【相談募集中】日本語が通じない外国籍の児童、どう対応すれば?
外国籍の児童を受け持つことになった先生から「みん教相談室」に相談が寄せられました。入級に際しどんな準備をすれば? という質問に回答してくれたのは愛知教育大学非常勤講師・深見太一先生。外国籍の児童が多数を占めるクラスの担任をしていた経験から、具体的なアイデアを挙げてエールを送りました。その内容をシェアします。
目次
Q. 日本語が話せない児童を受け持つことになりましたが……
3学期から、日本語がまったく話せない中国籍の子どもが入級します。 どんな準備をすればいいでしょうか?(あさみ先生・20代女性)
A. コミュニケーションをとる手立てはあります! 1人で抱え込まずにまわりの協力も仰ぎましょう
あさみさん、まったく日本語が通じない子がクラスに入るとなると確かに心配ですね。そして、それが英語だったら何とかなるかもと思えるかもしれないですが、他の言語となると難しいなと感じるかもしれません。
私は公立小学校で担任をしている時、外国籍の子が7割いるクラスの担任でした。4年生だったので、あさみさんとちょうど同じですね。
今から中国語を、と思ってもそんな簡単に身に付くものではありません。それなら、どうしたら良いのかというアイデアをいくつか紹介します。
まずは中国語のあいさつを覚えましょう。「ニーハオ」とか「シェイシェイ」といった基本的なもので構いません。あなたのことを先生が理解しようとしているよ、ということをその子に伝えるのです。
次は、タブレットにGoogle翻訳のアプリを入れます。その子と意思疎通をはかる時に、マイクボタンを押して話してもらったり、こちらが伝えたいことを話したりすることで、意思が伝わりやすくなります。
また、以下のようなコミュニケーションシートもおすすめです。メニュー表のように、その子がしたい事のイラストと中国語が一緒に入ったものをラミネートして渡しておきます。
▼コミュニケーションシートの例
- トイレに行きたいです。
- 困っています。
- 親に伝えてほしいです。
- 先生に話があります。
- お腹が痛いです。
- 頭が痛いです。
- 意味がわかりません。
など、最低限のコミュニケーションが取れるように、イラストと言葉で一覧にしておくことで、困っている時にすぐに指し示して、こちらに伝わるようにしておきます。
日本語の学習ですが、1年生が使っている書き方ノートのようなものでひらがなを少しずつ書いていったり、インターネットなどで無料で入手できる、絵と言葉を合わせて覚えるプリントなどに取り組んだりしてもらいました。
クラスのみんなと一緒に学習するのは難しいと思うので、まずは日本語の習得を目指すことを先に考えた方がよいでしょう。
あとは、1人で対応しようと思わないことです。上記のような準備はしつつ、きっと校内には同じような経験をしたことがある先生がいると思います。そんな先生に相談したり、管理職にも困っていることを打ち明けたりして、1人ではなく学校全体の課題にしていくことが必要ですね。そうすることで教育委員会から通訳の方をつけてもらうことができるかもしれません。
ポイントは、1人で抱え込まないということです。こうやって相談できるあさみさんなら、きっと大丈夫だと思います‼︎ 応援しています‼︎
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。