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「深い学び」を考えるには「浅い学び」とは何かを考える【算数・小三小四】

新学習指導要領で提示された「主体的・対話的で深い学び」というキーワード。特に、「深い学び」というのは、イメージしにくいですよね。ここでは、小三算数「重さ」・小四算数「変わり方調べ」 の授業を例に、「深い学び」になっていく授業展開を、ベテラン教師に教えていただきました。

執筆/富山県公立小学校教諭・前田正秀

算数のイメージ
イラストAC

感動を伴う学び、将来に役に立つ学び=深い学び

私は「主体的・対話的で深い学び」は一連のものであり、主体的・協働的(対話的)な学びをしていくことで、子供たち一人ひとりが自分の考えを再構築し、「深い学び」をすることになるのだと捉えています。

そのうえで深い学びとは何か、具体的に考えてみる時、いきなり深い学びを考えるよりも逆に、「浅い学び」とは何かを考えたほうがイメージしやすいのではないでしょうか。浅い学びというと、私ならば「つまらない学習」「将来役立たない学習」等が考えられると思います。

その逆は何かと考えると、「感動を伴う学び」「社会に出ても役立つ学び」だと考えられ、それが私の考える深い学びということになります。

日々の授業のねらいを、とてもおいしいステーキだとして考えてみましょう。すると、子供の食欲も考えず一方的に与えるよりも、ステーキ肉を子供たち自身に探させ、料理させ、食べさせたほうが感動を伴うし、しっかり平らげて血肉になると思います。

そのように最も教えたい核心のところを、子供自身に発見させ、身に付けさせることが深い学びになっていくのだと私は考えています。

重要なことを子供自身に発見させる

例えば3年の「重さ」の単元の学習では、任意の重さの何個分かということで、2つの異なる重さを比較する学習があります。そのような方法を子供自身が考え、気付いていくには、どういう条件設定が必要かなと考え、授業を構成することが重要です。

単元の1時間目、学校で2つのものの重さを比べる時には直接比較が可能ですから、任意の重さは必要ありません。そこで、子供たちが任意の重さの何個分という、測定の仕方に気付くようにするため、その場にいない誰かに、重さを伝える場面を設定するのです。

具体的には、学校で調べたものの重さを、家の人に伝えるという学習活動を設定すればよいでしょう。そうすると、『どうやって伝えたらよいだろう?』という問題が生じます。そして、どこの家にもあり、規格が統一されている電池のような任意の共通するものを使って伝えようという考えが出てくるはずです。

そのように最も発見させたいこと、その時間で一番重要なことを子供自身が発見していくような手立てを考えるのです。

また「役に立つ学習」という点では、学習をまとめる際に、俯瞰的で一般化した整理をしていくことが重要です。

例えば、重さは「同じ電池を使えば比べられる」ではなく、「基準になるもののいくつ分で量を表せる」「重さは何かの数で表すことができる」というように整理をし、何かを比べる時には、何かを揃えることが大事だと分かるようなまとめをしていくことが大切です。それは数と計算等、他の学習にもつながる学習になりますし、社会に出ても活用できる考え方です。

子供自身に発見させ、感動のある学びを

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