給食と掃除の時間に注目! 学級崩壊を防ぐ「荒れの前兆」チェックリスト【ダウンロード可能】
給食や掃除の時間は、教師の目が行き届きにくくなり、トラブルが起きる可能性が高まります。教師が気付かないうちに、好き勝手な行動をして周りの友達に迷惑をかける子どもの行動はエスカレートし、そのような子どもがどんどん増えてくる危険があります。そこでまずは、給食・掃除の時間に起こりうる「荒れの前兆行動」を知っておきましょう。今回は、松下先生が21年間の教師経験を元に作成した、給食・掃除時間における荒れの前兆のチェックリストを紹介します。
指導/大阪府公立小学校教諭・松下隼司
劇団俳優を経て、公立小学校の教壇へ。得意のダンス指導で日本一になったり、絵本作家にチャレンジしたりと、精力的な毎日を過ごす松下隼司先生。その教育観の底には、子どもも指導者も毎日楽しく、笑顔でありたいという願いがあるそうです。そんな松下先生から、笑顔のおすそわけをしてもらうコーナーです。
目次
1.荒れの前兆行動チェックリスト【給食時間】
2.荒れの前兆行動チェックリスト【掃除時間】
3.給食・掃除の指導は、事前指導が大切
給食・掃除の時間の子どもたちは、授業中とは違い、教師が思っている以上にリラックスしています。というのも、子どもは、学校生活の中での時間を「授業」か「授業以外」かで区別しているからです。
「授業以外の時間」には、休み時間、給食や掃除の時間などがありますね。教師にとっては、休み時間と給食の時間と掃除の時間は、それぞれ全く違います。でも、子どもにとっては、授業以外=オフの時間です(特にやんちゃな子どもにとっては)。
だから、給食や掃除の時間中(オフの時間)に指導するよりも、授業時間(オンの時間)に指導する方が集中して聞いてくれるため、教師の指導が入りやすくなります。
給食や掃除の時間の適切な過ごし方について事前指導をすることで、子どもが叱られる場面を減らすことに繋がります。子どもたちにとっても、教師にとっても、楽しい給食の時間になります。きれいに掃除することにもなります。
給食や掃除の時間の事前指導として役立つのが、上の「荒れの前兆行動チェックリスト」です。
これは、教師が子どもたちの様子をチェックするだけでなく、授業で子どもたちに使うこともできます。
使い方の例
①
給食(掃除)の時間、どんな時間にしたい?
じゃあ、具体的にどうしたらいいかな?
(隣同士や班で相談させる)
②
逆に、どんなことをしたら良くないかな?
(隣同士や班で相談させる)
③
荒れの前兆行動チェックリストを配り、読み上げていく。
こんなことをする人がいたら、「みんなが楽しいクラス」になるかな?
(子どもたちは、大きく首を横に振るかと思います♪)
いきなり、子どもたちに荒れの前兆行動チェックリストを掲示すると、嫌味な感じがしてしまうでしょう。高圧的な印象を与えないためにも、まずは➀と➁からやっていきましょう。
子どもたちに一度指導しても、だんだん忘れてしまうかと思います。そこで、学期の中間や学期末にもう一度チェックリストを配って、クラスや自分の状態を自己点検してもらうのもよいでしょう。
松下隼司(まつした じゅんじ)
大阪府公立小学校教諭。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門で優秀賞を受賞。さらに、日本最古の神社である大神神社短歌祭で額田王賞、プレゼンアワード2020で優秀賞を受賞するなど、様々なジャンルでの受賞歴がある。小劇場を中心に10年間の演劇活動をしていた経験も。著書に、『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、絵本『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)がある。
イラスト/したらみ 横井智美