。

○言語材料
(表現)
I want to join ~. I want to enjoy ~. I’m good at ~. I want to be ~. など
(語彙)部活動(basketball team など)、学校行事(entrance ceremony など)、動作(run など)、教科(math など)、職業(singer など)

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. 単元のゴール、本時のめあての確認
  3. 部活動クイズ
  4. デジタル教科書 Starting Out
  5. (進学先の)中学校にはどんな部活があるかな
  6. ふり返り

各活動の流れ

この実践は、コロナ禍で児童の学習活動が制限されていたときのものです。その当時は活動の制限を考えると「話すこと」(発表)は実施できないと判断し、外国語の専科の立場から児童たちのために何ができるのかを最大限に考え、「書くこと」や「読むこと」を取り入れて授業を行いました。それまでの「話すこと」を中心とした授業ではない、試行錯誤をしながらの新しい授業のスタイルを考えて行いました。
しかし、制限があったからこそ見えてきたこともありました。制限がなければ、「書くこと」「読むこと」を中心とした授業構成は考えられなかったと思います。自分たちだけの「将来の夢オリジナル辞書」を作成し、英和・和英辞典を引くような体験を3学期に行いました。そのことで、中学校への学習につながる授業になったと感じています。先生方の参考になれば幸いです。
現在は、単元の最終ゴールを「発表すること」にして、「書くこと」→「読むこと」→「話すこと」(発表)という流れで授業を構成することができると思います。

①挨拶

元気に明るく挨拶して、How are you? How’s the weather? などの質問をしてみましょう。

②単元のゴール、本時のめあての確認

単元のゴールと本時のめあてを確認します。

次に、Enjoy Communication(P76)の動画を視聴し、児童が本単元で扱う表現を知り、学習の見通しをもてるようにします。動画を視聴させたら、どんな話をしているか、ペアで話し合わせるとよいでしょう。

スライド資料

③部活動クイズ

この時期になると、もうすでに進学先の中学校への体験入学や部活動見学などを終えている小学校が多いのではないでしょうか。そこで、中学校にはどんな部活動があるか、イラストを見て考えるクイズを行います。

イラストには13の部活動が描かれていますが、クイズでは11の部活動を当てることとします。イラストには、ぼかしなどの特殊加工が施してあり、意図的に見えにくくしてあります。4段階でイラストを見ていくと、徐々に答えが分かるようになっています。

活動の仕方
1.4~5人のグループをつくる。
2.グループに番号の入ったワークシートを配り、答えを記入させる。
3.各グループから1名がスクリーンの前に来て座る。
4.制限時間内(1分程度)でスクリーンとグループ間を行き来し、部活動名を伝える。
5.部活動の英語での言い方を考える。

ワークシート
↑グループに配る部活動クイズワークシート
クイズのイラスト
↑スクリーンに映す部活動クイズイラスト(4パターン)

グループでの活動を終えたら、全体で答え合わせを行いましょう。What is No.1’s answer? と聞き、児童とやり取りをしながら進めましょう。また、How do you say “科学部” in English? と言って、英語での言い方を児童に考えさせるとよいと思います。

答え合わせを終えたら、全体で発話をしましょう。部活動の数が13と多いので、すべての単語を1回ずつ発話するのではなく、答え合わせ時の児童の様子から単語数をしぼって発話させます。

例えば、basketball team, volleyball team, computer club などは、これまでの学習で慣れ親しんだ語なので、これには発話の時間をかけずに、calligraphy clubtrack and field team などの単語に時間をかけるのがよいでしょう。

④デジタル教科書 Starting Out (P72)

教科書の Starting Out を行います。本時は1と2を行います。これまでの単元よりも少し長めのスピーチなので、ワークシートを効果的に使用して内容を聞き取らせるなどして、語句や表現に慣れ親しませていきましょう。

ワークシート
ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

1回目は、映像(もしくは音声)を通しで流しましょう。どんな単語や表現が聞こえたか、どんな内容だったかをペアで話し合わせます。
2回目を聞かせる前に、「聞く」視点として、ワークシートに記載されている質問を児童に与えます。そのときの注意点としては、質問⑴の What’s her name? を伝えるときにワークシートを示すのでなく、映像の中学生を指さして問うことです。そうでなければ、誰のことをherと言っているのか分かりません。また、この段階で「中学生の女の子の名前は?」と英語で聞くと難易度が高くなってしまうので、あえてこのような形で行っています。
同様に What’s his name? を伝えるときは、映像の中学生の男の子を指して問います。
⑶⑷も同じ中学生の男の子を指して What school event does he like? What is he good at? と問います。「得意なこと」を簡単に復習するのであれば、教師とALTの自己開示を短時間で行って伝えることもできます。

I am good at playing basketball.(と言ってシュートを打つ振りをする)
How about you?

I am good at dancing.(と言って簡単なダンスをする)

6年生のこの時期になると、教師が好きなこと(例えば私の場合だったらバスケットボール)を児童はよく知っています。そうすると is good at playing basketball の表現が、本好先生の得意なことだなと容易に理解することができます。そのあとに2、3人に What are you good at? と問うことで、授業をテンポよく進めることができるだけでなく、リスニング⑷のヒントにもなります。

2、3人とやり取りを終えたら、再度中学生の男の子を指さして What is he good at? と聞きましょう。そうすることで、児童は2回目のリスニングに自信をもって取り組むことができます。また、英語でのやり取りだけで、ワークシートの質問内容を理解させることもできるでしょう。

⑸の Hiroshi はメガネをかけている男の子でよく登場するので、Hiroshi の写真を見せる必要はありません。ただし What does Hiroshi want to study hard? と質問文を確認したら、児童の様子を見てヒントを出します。ヒントが必要であると判断した場合は、Does he want to study English hard? Does he want to study science hard? Does he want to study math hard? と英語でヒントを与えてからリスニングを行います。先に述べたように、ここでもテンポよく行うことがポイントです。

Starting Out ② のワークシートも準備してあるので、同じ要領で進めてください。

ワークシート
ワークシートは記事の最後でダウンロードできます

⑤(進学先の)中学校にはどんな部活があるかな

自分が進学する中学校にはいくつ部活動があり、どんな部活動があるかを考えます。児童がこれから行く学校のことですから、児童も期待をふくらませて意欲的に活動します。事前に中学校へ問い合わせて、どんな部活動があるか、いくつあるかなどを確認しておくとよいでしょう(すでに体験入学を終えていれば、そのときに部活動に関する情報は得られていると思います)。

進学先の中学校の写真をスライドにいくつか入れておき、児童に中学校の写真を見せながら Where is this? などと教師がつぶやきながら進めていきましょう。すると児童が「○○中学だ!」と発言すると思います。すかさず教師は That’s right. This is ○○ junior high school. I have a question. How many clubs does ○○中 have? Talk with your friends, please. と問い、ペアで話し合いをさせます。

中学校の近くの写真2
中学校の写真を見せて答えを引き出しましょう
スライド「〇〇 Junior High School. How many clubs does 〇〇中 have?」

児童に部活動数の予想を答えさせたら、次は Picture Dictionary P31 を参考にして部活動名を「書き写す」活動を行います。

児童は③部活動クイズで、英語での部活動の言い方を学習しているので、ここではまねして書く活動を取り入れました。前にも述べましたが、児童が実際に行く学校のことなので、本物の場面設定となり、児童の意欲はとても高まります。「テニス部はあるよね?」「私は○○部に入りたいな」など、4月からの生活に期待をふくらませている姿を見ることができるでしょう。

部活動Wrightingワークシート
部活動Wrightingワークシート
部活動なぞりがきワークシート
部活動なぞりがきワークシート

⑥ふり返り

本時の学習をふり返り、全体で共有しましょう。

<児童へのアンケート>
本単元の後半に、児童は「将来の夢」について英語で表現できるように学習を行います。そこで本時の終わりに、「自分の将来の夢」のアンケートをとっておきます。
アンケート用紙
アンケートには、その「理由」も書かせることで、教師は理由を把握できますし、また、児童自身も本単元後半でのライティング活動で、内容を考える時間を省くことができました。
アンケートを回収後、児童が将来就きたい職業(英語)のリストを作成しましょう。職業名を五十音順にしたリストを用意することで、児童がライティングの活動を行うときに、辞書として活用できるようにしました。
作成した辞書を児童が活用するのは単元の後半になりますが、リストの作成は時間がかかる作業なので、1時目にアンケートをとって準備を進めておくとよいでしょう。辞書の作成は、ALTに協力してもらうと教材準備の時間短縮になります。詳しい流れは、本単元の各授業内容を参考にしてください。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。


本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。


パワーポイント(スライド)ダウンロード

6年Unit8-1パワーポイント(48スライド)、ワークシート(6点)

パワーポイント見本
部活動クイズワークシート
部活動クイズワークシート
Starting Out 1ワークシート
Starting Out 2ワークシート
部活動Wrightigワークシート
部活動Wrightigワークシート
部活動なぞりがきワークシート
部活動なぞりがきワークシート
将来の夢アンケート
将来の夢アンケート

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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