分数の比をカンタンに簡単にする方法【土作先生ミニネタ動画】

【知っているか知っていないかで大違い! ツッチー先生のミニネタコーナー】第15回
授業ミニネタの達人・土作彰先生が、算数指導に使えるネタを紹介します。小学6年生算数「比」の単元で出てくる「分数の比を簡単にせよ」という問題の解き方、どのように指導しますか? 通分するよりも、たすきがけを使うよりも、これがいちばんカンタンで間違えも少ない解法です。
目次
どう解く?「分数の比を簡単にしましょう。」
6年生の比の学習で、このような問題が出てきます。
「比を簡単にしましょう。」
① 16:24
この場合の解き方は、『左側(前項)と右側(後項)に同じ数字を掛けたり割ったりしても、比の値は変わらない』という比の性質を利用して、両側をそれぞれ「8」で割り、答えは「2:3」、というように指導していくのが一般的な方法だと思います。
② 2.5:1.2
①と同様に、小数の場合も小数点を移動すればいいだけなので、左側・右側ともに「10」を掛けます。そうすれば、小数点は移動して「25:12」。これで終わりです。
ここまでは、このやり方でいけると思います。
問題は次のような場合です。
③ [MATH]\(\frac{2}{3}\)[/MATH]:[MATH]\(\frac{5}{6}\)[/MATH]
このような分数の比となると、子供たちには結構難しいと思いませんか?
教科書を見ると、だいたい『通分する』という考え方で解いています。
両側の分数を通分すると、3と6の最小公倍数は「6」なので、
[MATH]\(\frac{4}{6}\)[/MATH]:[MATH]\(\frac{5}{6}\)[/MATH]
となります。
最後に、この分母を消すために両側の分数に「6」を掛けて『約分』します。
そして、最終的に「4:5」という解答に持っていきます。
このように、通分してから答えに持っていくのが最もオーソドックスな方法だと思います。

ここからがミニネタ——さっさと割りましょ!
ところが、最小公倍数を求めて通分するのは、どうもめんどうなので、ここからがミニネタです。
もういっそのこと……わり算にしちゃうんです!

ご存知のとおり、比の値(a:b=[MATH]\(\frac{a}{b}\)[/MATH])は、わり算と商(a÷b=[MATH]\(\frac{a}{b}\)[/MATH])と同じ関係になりますから、はじめからわり算してしまうんです。
先ほどの③を、このやり方で解いてみます。
[MATH]\(\frac{2}{3}\)[/MATH]:[MATH]\(\frac{5}{6}\)[/MATH] ⇒ [MATH]\(\frac{2}{3}\)[/MATH]÷[MATH]\(\frac{5}{6}\)[/MATH]
=[MATH]\(\frac{2}{3}\)[/MATH] ×(わり算なので、分母と分子をひっくり返して)[MATH]\(\frac{6}{5}\)[/MATH] = [MATH]\(\frac{4}{5}\)[/MATH]
このように、「[MATH]\(\frac{4}{5}\)[/MATH]」という商が求められました。
これを比の値と考えると、「何:何」ですか……?
「4:5」ですから、通分したときと同じ。
当然、同じ答えになります。

通分するために最小公倍数を求めるのもいいのですが、結構めんどうくさく感じます。
そのような場合は、このようにわり算にしてしまうとすごく楽になるんじゃないかな、と思います。
練習してみましょう
続いて、次の問題で練習してみましょう。
④[MATH]\(\frac{3}{8}\)[/MATH]:[MATH]\(\frac{5}{12}\)[/MATH]
これもいわゆるオーソドックスな方法で求めると、8と12の最小公倍数「24」を使って通分していくと思いますが……
もうそんなんせんと、割りましょ(笑)!

[MATH]\(\frac{3}{8}\)[/MATH]:[MATH]\(\frac{5}{12}\)[/MATH] ⇒ [MATH]\(\frac{3}{8}\)[/MATH]÷[MATH]\(\frac{5}{12}\)[/MATH] = [MATH]\(\frac{3}{8}\)[/MATH]×[MATH]\(\frac{12}{5}\)[/MATH] = [MATH]\(\frac{9}{10}\)[/MATH] = 9:10
早いですね! 非常に早いと思います。
