毎日の「5分間係発表」で係活動が盛り上がる!
いつの間にか、係があってないような状態になってしまっていませんか? そこで今回は、子どもたちのやる気がアップする「5分間係発表」を紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・佐藤あすか
目次
係は活動してこそ楽しい! だから停滞させない
「係は決めたものの、子供たちが全然係活動をしないで1か月過ぎちゃった……」「係っていつ活動させればいいのか分からない……」。係活動について、こんな悩みをよく耳にします。そしてその状態が続くと、いつの間にか係はあってないような状態に……。係活動の停滞です。
そんなお悩みを解決できるのが、「5分間係発表」です。毎日、たった5分間の時間を設けるだけで、学級の係活動の様子ががらりと変わります。特に低学年の子供たちは、さまざまなことができるようになることに喜びを感じます。自分たちの創意工夫した係活動を発表し、学級のみんなが喜んでくれたら「係、大好き!」「係、楽しい!」「もっとやりたい!」とさらにやる気アップすること間違いなしです。
まずは三学期の係を決めよう
①係を決める際、改めて「係活動とは?」「当番活動とは?」を子供たちに伝えます。
係活動は、
- あればクラスがもっと明るく楽しくなるもの
- クラスのみんなも自分も楽しめるもの
- 自分たちで工夫して、活動できるもの
当番活動は、
- クラスに必ずないと困るもの
- だからこそ、みんなで役割分担して行うもの
②これを伝えたうえで、みんなに「クラスにどんな係をつくりたい?」と聞き、「こんなことができる係」と、子供たちから意見をどんどん出させていきます。
③意見がすべて出されたら、「これはクラスの係として自分たちでできそうかな? 残していい?」と教師が子供たちに確認していきます。
④残った係のなかから、「自分がやってみたい係」を、1人1つ、選ばせます。
さあ、いよいよ三学期の係が決まりました。この後、係ごとに分かれ、係のポスターなどを作っていけば、もういつでも係活動はスタートできます。
実際にやってみよう!
「朝の会」や「帰りの会」などの5分間で行います。
①発表の順番をあらかじめ決めておきます。決めた順番は札にして、見やすい所にかけておくのがおすすめです。毎日その札をめくっていくので、子供たちは「今日は○○係の発表の日だ」と意識できます。
②「5分間係発表」の時間になったら、「今日、発表する係の子たち」は前に出てタイマーを5分間にセットします。そして「よーい、スタート(ピッ)」で発表を始めます。
③終了のタイマーが鳴ったらあいさつをして、発表を終えます。
④明日発表する係の予告をします。
こんなことができるよ!
「発表」にこだわる必要はありません。5分間の使い方は自由です。例えば、
【調べてきたことについての発表】
- クイズ係の発表です。3択クイズをします。どれかに手を挙げてください。
- 動物紹介係です。壁に貼ってあった新聞のクイズの答えと、正解者を発表します。
アンケートをとる
- 楽しく遊ぼう係です。今度の遊び、何がしたいですか?(みんなから出た意見をメモしていく)
- クラス新聞係です。次の新聞に書いてほしいことのアンケートをとります(アンケート用紙を配る)。明日までに書いて、僕たちに渡してください。
係からの連絡
- 動物大好き係です。係のアンケートBOXに、好きな動物を書いて入れてください。
- 金魚観察係です。金魚がごはんを食べる絵を描きました。壁に貼ったので、見てください。
係のお悩みを、みんなに相談する
- アンケートBOXを置いたのに、誰も入れてくれません……。協力してください。
続けることで子供は変わる
最初からうまくいくことはありません。始めたばかりの頃は、この「5分間」をうまく使うことができないかもしれません。
けれど続けていくことで、絶対に変わっていきます。発表する側が慣れていくことはもちろん、聞く側も変わってきます。「自分たちがやるときもみんなが聞いてくれるんだから、自分もちゃんと聞こう!」という気持ちが生まれてくるからです。
「次の係発表、何しようかな。楽しみだな!」
子供たちからこんな声が聞こえるようになる頃には、きっとクラスの係活動は、とても活発になっていることと思います。そして、「係活動、楽しかったな」と、子供たちがそんな思いをもって、三学期を締めくくれるとよいですね。
イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2021年12/1月号より