【相談募集中】講師である自分は校長から差別されている
担任として子どもたちのことを一生懸命に考え、教師と同じように働いているのに、校長から完全に差別されている……。講師である自分と教師との扱いの格差に悩む先生からの相談が、「みん教相談室」に寄せられました。ここでは、元札幌市立小学校長・佐藤裕三先生からのアドバイスをシェアします。
目次
Q. 担任として子どもたちのことを一生懸命に考え、教師と同じように働いているのに、校長は講師を完全に差別しています
私は、幼稚園教諭を退職し、しばらく別の仕事をしてから小学校の講師になり今で18年目になります。ずっと学級担任をしています。
今の校長は、講師を完全に差別し、面談はないのは当たり前で、立ち話すらしてもらえません。昨年度、突然打診もなく「学年主任をしろ」と言われ、びっくりしました。結局、教頭に相談して代わらせていただくことになりましたが、あまりに講師に対する扱いが酷く、もう辞めてしまおうかなと考えています。校長先生によっては、評価育成システムのない講師を軽視する方が多い気がします。講師のなり手も少ない中、やる気を失う対応に、愕然といたします。
講師である私たちは、やはり長年勤めていても教師との扱いに格差があると感じます。講師であっても、担任をし、クラスの子どものことを一生懸命に考え、持ち帰り仕事も山ほどして、同じく働いているつもりです。モチベーションをどうやって保っていけばよいのか、自信が無くなってしまいました。
(ちっかー先生・50代女性)
A. 相手を変えることはできなくても、関係を変えることはできるかもしれません
仕事を続けるかどうか決断するための要素はいくつか考えられます。
「自分にとってのやりがい」「職場の人間関係」「給与や拘束時間などの待遇」「続けた場合の精神面や健康面のダメージと辞めたときの経済的なリスク」……。ご自身の場合はどうかをいろいろ考量して、校長の姿勢に対する不信感が大きく仕事を続けるのが辛いのであれば「辞める」という選択もありだと思います。
学校の根本の仕事は「子供たちの成長を支える」ことです。そして、日々子供に直接関わっているのは学級担任を始め前線に立っているスタッフです。校長の役割の一つは、いかに前線のスタッフが力を発揮できる職場を作るかであり、そこにスタッフが正職員か講師かの区別はありません。私は校長時代そう考えていたし、実際何人もの優れた期限付の先生方に助けられました。ですから、もし相談者の方が書かれた講師に対する差別的な態度が事実としてあるのなら、個人的には残念な校長先生であると思います。
ただ、その問題にフォーカスしすぎる必要はありません。
他の同僚や子供・保護者との関係、あるいは生活面や健康面などに問題がないのであれば、「校長との関係」というのは実は“ワンオブゼム”なのでは? とも思います。
「人間関係で何より辛いのは無視されること」だと言います。ただ、そこに「誰に」を入れて考えてみてはどうでしょう。
その上で、やはり校長先生との関係を改善したいのであれば、例えば「教科指導の方法」や「学級経営のコツ」などについてアドバイスを乞うのも一つの糸口かもしれません。相手を変えることはできなくても、関係を変えることはできるかもしれません。
また、もし他の先生方とは信頼関係があるからそれで十分ということであれば、あとはどちらかが転勤するまで待つという選択もありでしょう。
いずれにしても、ご自身の辛さが和らぐ方法が見つかることをお祈りします。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。