小1国語「ものの 名まえ」京女式板書の技術

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見やすく理解しやすい「単元別 板書の技術」京都女子大学附属小学校特命副校長 吉永幸司監修
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今回の教材は「ものの 名まえ」です。単元の最終的なめあては、「おみせやさんごっこ」を通して、言葉を楽しむという学習です。みかんやりんご、あじさい、ひまわりという子供たちの身近なものから、ものの名前を知る学習活動をします。ものの名前の仲間分けをすることによって、上位語、下位語を理解しやすい板書を紹介します。

監修/京都女子大学附属小学校特命副校長・吉永幸司
執筆/京都女子大学附属小学校教諭・酒井愛子

 

教材名 「ものの 名まえ」(光村図書)

単元の計画(全6時間)

1 学習の見通しをもつ。
2・3 ものの名前には、上位語と下位語があることを理解する。
4・5 「おみせやさんごっこ」の準備をする。
6 「おみせやさんごっこ」を通して、言葉を楽しむ。

板書の基本

〇教材「ものの 名まえ」は、ひらがなが読め、書けるようになった1年生の子供に「国語はおもしろい」という興味をもたせる内容があふれています。

まず、音読では、1人で読む文章の長さが適切です。さらに、ひらがな、カタカナ、漢字などが全部入っています。

次に、基本的な文章の仕組みになっています。「はじめ」「つぎに」という順序を表す言葉があります。大段落と小段落がわかるようになっています。

また、「名まえ」という言葉がくり返し使われています。「名まえ」つまり普通名詞を丁寧に説明しています。さらに、りんご、みかん、バナナなど、身近な語彙に親しめるような配慮があります。

教材の特性をこのように理解して、国語科授業として大切な要素を織り込んだ板書を構成しました。

〇教材がすらすらと読めるようになった段階におけるまとめの授業です。ほとんど知っていることばかりですから、安心して学習に取り組めるという利点を生かしました。

授業の前半は、話し方、聞き方の指導です。正解を発表するのではなく、知っていることを正しく答えるということを目的にしました。「これは、なんでしょう」「それは、〇〇です」のカードを使って、「ものの名まえ」を伝える活動をします。もちろん、はっきりと発音することも指導内容です。

授業の中頃は、くり返し音読した文書を、構造的にまとめたものです。「くだもの」は、「このおみせは、なにやさんでしょう。」の答えになるものです。

授業の後半は、教材と対応して考えさせるように工夫しました。「ものの名まえ」に親しみをもたせるように心がけました。

板書のコツ(2/6時間目前半)

小1国語「ものの 名まえ」京女式板書の技術
2/6時間目前半の板書

 板書のコツ①

日付、題名を板書し、「名まえ」を「今日は、言葉の勉強です」と説明し、「言葉」を意図的にめあてにしました。すでに、くり返し音読している学習内容に緊張感をもたせることを意図しています。具体的には「ことばのなかまわけをしよう。」というめあてです。

板書のコツ②

最初に、りんごを示し「これはなんでしょう。」と、話し言葉で問いを文字にしたカードを貼ります。答えとして、「りんご」という発言でしたので、「それは、りんごです。」と正しく答える指導をした後、「それは、〇〇です。」のカードを貼りました。

板書のコツ③ 

「みかん、りんご、バナナ……」や「あじさい、ひまわり、コスモス……」の絵カードを活用して、問いと答えをくり返しながら、黒板に絵カードを貼っていきました。このように絵カードを活用しながら「名まえはコスモスです。」という発表のしかたを指導しました。

板書のコツ(2/6時間目中盤)

小1国語「ものの 名まえ」京女式板書の技術
2/6時間目中盤の板書

板書のコツ①

二つの家を描き、次の学習活動に興味をもたせます。「そのお家は何ですか」と質問が出ました。そこで、「分ける」という勉強が始まることを伝えました。授業の前半に貼った左側の絵を、お家に移動させるという活動です。「これは、みかんです」と説明し、右端の家に絵を貼りました。そして、「名まえを書きます」と説明し、「みかん」と板書しました。

板書のコツ②

続いて、「ぶどう」の絵を貼り、文字を板書します。続いて「あじさい」です。

黙って、別の家に絵を貼り、「あじさい」と板書しました。この瞬間が、授業の面白さです。

当然、「ぶどう」の横に絵が貼られると予想していた子から、「えっ」という動揺の声が聞こえます。少し間をおいて、「ひまわり」の絵を左の家に貼りました。この段階で、「くだもの」と「はな」の仲間分けの理解ができてきました。次々と絵の移動をさせました。

板書のコツ③

教科書の「このおみせは、なにやさんでしょう。」という問いを読み、「くだもの」という答えを板書します。

次に、「左のお家には、何が並んでいますか」と発問し、名前を確かめ、「はな」と板書しました。教科書の文章にある「りんご、みかん、バナナなどがならんでいます。」を「あじさい、ひまわり、コスモスなどがならんでいます。」と、言葉を置き替えて読ませました。

板書のコツ(2/6時間目後半)

小1国語「ものの 名まえ」京女式板書の技術
2/6時間目後半の板書

 板書のコツ①

「新しいお店を作りましょう」と呼びかけをした後、左端の空白になっている黒板に、新しい家の絵を描きました。これは、次に続く「おみせやさんごっこ」につなげることを意図しています。教科書の挿絵は、魚の仲間の絵です。

教科書では、「さかなも、まとめてつけた名まえです。」「あじ、さば、たいなどと一つ一つの名まえをつかいます。」と説明しています。しかし、絵から魚の名前を言い当てるのは難しいので、知っている魚の名前を発表させました。

板書のコツ②

これまでの学習を生かして、最後の家は、「さかな」と家の看板を先に板書しました。その後「くだもの」「はな」と同じように、知っている魚の名前を板書しました。

板書のコツ③

完成した板書を基に、教科書を初めから音読しました。注目させたのは、「このおみせは、なにやさんでしょう。」「ものには、一つ一つ名まえがついています。」「一つ一つのものを、まとめてつけた名まえもあります。」です。板書と対応させて読みました。まとめとして、「おみせやさんごっこをしよう。」と、次の学習活動に期待をもたせています。

 

構成/浅原孝子

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