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授業のユニバーサルデザインを実現する4ステップとは?

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通常学級に在籍する発達障害の「学び」を保障することが重要になっています。1つの方法として授業のユニバーサルデザインが注目されています。今回、『通常学級の発達障害児の「学び」を、どう保障するか』(著・田中裕一)の出版記念として、長年、授業のユニバーサルデザインおよび特別支援教育の研究をされている、明星大学の小貫悟教授に授業のユニバーサルデザインを実践する方法についてお聞きしました。明日からの授業のヒントにしてください。

ユニバーサルデザイン小貫教授の写真
小貫教授

授業のユニバーサルデザインとは

――学校教育でのユニバーサルデザインとはどのようなことですか。

小貫 学校教育におけるユニバーサルデザインの取り組みは、「場の構造化」「刺激量の調整」など、物理的環境を整備することから始まりました。「場の構造化」では、例えば、教室内のすべての物の置き場を決めることなどがあります。また、「刺激量の調整」では、例えば、掲示物を減らし視覚刺激の少ないすっきりとした教室を作るなどがあげられます。これが、学校教育でのユニバーサルデザインでした。しかし、最近、このような物理的環境を整備するという視点から、授業のユニバーサルデザイン(授業UD)へと進めている授業現場が増えてきているのです。

――授業のユニバーサルデザインとはどのような授業のことでしょうか。

小貫 授業のユニバーサルデザインとは、簡潔に言えば、「すべての子のための授業」ということです。

授業のユニバーサルデザインを実現するために、授業設計の段階で「特に授業中に苦戦している子」に注目しているところから始め、授業中に想定されるミスが、個別的なものか、他の子にも起こりそうか、多くの子に起こるものかを整理し、「すべての子への授業」を組み立てていくと、新たな気付きや工夫のヒントが見つかるのではないかという想定で進めます。

つまり、「よい授業づくり」のプロセスとして、特別支援教育に注目し、「すべての子のために」を実現するために、より意識化・構造化した授業を行うことをめざしているのです。

――特別支援とはどのように違うのでしょうか。

小貫 発達障害のある子のための支援が特別支援です。授業UDは、発達障害のある子の困っている状態に寄り添うことを通し、その子を含めた、すべての子に分かりやすく、学びやすい授業をつくりあげようとしています。「よくできる子に対しては物足りないものになる発想ではないか」という声を聞くことがありますが、これは大きな誤解です。授業UDはあくまですべての子を対象としています。よくできる子に対しても配慮がなされていなければいけないのです。

授業のユニバーサルデザインを実践するには

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