「ペアレンタルコントロール」とは?【知っておきたい教育用語】

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子どもが適切にスマートフォンやゲーム機を使えるよう、機能を保護者が管理・制限する「ペアレンタルコントロール」。その具体的な機能や、役立てるためのポイントを解説します。

執筆/宮城教育大学教育学部准教授・板垣翔大

「ペアレンタルコントロール」とは?

「ペア」?「レンタル」? 普段から聞き馴染みのある言葉の組み合わせのように最初は聞こえるかもしれませんが、「ペアレンタル」は英語で書くと「Parental」で、原形は「Parent」です。すなわちペアレンタルコントロールとは、「Parental(親による)」「Control(制限)」のことを指します。具体的には、子どもが使用するスマートフォンやゲーム機など情報通信機器の機能を、保護者が管理したり制限したりする機能のことを指します。

情報通信機器を使えば、子どもは大人と同じように他者とコミュニケーションをしたり、大人と同じような情報にアクセスしたりすることができます。一方で、子どもが大人と同じように物事の判断をしたり責任をとったりすることは難しいです。そのため、ペアレンタルコントロールは、子どもに情報通信機器を与えている大人が、大人の目が届くうちに、情報通信機器を子どもに適切に活用できるようにさせるにあたって有用な機能といえます。

ペアレンタルコントロールでできること

スマートフォンの機種によっても異なりますが、例えば以下のようなことを保護者が子どもに対して行うことができます。 

アプリや動画などのコンテンツに対する年齢制限
特定のアプリの使用時間に関する制限
通信や通話の相手に対する制限
購入やダウンロードに関する制限

また、ゲーム機も機種によって異なりますが、例えば以下のようなことを保護者が子どもに対して行うことができます。

ゲームのプレイ時間の監視
他者とのコミュニケーションの制限
ゲームソフトなどの購入の制限

ペアレンタルコントロールをどのように活用していくか

ペアレンタルコントロールによる機能の制限は、本来できることを保護者の権限によってできなくするということです。子どもが未熟であるがゆえに、スマートフォンやゲーム機をついつい使いすぎてしまったり、不適切な情報にアクセスしてしまったりすることを、保護者が制限したり、見守ったりするための機能として役立てられるでしょう。

しかしそれは一方で、保護者の手を離れたとき、急に何でもできるようになってしまうことを意味します。ペアレンタルコントロールによって一部の機能を制限することは、制限しなかったその他の機能を自由に使えることと表裏一体です。「できるけどやらない」「できることをどのように活用したらよりよく生きることができるか」といったことを子どもたち自身が考えられることが大切です。

お風呂の中でしか水に浸かったことがない人が、プールで泳ぐ練習をせずに大海原に放り出されたら溺れてしまいます。子どもの体の大きさや水泳のスキル次第で、浅いところで練習させたり、新しい泳ぎ方に挑戦させたりするように、情報通信機器の使い方についても、子どもの発達段階に応じて制限すべき機能、使わせてみるべき機能を見極めて見直し続けるとともに、それを保護者や指導者の目が届くうちに慣れさせて指導していくことが必要であるといえます。

▼参考資料
Apple(ウェブサイト)「iPhoneユーザガイド iPhoneのファミリー共有でペアレンタルコントロールを設定する
任天堂(ウェブサイト)「Nintendo Switch サポート みまもり設定(保護者による使用制限)

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