体育授業に必要な道具って何? 【使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業 #19】

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使える知恵満載! ブラッシュアップ体育授業
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小学校教諭

平川 譲
使える知恵満載! ブラッシュアップ 体育授業

読者の皆さんは、体育授業をする際に、どんな道具を持っていきますか。私が欠かさず持っていく道具は、「リズム太鼓」と「ストップウォッチ」です。この2つの道具を持っていることで、授業のマネジメントや子どもへの指導がしやすくなると考えています。今回はそれぞれの利点と詳しい活用方法を紹介します。

執筆/東京都公立小学校教諭・今田菜美
監修/筑波大学附属小学校教諭
 体育授業研鑽会代表
 筑波学校体育研究会理事・平川 譲

1 リズム太鼓

⑴ リズム太鼓のよさ

私が使用しているリズム太鼓は、「天野式リズム太鼓」という直径約27cmの和太鼓です。このリズム太鼓の利点を3つ紹介します。

①音を鳴らしながら、子どもたちに指示を出せること
笛(ホイッスル)は、口にくわえて息を吹き込まないと、音が鳴りません。音を出しながら話すことができるリズム太鼓は、笛よりも授業に向いている道具だといえます。

②2種類の音が出せること
和太鼓は胴がしっかりしているので、面の部分の「トン」以外に、胴の部分で「カン」という2種類の音を出すことができます。また、音に強弱や緩急を付けることによって、子どもたちがさまざまな動きをイメージしやすくなります。この音を使い分け、組み合わせることによって「動きのリズム」が生まれ、子どもたちが動きを身に付けやすくなります。

③音色が心地よく、優しく聞こえること
笛は、警察官が警告するときにも使われる用具でもあり、その音色はどこか高圧的に感じることがあります。「危ない」や「危険」と捉えがちな音よりも、心地よいリズム太鼓の音色のほうが、子どもたちは穏やかな気持ちで学習できるのではないのでしょうか。

⑵ 「トン」「カン」のリズムに合わせて

リズム太鼓には様々な活用方法があります。今回は、私が普段から使っている方法や、明日からの授業ですぐ使えるものをいくつか紹介します。

①集合と解散
リズム太鼓の面の部分を強く3回「トトトン!」と叩けば、集合。また2回「トトン」と叩けば解散。このように、叩く回数によって、集合と解散を表すことができます。すでに近くに集まっている解散の太鼓は、優しく叩きます。

②かけ足
子どもたちを素早く集合させたいときなどには、胴の部分を数回「カカカカカ…」と叩き、細かく高い音を連続で出すことで、かけ足を促すことができます。折り返しの運動にも活用できます。

③回数とタイミング
短なわで跳びでは、面の部分で「トン・トン・トン」とリズムを刻んでやることで、子どもが跳ぶタイミングをつかみやすくなります。また、「トン・トン・トン」のリズムを数に変えて、子どもたち と一緒に回数を数えることもできます(特に低学年に効果的です)。

2 ストップウォッチ

⑴ ストップウォッチを活用して

50m走やハードル走などでタイムを測る際に、ストップウォッチを使います。ストップウォッチは、校内に必ずある道具なので、いろいろな場面で活用している方も多いのではないのでしょうか。ここでは、教師1人で効率よく50m走のタイムを測る方法を紹介します。

⑵ 50m走での活用法 

50m走のタイム測定を、学級ではなく、学年合同で実施する場合もあるでしょう。学年合同の場合、教師2人でスタートとゴールを分担すると、効率よくタイム測定を進めることができます。しかし、子どもの人数も2学級以上に増えるので、待ち時間が長くなり、1人1回ずつの測定で45分の授業が終わってしまうことがあります。複数の学級で計測を行うことは、実は効率が悪いのです。

では、教師1人で効率良く計測するには、どうすればよいのでしょうか。私が使っているストップウォッチは、ラップ機能が付いているもので、これを2個使うことで、3人または4人の計測が同時にでき、子どもたちの待ち時間が少なくなります。私の経験上、30数名の学級の場合、およそ20分で1人2回の計測が可能です。

ラップ機能付きのストップウォッチを下に紹介しておきます。

具体的な計測方法は以下の通りです。

子どもには「顔を上げて先生をよく見ていること」「先生が手を下げた瞬間にスタートすること」と指示しておきます。

①教師は、両手にストップウォッチを持ってゴールの位置に立ちます。
②「ようい」で手を挙げます。
③「ドン」で手を下げてスタートします。手を下げた瞬間に、ストップウォッチのスタートボタンを押します。
④ゴールに到着した順に、ストップウォッチのラップ機能を使って計測します。

このように、教師が使う道具の使い方や運動の方法を工夫することでマネジメントがしやすくなり、その分、子どもたちへの指導に力を注ぐことができます。ぜひ、明日からの授業で試してみてください!

【参考文献】
筑波大学附属小学校体育研究部(2017)『1時間に2教材を扱う「組み合わせ単元」でつくる 筑波の体育授業』明治図書

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執筆
今田 菜美
東京都公立小学校 教諭
1991年大阪府生まれ。学びの系統性を考えることで、子どもたちの「できそう・できた」を保障する授業を目指して、日々実践中。


平川譲先生

監修
平川 譲
筑波大学附属小学校 教諭
体育授業研鑽会 代表
筑波学校体育研究会 理事
1966年千葉県南房総市生まれ。楽しく力がつく、簡単・手軽な体育授業を研究。日本中の教師が簡単・手軽で成果が上がる授業を実践して、日本中の子どもが基礎的な運動技能を獲得して運動好きになるように研究を継続中。『体育授業に大切な3つの力』(東洋館出版社)等、著書多数。


イラスト/佐藤道子

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