授業で絆を強化する10分ゲーム図鑑

「子どもたち同士の絆を強めたい!」しかし、一朝一夕にはいかないもの。絆は仲間と目的を共有しながら繰り返し活動する中で、少しずつ強まっていくものです。そこで、10分程でできて、授業の中で取り組めるミニゲームやアクティビティを紹介します。毎日の学校生活の中に取り入れてみてください。

目次
言葉集めで対話のスキルを高める
「かわりばんこに」~シンクペアシェア~
よく「お隣さんと話し合ってください」という指示を見かけますが、これでは「丸投げ」です。子ども同士をつなげようと試みるなら、個人思考の時間をとり、ノートに自分の考えを書くところから始めたいものです。同じ土台に立って初めて対話は成立します。
海外の協同学習で行われている最もポピュラーな「think pair share(シンクペアシェア)」=「かわりばんこに」を通してペアトークの方法を身に付けましょう。
① 答えが無数にある「言葉集め」の課題を提示する。例えば「『あ』から始まる3文字の言葉」など。
② 個人思考の時間をとり、思いついた言葉をどんどん書く(3分間程度)。
③ ペアをつくり、かわりばんこに(交代で)発表し合う(2分間程度)。
④ 言葉が尽きたら、残っている側の言葉を聞く。
⑤ 活動後、一緒に学んだ相手に感謝の言葉を伝え合う。

「それもあったか~」「気が付かなかった」など、自然に会話がはずみます。回数を重ねることで次第に対話のスキルも上がります。YouTubeでthink pair shareを検索すると、世界中の教室で取り組まれている様子を動画で見ることができます。お薦めです。
4人組でたくさんのアイディアを集めよう
「雪玉転がし」
子ども同士の絆を強化する協同学習には様々な技法があります。しかし、技法以上に大切にしたいのが、協同学習の「考え方」です。
協同学習では「お互いのために自分の持っている力を出し切る」「グループ・チームに対する自分の役割や責任を果たそうとする」という姿勢を育みます。「雪玉転がし」を通して協同の理解を深め、子ども同士の絆を強めましょう。
①答えが無数にある「アイディア集め」の課題を提示する。例えば「みんなで遊びたい遊び」など。
②個人思考の時間をとり、思いついたアイディアをどんどん書く(5分間程度)。
③メンバーそれぞれの役割を決める。
[4人なら]
・タイムキーパー役(ストップウォッチを持って「残り○分」と伝える)
・ほめ役(「それいいね」「それは思いつかなかったなぁ」など声をかける)
・質問役(「もう少し詳しく教えて」「具体的には?」など質問をして意見を深く掘り下げる)
・記録役(みんなの意見を記録する)
4人以上のグループなら促進役(「今の意見について○○さんはどう思う?」など、メンバーに意見を求める)等を追加するのもよい。
④一人ずつ順に意見を発表し、記録役が紙に書いていく(5分間程度)。
⑤自分の役割をどの程度果たせたか振り返りを行う(2分間程度)。

振り返りの後、自己評価を「評価メーター」を使って行っています。画用紙で作った評価メーターに自分の名前を書いた洗濯ばさみを挟み、自分の言葉で自己評価します。