小5らくらくUnit 6「What would you like?」⑤【モトヨシ先生のスライドde外国語】

連載
モトヨシ先生のスライドde外国語(活動)~パワポで楽しくらくらくICT授業

パワーポイント教材を映すだけで授業を進められる「モトヨシ先生のスライドde外国語」。今回は、NEW HORIZON Elementary English Course 5 Unit 6「What would you like? ~ふるさとメニューを注文しよう~」第5時(レストランの店員さんとお客さんになり、やり取りをしよう1)の授業案です。本好利彰先生が作成したパワーポイント(スライド)教材1つで、外国語の授業をらくらくクオリティアップ!

執筆/福島県公立小学校教諭・本好利彰
監修/拓殖大学教授・居村啓子

スライドは学級の実態に合わせて修正して使いましょう

小学5年生の「NEW HORIZON Elementary English Course 5」のUnit 6「What would you like? ~ふるさとメニューを注文しよう~」全9時の5時目の授業の流れです。本時も、私が作成したパワーポイント(スライド)を使った授業を紹介します。学級の実態に合わせて修正し、活用してください。

パワーポイント(スライド)を使った授業の進め方

この記事の最後で、パワーポイントのファイルをダウンロードできるようになっています。必要な教師の発話やイラスト、音源などを挿入してあり、この資料を使うことで1時間の授業を行うことができるように作成してあります。このスライドを活用して、クリックしながら授業を進めてみてください。
パワポダウンロードへボタン

  • クリックでスライドを進めるだけで、スムーズに授業を行えます。
  • デジタル教科書を使用する場合は、パワーポイントから切り替えてください。

目標と授業の流れ

○単元のゴール
友達のオリジナル店に行き、ていねいに注文したり、値段をたずねたりしよう。
○本時の目標
レストランの店員さんとお客さんになり、やり取りをしよう1

単元の評価規準(クリックすると各領域の評価規準が表示されます)

【聞くこと】
●知識・技能
〈知識〉
What would you like? I’d like ~. It’s ~ yen. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、聞き取る技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
相手のことをよく知るために、丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、短い話の概要を捉えている。
●主体的に学習に取り組む態度
相手のことをよく知るために、丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、短い話の概要を捉えようとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、日本在住の外国出身の人について、短い話の概要を捉えようとしている。

【読むこと】
●知識・技能
〈知識〉
アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉

アルファベットの活字体の大文字・小文字を識別したり、その名前を発音したりする技能を身に付けている。

【話すこと】やりとり・発表
●知識・技能
〈知識〉
What would you like? I’d like ~. It’s ~ yen. およびその関連語句などについて理解している。
〈技能〉
丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて What would you like? I’d like ~. It’s ~ yen. およびその関連語句などを用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合う技能を身に付けている。
●思考・判断・表現
自分のことを伝え相手のことをよく知るために、丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合っている。
●主体的に学習に取り組む態度
自分のことを伝え、相手のことをよく知るために、丁寧な表現を使って注文したり、会計したりすることなどについて、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。
外国語の背景にある文化に対する理解を深めるために、地域の特産物について、簡単な語句や基本的な表現を用いて、お互いの考えや気持ちなどを伝え合おうとしている。

【書くこと】
●知識・技能
〈知識〉
アルファベットの活字体の大文字・小文字について理解している。
〈技能〉
アルファベットの活字体の大文字・小文字を書く技能を身に付けている。

○言語材料
(表現)
What would you like? I’d like ~. How much is it? It’s ~ yen. など
(語彙)デザート(cakeなど)、味など(bitterなど)、食べ物(riceなど)、数(oneなど)

本時の流れ(例)

  1. 挨拶
  2. 単元のゴール、本時のめあての確認
  3. デジタル教科書 Over the Horizon ことば探検
  4. デジタル教科書 Let’s listen ①
  5. Picture Dictionary
  6. Slap game(カルタ)
  7. レストランでアルバイト面接!
  8. レストランで注文!1
  9. ふり返り

各活動の流れ

①挨拶

元気に挨拶をして、What ○○ do you like? Are you ~? Do you ~? Can you ~? などの既習の簡単な質問をしてみましょう。1時目に紹介したクリスクロスという活動を取り入れてもよいと思います。

②単元のゴール、本時のめあての確認

単元のゴール、本時のめあてを確認しましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

③デジタル教科書 Over the Horizon ことば探検(P60)

デジタル教科書の問題です。「パン」や「イクラ」などは、元々どこの国の言葉であったか、国旗とそれらの言葉を線で結ぶ活動です。国名を全体で発話してから行いましょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

以前、いっしょに教えていたALTがドイツの出身で、ドイツ語ではアルバイトは「仕事」「働くこと」全般を意味し、日本語のいわゆる「アルバイト・パートタイム」ということではないと教えてくれました。意味の違いを扱うと、児童も興味深く話を聞くと思います。

④デジタル教科書 Let’s listen ①(P56)

登場人物の話を聞いて、それぞれが注文したものを、線で結ぼう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

デジタル教科書のリスニングの問題です。リスニング自体はイラストがあるので難しくはないと思います。ここでは「小さじ1杯の工夫」をいくつかご紹介します。すべて行う必要はありません。実態に合わせて行ってみてください。

実践例①→登場人物の名前を確認し、文字を「読む」ことに挑戦させてみる。

エミリーのイラストを指さして Who is this? What’s her name? と教師が児童に聞くこともできますが、Emily の文字を指さして「読んでごらん」と問うこともできます。また、Grandpaでは、How do you say “Grandpa” in Japanese? と児童とやり取りをしながら進めることもできます。

実践例②→食べ物名を聞きながら、児童に何が好きかやり取りを行う。

What’s this?(What food is this? など)

Ramen!

I like shio ramen. What ramen do you like?

I like miso ramen.

実践例③→最後の問題の答えを確認してから教科書を閉じさせる。最後の問題のリスニングを再度行う。

3問のリスニングをすべて行ってから答え合わせをするのではなく、1問ずつ答え合わせを行う場合にできる工夫と捉えてみてください。

1問目→答え合わせ、2問目→答え合わせ……と行うと、3問目の答えは明らかに分かります。そこで矢印線だけ引かせて、3問目の音声を聞く前に答えを確認してしまいます。

3問目は、音声を聞く前に答えを確認しましょう

そのあとで教科書を閉じさせて、音声だけを聞かせるようにします。3問目を終えて教科書を閉じる場面から、以下のように英語で進めてはいかがでしょうか。

Close your textbook, please.

Let’s listen to No.3. What does Emily’s dad (father) want to eat?(食べるジェスチャーを加えて)

リスニングのNo.3を流す。

Let’s check the answer. What does Emily’s dad (father) want to eat?
He wants to eat?

A hamburger!

That’s right.He wants to eat a hamburger and?

残りの2つも同じようにやり取りをしながら答えを児童から引き出します。

実践例④→単元を通して意図的に学んだことを想起させる機会を設ける。

本単元の2時目What would you like?What do you want? にどんな違いがあるかを考えさせました。その時間で教えたことは、時間が経てば児童は忘れてしまいます。単元の学習を進めながら、リスニングの音声の一部を活用して、既習した内容を想起させましょう。

例えば、エミリーが注文する問題の音声では、店員が What would you like, young lady? そしてエミリーのお母さんが What do you want, Emily? と流れます。そこで一度停止して、教師が「What would you like?What do you want? って聞こえるね。なんでだろう」と児童に問うてみましょう。そして、隣同士のペアで相談する時間を設けましょう。その後に全体で児童の意見を共有します。

単元を通してこのような機会を教師が意図的に設けることで、スパイラルな学習となり、理解を深めることができます。

⑤Picture Dictionary(P8~9)

ペアで、まずはどれくらい発話できるか確認させます。

すべての単語を Let’s say it together. と言って、全体で発話させるのは時間もかかり大変です。個人差があるので、その指導方法は効率的であるとは言い難いです。ペアで確認させることで、受動的な発話から主体的な発話活動になります。
ペアでも発音が分からない単語は、いつでも教師やALTに聞いてよいことを伝えます。教師は机間巡視をしながら、児童がどの発音が言えていないかメモを取るようにしましょう。そのメモを参考にして、全体で発話する単語数を限定します。
私が実際に行ったときは、児童が言えていなかった単語を緑枠で囲ってスライドを作成しました。参考にしてください。

⑥Slap game

お金のカードを使って、ペアで行うカルタです。お金のやり取りを本単元の後半で行います。楽しみながら学習を進めましょう。

お札カードは記事の最後でダウンロードできます

教師が発話した値段のカードを先に取ったほうが勝ちです。もし段階的に活動させたい場合は、以下のように行うこともできます。

①値段のみ

One hundred and twenty yen.


②It’sを付ける

It’s one hundred and twenty yen.

③やり取りをする

(児童全員) How much is it?

It’s one hundred and twenty yen.

④代表児童が値段を言う

(児童全員) How much is it?

(代表児童) It’s one hundred and twenty yen.

このように段階的にすることで、単語から文へと少しずつ学習を進めることができます。

⑦レストランでアルバイト面接!

何を注文したのかを考えるリスニング活動です。ALTや教師がお客さんの役になって、料理を注文します。児童は注文を聞いて、注文内容のカードを選びます(カードは12種類あります)。

事前に発音を確認したほうがよいものは、スライドを用意してあるので、ALTといっしょに発話するなどして確認しておきましょう。

スライドには、5回の注文が入っています。ALT、教師は、お客さんの一家(女の子、おばあさん、おじいさん、お父さん、お母さん)になりきって、各スライドの答えに合わせて注文しましょう。店員さん役の児童には、What would you like?と全員で発話させるとよいでしょう。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

⑧レストランで注文!1

⑥⑦で学習してきたことを活用して、レストランで注文したり、値段のやり取りを行ったりします。スライドのように座席を対面にして店員役とお客さん役に分かれて活動をします。

パワーポイントは記事の最後でダウンロードできます

≪レストランで注文!1≫の本時では、学習⑦で使ったカードの中から、児童自身が食べたいものを注文します(次時の≪レストランで注文!2≫では「家族のために」注文を行います)。

教師は、児童の活動の様子を見取り、中間指導で何を指導するかメモなどを取るようにしましょう。また、中間指導という形でなくても、気になる点はその都度、指導してもよいでしょう。大切なことは指導者がどのような意図をもって指導しているかです。本学習では、以下のような中間指導を行ってみてはいかがでしょうか。

例①:How are you?のやり取りを行ってから注文を行う。

例②:スクリーンを見ないでやり取りを行う。5年生のこの時期になると、スクリーンの文字をヒントとして確認する児童が見られます。文字があるとどうしても児童が見てしまう傾向があります。

別な話になりますが、ワークシートでも同じ傾向が見られます。ワークシートに友達の情報を書くように配付すると、児童は友達が発言したときにすぐにワークシートに書き込もうとして、目線がずっと下を向いたままの状態になってしまいます。
しかし、ワークシートを意図的に配付しないで活動を行うと、児童の視線が上がり、よりよいコミュニケーションを図っている姿が見られます。もちろん、やり取り自体の内容がある程度、児童にインプットされていることなどの条件はあると思いますが、ワークシートを意図的に配付しないで活動することで、児童の主体的な姿が見られると思います。インタビュー活動などでぜひチャレンジして、その違いを見てみてください。

中間指導を行った後は、後半の活動を行います。教師は、児童がどのように変容したかを記録に残しましょう。変容した児童を最後に発表させるなどしましょう。

⑧ふり返り

本時の学習をふり返り、全体で共有しましょう。


居村啓子

居村啓子(いむらけいこ)
拓殖大学外国語学部英米語学科教授。言語学博士。児童図書出版社、児童英語教育機関勤務、立教大学異文化コミュニケーション学部助教、上智大学言語教育研究センター嘱託講師を経て現職。2020年よりNHKラジオ「小学生の基礎英語」講師を務める。研究テーマは「子どもの第二言語習得」、「フレーゾロジー」。

本好利彰

本好利彰(もとよしとしあき)
福島県公立小学校教諭。福島県小学校・中学校・千葉県小学校教諭を歴任。また地区外国語教育推進リーダーを務める。2018年より拓殖大学外国語学部で「小学校英語教育入門」を担当。2021年東京書籍アドバイザー。 2023年より東京書籍の会員制教育情報サイト「東書Eネット」にて実践事例、指導技術などを連載中。

パワーポイント(スライド)ダウンロード

5年Unit6-5パワーポイント(29スライド)、ワークシート(2点)

パワーポイント見本
お札カード
料理カード

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構成/浅原孝子 イラスト/畠山きょうこ・やひろきよみ・横井智美  アニメーション/鶴岡信治 歌・チャンツ/本田有紀子

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