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授業で絆を強化する10分ゲーム図鑑

2019/11/10

「子どもたち同士の絆を強めたい!」しかし、一朝一夕にはいかないもの。絆は仲間と目的を共有しながら繰り返し活動する中で、少しずつ強まっていくものです。そこで、10分程でできて、授業の中で取り組めるミニゲームやアクティビティを紹介します。毎日の学校生活の中に取り入れてみてください。

監修/フリーランスティーチャー・田中光夫 

田中光夫先生

田中光夫●14年間の公立小学校勤務を経て、休業に入る先生の代わりに担任代替教師を務める働き方を始めて4年目。現在までに10の小学校で担任代替教師を務める。Twitter、Facebookで日々の実践を報告している。

子ども同士の絆を強化するミニゲーム

言葉集めで対話のスキルを高める
「かわりばんこに」~シンクペアシェア~

よく「お隣さんと話し合ってください」という指示を見かけますが、これでは「丸投げ」です。子ども同士をつなげようと試みるなら、個人思考の時間をとり、ノートに自分の考えを書くところから始めたいものです。同じ土台に立って初めて対話は成立します。

海外の協同学習で行われている最もポピュラーな「think pair share(シンクペアシェア)」=「かわりばんこに」を通してペアトークの方法を身に付けましょう。

① 答えが無数にある「言葉集め」の課題を提示する。例えば「『あ』から始まる3文字の言葉」など。
② 個人思考の時間をとり、思いついた言葉をどんどん書く(3分間程度)。
③ ペアをつくり、かわりばんこに(交代で)発表し合う(2分間程度)。
④ 言葉が尽きたら、残っている側の言葉を聞く。
⑤ 活動後、一緒に学んだ相手に感謝の言葉を伝え合う。

かわりばんこに言い合うゲーム

「それもあったか~」「気が付かなかった」など、自然に会話がはずみます。回数を重ねることで次第に対話のスキルも上がります。YouTubeでthink pair shareを検索すると、世界中の教室で取り組まれている様子を動画で見ることができます。お薦めです。

4人組でたくさんのアイディアを集めよう
「雪玉転がし」

子ども同士の絆を強化する協同学習には様々な技法があります。しかし、技法以上に大切にしたいのが、協同学習の「考え方」です。

協同学習では「お互いのために自分の持っている力を出し切る」「グループ・チームに対する自分の役割や責任を果たそうとする」という姿勢を育みます。「雪玉転がし」を通して協同の理解を深め、子ども同士の絆を強めましょう。

①答えが無数にある「アイディア集め」の課題を提示する。例えば「みんなで遊びたい遊び」など。
②個人思考の時間をとり、思いついたアイディアをどんどん書く(5分間程度)。
③メンバーそれぞれの役割を決める。
[4人なら]
・タイムキーパー役(ストップウォッチを持って「残り○分」と伝える)
・ほめ役(「それいいね」「それは思いつかなかったなぁ」など声をかける)
・質問役(「もう少し詳しく教えて」「具体的には?」など質問をして意見を深く掘り下げる)
・記録役(みんなの意見を記録する)
4人以上のグループなら促進役(「今の意見について○○さんはどう思う?」など、メンバーに意見を求める)等を追加するのもよい。
④一人ずつ順に意見を発表し、記録役が紙に書いていく(5分間程度)。
⑤自分の役割をどの程度果たせたか振り返りを行う(2分間程度)。

「雪玉転がし」ゲームの振り返り評価メーター

振り返りの後、自己評価を「評価メーター」を使って行っています。画用紙で作った評価メーターに自分の名前を書いた洗濯ばさみを挟み、自分の言葉で自己評価します。

ペアでわいわい「筆談トーク」

授業や活動後の振り返りをペアで行います。会話(話し言葉)ではなく、文章(書き言葉)で行います。

①ペアに1枚作文用紙を配る。
②じゃんけんをして先に書き始める人を決める。
③一文(文頭から句点まで)ごとに交代して振り返りを書く(5分間程度)。その際、しゃべらず黙って書く。相手の書いている文章を見ながら「次、何を書こうかな」と考えながら待つ。時間内に作文用紙の最後の行まで書いてしまったら「おかわり!」と言い、2枚目をもらい継続する。
④終了の合図があったら、自分たちの書いた振り返りを交代で声に出しながら読む。
※上條晴夫氏に紹介していただいた「鉛筆対談」を参考にした実践

筆談トーク

いつでもどこでも、ペアで4人で
「リレー音読」

仲間と一緒に同じ教材を使って音読すると、自然に会話が生まれます。読み慣れた文章でも、ペアや4人組で読むと程よい緊張感や一体感が生まれます。

①教科書等の読みもの教材を自分のペースで一度音読する。
②隣同士でペアを組み、読みもの教材を二人の間に1冊開いて置く。
③二人で話し合ってバトンを決める(消しゴムなど)。
④はじめに音読する人の机にバトンを置く。
⑤句点で交代する「一文交代読み」で音読する。一文音読し終えたら、相手にバトンを渡して交代。
⑥相手が読めない漢字があったら教えてあげる。
⑦最後まで読み切ったら、もう一度最初に戻って2周目を始める。

リレー音読

慣れてきたら、句点ではなく読点で交代して音読するのも楽しいでしょう。また、一人で→ペアで→4人でと、スモールステップで人数を増やしましょう。

書いて安心、4人でわいわい
「古今東西ゲーム」

お題に沿って言葉をつないでいくゲームです。例えば「野菜の名前」「寿司ネタの名前」など、答えが無数にある問題がよいでしょう。

通常の古今東西ゲームは、その場のひらめきやアドリブを楽しむゲームですが、ハードルが高いと感じる子もいます。

みんなで楽しむために「まずノートに書きだす(個人思考)」「同じものを2回まで言ってもよい」の二つの手立てで、参加のハードルを下げましょう。4人で何周回せたか、チーム記録のベストを塗り替えるのが目標です。

①お題を発表する(例:魚の名前)。
②一人一人ノートに書きだす。
③順番を決める。時計回りが分かりやすい。
④一番の子の「古今東西ゲーム!」の掛け声で、全員が「イェーイ!」とコール。
⑤一番の子が「魚の名前」とお題を言い、全員で2回手拍子。
⑥手拍子に続いて、一番の子が「サンマ」と言ったら全員で手拍子2回、以下同様に「答え」「2回手拍子」で回していく。
⑦同じ答えが3回出てしまう、または、答えに詰まってしまったら終了。
⑧振り返りタイム。どうやったらリズムよく回せるか、止まるのを回避できるかアイディアを出し合う。

誰もが失敗するゲームです。ミスを楽しみながら、4人でチーム記録を塗り替える方法を発表し合いながらアップデートしていきましょう。

ペアで一緒に考える「ペアビンゴ」

ビンゴは日常的に扱いやすいゲームの一つ。3×3マス、4×4マスのビンゴ用紙を大量に印刷しておけば、いつでもどこでも行えます。通常は一人で考えてマスを埋めますが、これを二人でやることで自然に会話が生まれます。

①ビンゴのお題を提示する。例えば「次のテストに出る熟語」や「かけ算九九の答え」「昔遊び」など。
②個人思考の時間を取り、ビンゴのマスに入れる言葉をノートにできるだけ書き出す。
③ペアを組み、ビンゴシートを1枚渡す。はじめは3×3マスで慣れる。
④ペアで互いのノートに書いたものの中からどれをマスに入れるかを話し合って決める。「かけ算九九の答え」でビンゴをするなら、マスに答えの数字(例えば12)を書く。
⑤ペア同士で「にろくじゅうに」などとかけ算九九とその答えを一つずつ言い合う。やっているうちに「出やすい答えの数字」に自然と気が付き、2回目、3回目とペアで話し合う中で「この答えになるかけ算九九は、4つもあるから出やすいんじゃない?」などと思考が深まっていく。
⑥終了時間がきたらペアで話し合い、気が付いたことを発表する。

ペアビンゴ

即興の物語を楽しむ「エアーペア読書」

道具がなくてもできるアクティビティです。

①ペアを組む。
②ペアに1冊ずつ「透明な本」を「はい、どうぞ」と言って渡す。
 「え? 何も渡されていないけど?」
 「空気でできた見えない絵本だよ」
③本の題名を明かす。はじめは誰もが知っているであろう物語や昔話、例えば『桃太郎』などがよい。
④じゃんけんをして先に読み始める人を決める。
⑤順番が決まったら、一番の人が「透明な本」を開き、「まるで本物の本を読んでいるがごとく」に、題名と出だしの一文を読む。
「『桃太郎』。昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました」
⑥読み終えたら、次の人に透明な本を渡す。渡された人は次の一文を読む。
⑦終了時間が来るか、最後に「めでたし めでたし」まで行ったら終了。時間内であれば2周目に入る。
⑧感想を伝え合う。慣れてきたら、途中に「アレンジ」を加えてもよいこととすると盛り上がります。

エアーペア音読

ペンをバトンに仲間につなげ!「板書リレー」

ペンをバトンにして、チームの仲間と協力して楽しむゲームです。仲間同士で教え合い、速さよりも正確さを目指します。

①4人でチームを組む。
②1番から4番まで番号を決める。
③1番の人に太い水性ペンを配る。
④「漢字ドリルに出てくる熟語」「計算問題」などから問題を提示する。
⑤黒板にチーム分の画用紙を貼る。
⑥1番の人が画用紙の前に出てきて、「よーい、スタート」の合図で一画(一筆)だけ書く。
⑦書いたらチームに戻り2番の人にペンを渡し、2番の人が次の一画(一筆)を書く。待っている人同士で答えを相談し合ってもよい。
⑧すべてのチームが書き終えたら答え合わせをする。

画用紙の代わりにミニホワイトボードとホワイトボードマーカーを使うと、間違っても簡単に消せるので、使いやすいです。また、チョークをバトンにし、縦に区切った黒板に直接書くようにすれば準備が楽になります。

日常のあらゆる教科・領域で、短時間で繰り返し取り組めるアクティビティを紹介しました。二学期から三学期、学年末に向けて、活動と振り返りを重ねながら、子どもたち同士の絆を強めていきましょう。

イラスト/浅羽ピピ

『教育技術 小一小二』2019年11月号より

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