6年生による発表は無理なく時短しよう【楽しい6送会アイデア #2】
卒業を控えた6年生がやらなくてはならないことは、たくさんあります。そんななかで、6年生を送る会のためだけに呼びかけや合唱の準備をするのは、余裕がないと感じる先生は少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、練習時間が短縮できるのに感動を呼ぶ、おすすめの工夫を紹介します!
劇団俳優を経て、公立小学校の教壇へ。得意のダンス指導で日本一になったり、絵本作家にチャレンジしたりと、精力的な毎日を過ごす松下隼司先生。その教育観の底には、子どもも指導者も毎日楽しく、笑顔でありたいという願いがあるそうです。そんな松下先生から、笑顔のおすそわけをしてもらうコーナーです。
指導/大阪府公立小学校教諭・松下隼司
時短なのに感動! 6年生にも他学年にも大好評
6年生を送る会では、1~6年生でゲームをしたり、1~5年生が学年ごとに、「卒業おめでとう」や「ありがとう」の気持ちを込めて、6年生に向けての発表をしたりします。
そして、最後に6年生による1~5年生に向けての発表があります。発表内容は、呼びかけや歌が多いかと思います。
この呼びかけや歌で、おすすめの工夫があります。それは、卒業式の呼びかけや歌を使うことです。
下は、私が以前、6年生を担任したときの6年生を送る会(卒業を祝う会)での6年生の発表の台本です。
卒業式の呼びかけの言葉をそのまま使いました。歌う曲も、卒業式の歌です。合奏は、参観授業で保護者に見てもらったものです。
6年生は、行事や取り組みがめちゃくちゃ多いかと思います。修学旅行や卒業遠足、卒業文集の作文、卒業アルバム用の写真撮影などなど……。
そして、3学期はなんといっても卒業式があります。3月からは、講堂で呼びかけや歌の練習が入ります。
正直、6年生を送る会のためだけに、合唱指導や呼びかけ指導をする余裕がないと感じたときがあります。
卒業式の呼びかけや合唱を6年生を送る会でも披露することのメリットは、次の5つです。
- 子どもや教師の負担がかなり減る。
(新たな指導をしなくていいため) - 呼びかけや合唱の完成度が高い。
(卒業式に向けて、練習に取り組んでいるため) - 「かっこいい!」「自分も、こんなかっこいい6年生になりたい!」と憧れをもってもらえる。
(完成度の高い呼びかけや合唱を見てもらえるため) - 場慣れし、度胸がつく。
(卒業式前に、たくさんの人に発表を見てもらうことは、6年生にとってもいい機会になる) - 他の授業や楽しいイベントを行うための時間が生まれる。
(指導時間が減るため)
全学年が2クラス以上ある学校では、卒業式には卒業する6年生と、在校生代表としての5年生が参加することが多いかと思います。
またここ数年は、コロナ禍によって、密を避けるために5年生全員を参加させず、各クラス1人ずつが代表で参加するなど、人数を極力少なくするようになった学校もあります。
卒業式での6年生の立派な姿を見られない子どもたちにとって、6送会での発表が、いい機会にもなるかと思います。
松下隼司(まつした じゅんじ)
大阪府公立小学校教諭。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門で優秀賞を受賞。さらに、日本最古の神社である大神神社短歌祭で額田王賞、プレゼンアワード2020で優秀賞を受賞するなど、さまざまなジャンルでの受賞歴がある。小劇場を中心に10年間の演劇活動をしていた経験も。著書に、『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、絵本『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)がある。
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