ビンゴで楽しく5月病予防! 大型連休の前と後に超効果的な楽しい指導【ダウンロード可】

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大阪府公立小学校教諭

松下隼司

ゴールデンウィーク明け、「子どもがダレているな」「元気がない子どもが多いな」と思ったことはありませんか? 連休の前後は、子どもたちの気を引き締めるために、ついつい厳しく指導をしてしまいがちかもしれません。でも、気持ちを切り替え、体調を整えて学校に来ている子どももいます。そんな子どもにとって、強い指導言は気分のいいものであるはずがありません。余計にクラスの雰囲気を暗くしてしまいます。そこで今回は、子どもたちも、指導する先生方も、保護者も楽しい「連休ビンゴ」と「連休明けビンゴ」を紹介します!

劇団俳優を経て、公立小学校の教壇へ。得意のダンス指導で日本一になったり、絵本作家にチャレンジしたりと、精力的な毎日を過ごす松下隼司先生。その教育観の底には、子どもも指導者も毎日楽しく、笑顔でありたいという願いがあるそうです。そんな松下先生から、笑顔のおすそわけをしてもらうコーナーです。

指導/大阪府公立小学校教諭・松下隼司

1.連休ビンゴ

(2023年度、高学年版)

ビンゴゲームの楽しさと、ゴールデンウィーク中に子どもたちに気をつけてほしいこと、やってほしいことを組み合わせました。

適度な運動、読書、学習。

  • 祝日がせっかくたくさんあるので、祝日についての調べ学習を入れました。お家の人に聞いてもいいし、スマホや辞典で調べてもOK。「自主学習」より具体的なので、何をすればいいか分かりやすく、楽しいかと思います。

お手伝いをしたり、親をいたわる。

  • 親目線で、自分が子どもにしてほしいことを真ん中のマスに入れました(私の場合は肩揉みをしてほしいです)♪

連休の終わりには、早く寝る。

  • 「早寝」は、子ども目線で楽しくないので、一番下の段に入れました。一番上の段に入れるよりも、楽しさ感のあるビンゴになります。

中には家庭の事情から、連休中に旅行に行ったり、外出したりすることのできない子どももいるかもしれません。「映画を観よう」などは入れないほうがいいかと思います。

自由なビンゴ

もし時間があるようでしたら、マス目だけの紙を配って、「連休中にどんなことをやりたい? 気をつける?」と子どもたちに考えてもらうのもおすすめです。案を話し合う子どもたちは、みんなとても楽しそう! 主体性アップにつながりますよ!

ビンゴの項目を子どもたち自身で考える活動もおすすめ。

連休明け、子どもたちに「いくつビンゴになった?」と聞くだけで、楽しい雰囲気になります。子どもは縦、横、斜めの全ビンゴを目指して、楽しく連休を過ごしてくれるかと思います。ビンゴの魅力ってすごいです!

2.連休明けビンゴ

(2023年度、高学年版)

地域や学校によって違うかと思いますが、連休明けは、登校してくる子どもたちの挨拶の声が普段よりも元気がなく、ダラ~ンとした雰囲気を感じることも多いものです。

そこで私は、子ども同士での挨拶指導を入れたり、簡単なレクを入れて雰囲気を切り替えたりしてきました。でも、レクも含めた単発の指導は、子どもにとっては“やらされ感”が強いです。

そこでおすすめなのが、「連休明けビンゴ」です。

子どもたちに連休明けビンゴを配って、「縦、横、斜め、どれでもいいから1ビンゴを目指してね」と言います。

ビンゴにある9つのミッションの中から3つを子どもたちに選択してもらいます。この「選択」が、子どもの意欲につながるのです。

教師の指示でやらされるのではなく、子ども自身で選べるというのが、連休明けビンゴの魅力です。

クラスの状況に応じて

クラスの状況に応じて、ビンゴの内容を変えてください。クラスの中には、勉強が苦手な子どももいます。また、友達と触れ合うことに抵抗を感じる子どももいるかと思います。連休が始まるまでのクラスの実態に合わせて、少しハードルを低めに設定するのがいいかと思います。

ビンゴの内容はクラスの状況に応じて変えましょう。

一番やってほしいことを真ん中に

子どもたちに1番やってほしいことを、真ん中のマス目に入れました。私の場合は、「学級目標を友達と言う」です。1人で言うより、友達と言う方が楽しいかなと思います。ビンゴにすると、教師から「学級目標を言いましょう」と指示されるのよりも楽しくなります♪ 

ほめてやる気を引き上げる

「縦、横、斜め、どれでもいいから1ビンゴを目指してね♪」とハードルを低くするのがおすすめです。いきなり「全ビンゴ、パーフェクトを目指してね」「何ビンゴできるかな?」とハードルを高くすると、ビンゴの数が少なかった子どもにとって、達成感が低くなってしまいます。

それよりも、1ビンゴが終わって、2ビンゴ目、3ビンゴ目を目指して取り組んでいる子どもをほめるのがいいかと思います。

そして、まだ1ビンゴができていない友達に協力している子どもをほめるのも大切です。向上心をほめ、まわりの友達のことを気にかける優しさをほめて、子どもたちのやる気を引き上げていくようにします。


ゴールデンウィーク明けの5月は、「五月病」という言葉があるくらい、心身の健康を崩す人が子どもだけでなく大人でも多くいます。

4月に新年度となって、新しい環境、新しい人間関係が始まり、緊張の連続だった子どももいるでしょう。友達関係や担任の先生に馴染めていない子どももいるかもしれません。連休明け、そういった子どもたちの変化にも気づけるように心がけています。

日本では、教師も含め、大人は休むことが苦手だそうです。私も、連休中だからこそと教材研究などをすることが多くあります。

外国の人は、休日は休日でしっかり休みます。オンとオフの切り替えがしっかりできています。「休み上手」なのです。

連休をのんびりと過ごせた子ども、連休を存分に楽しめた子どもを「休み上手だね♪」とほめることができるくらいの度量も身につけたいものです。

松下隼司先生

松下隼司(まつした じゅんじ)
大阪府公立小学校教諭。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門で優秀賞を受賞。さらに、日本最古の神社である大神神社短歌祭で額田王賞、プレゼンアワード2020で優秀賞を受賞するなど、様々なジャンルでの受賞歴がある。小劇場を中心に10年間の演劇活動をしていた経験も。著書に、『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)絵本『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)がある。

イラスト/したらみ

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