小5国語「和語 漢語 外来語」板書の技術
今回の教材は、「和語 漢語 外来語」です。本単元では、「日常の和語、漢語、外来語を集めて、それぞれの特徴や使い方などについて考える」という活動を設定しています。そのため、子供たちが、「和語、漢語、外来語」について理解し、その特徴を考えることができるような板書の工夫を紹介します。
監修/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
執筆/大阪府公立小学校教諭・岡本美穂
教材名 「和語 漢語 外来語」(東京書籍)
目次
単元の計画(全2時間)
1 和語、漢語、外来語について理解する。
2 日常にあふれている和語、漢語、外来語を集めて、それぞれの特徴や使い方などについて考える。
板書の基本
本単元では和語、漢語、外来語について理解し、日常で使えることができるようになることを目的としています。そのためにも「和語」「漢語」「外来語」の意味、由来や特徴の違いを理解するために、例文を示して文章を比べて読む活動を行います。
「和語」「漢語」「外来語」がどのようなものかを教師が説明するのではなく、子供が「和語」「漢語」「外来語」の使い方の違いや特徴について理解が深まるように、まずは3つの文章を読み比べて、それぞれの感じ方の違いやその理由について話し合う場面を設定しました。すると、似た意味の文章でも感じ方が違うのはなぜかという疑問をもつことができます。
今回は、吹き出しで囲むことで、分かりやすく、すっきりした板書にしています。子供の意見を書くときに、吹き出しの中に書くと、強調されて分かりやすいです。さらにチョークの色使いも工夫をすることで、より整理された板書になります。自分の中で色のルールを決めておくと、何色にしようと迷うことなくスムーズに書けるようになります。授業において、キーワードになる言葉や強調したい言葉は、囲むことで子供が一目で気付けるようになります。
また、板書をすっきりと見やすくする一番の近道は、「箇条書き」にすることです。「箇条書き」にすることで、情報が整理されます。ここでのポイントは「余白」です。この余白の取り方はノート指導でも重要になってくることで、欲張って詰め込まないということです。短いキーワードにして書くことを意識するようにしています。だらだらと長い文章を書くことで、子供や教師自身も、書くことが流れ作業になることがあります。「これだけは!」と絞って書けることをめざしています。
板書のコツ(1/2時間目前半)
板書のコツ①
導入では、同じ情報でも「和語」が多く使用されている文、「漢語」が多く使用されている文、「外来語」が多く使用されている文の3つを比べて読み、それぞれの感じ方の違いやその理由について話し合うようにしました。そこで、まずは「めあて」を書きます。今回は「言葉の種類を知ろう」です。ここで「種類」とすることで、振り返りでは「めあて」を意識して3種類の違いを意識して書くことができることをめざしています。
板書のコツ②
教科書に載っている3つの例文を板書しました。(一)の例文を書いた時点で一度音読した後に(二)を板書しました。すると自然と話し合う姿が見られます。2つの文を比較することで、子供たちに「似た意味の文章なのに、感じ方が違うのはどうしてだろう」「なんか違う気がするのはなぜだろう」と交流する姿が見られました。
そこから(三)を板書すると、「カタカナが多く使われている」「漢字やカタカナが関係ありそう」といった課題意識が出てきました。その課題意識を基に、子供と学習課題を設定すると、「3つの種類の言葉の違いを説明しよう」と見通しをもって考える姿が見られました。
板書のコツ③
3つの文章を比べて読み、それぞれの感じ方の違いやその理由について話し合うなかで子供の気付きがたくさん出てきます。今回は、子供の気付きを「黄色のチョーク」で板書するようにしました。音読み、訓読みという今回のポイントが出てきたので黄色で囲みました。
また、「たのむ」「注文する」「オーダーする」という同じ意味の言葉を子供が見付けて発表してくれたので、水色のチョークで強調しました。ここが「和語 漢語 外来語」につながる部分なので、視覚的にも理解できるようにしています。
板書のコツ(1/2時間目後半)
板書のコツ①
後半では、「和語」「漢語」「外来語」について、子供と確認しながら板書していきました。子供同士の対話を通して、効果的な表現の仕方が考えられるように、ピンク色でポイントも確認し合いながら板書していると、「春風」はどうなるのかという疑問が出てきたので、(一)(二)の横に板書しました。
板書のコツ②
その後は、日常の場面を想定し、相手や目的によって「和語」「漢語」「外来語」をどのように使ったら効果的なのかを考え、教室の中にある和語、漢語、外来語を1人ずつ言っていきました。
教科書 ランドセル ドア チョーク 先生 紙 花 まど テレビ 黒板 せん風機 定規 筆箱 名札
このように、たくさん出てきたので、電子黒板に書いていき、みんなで整理しました。
構成/浅原孝子