レモン汁でスーパーボールを作る方法【土作先生ミニネタ動画】
【知っているか知っていないかで大違い! ツッチー先生のミニネタコーナー】第14回
授業ミニネタの達人・土作彰先生が、理科の授業を楽しくするネタを紹介します。液体ラテックスにレモン汁を混ぜると固まって、スーパーボールのように弾むゴム玉になることを実演してみせます。学級を盛り上げつつ、小学校6年生の理科「水溶液の性質」に関する探究的な興味喚起へとつなげます。
目次
謎の「白い液体」の正体は…?
面白い理科実験をご紹介します。
今回、紹介するのはコレです。何でしょうか……?
子供たちには、このように話を切り出します。
「みんな、輪ゴムは知ってるよね? ところで、ゴムの原料って何か知っていますか?」
だれも知らなければ教えてあげればいいのですが、何人かは「ゴムってね、『ゴムの木』っていう植物があって、そこから出てくる樹液で作られているんだよ!」と知っている子がいます。
先生方の中にも、ゴムの木に傷を付けて、そこから出てくる樹液を採取して…という、東南アジアの農業の様子を見たことがある方もたくさんおられると思いますが、まさしく、これはゴムの木の樹液で『ラテックス』といいます。
ラテックスは樹液なので、ドロッとしています。どんな感じかというと…こんな感じです。
これがどうして「ゴム」になるの!?
たしかに原料は樹液なのですが、これが日ごろ目にする「ゴム」になるというのは、どうも子供たちには納得できないと思います。
この白い樹液がゴムの原料だということは知っていても、これがどうなったらゴムになるのかというところまで、きちんと結びつけてあげないと、なかなかつながりません。
理科というのは、原料や原理が、実際に私たちの身のまわりの製品や現象と結びついたときに「あ、そうだったのか!」となり、そうして子供たちは理科の実験を好きになってくれます。
それで、これをゴムにするにはどうしたらいいかというと……
はい、『レモン汁』です!
ラテックスの液にレモン汁を加え、よく混ぜます。
……図工をやっているみたいで楽しいですね。昔を思い出します(笑)。
手のひらで混ぜて転がしていくと……固まりました! ごれが、ゴムなんです。
でも、これが本当にゴムかどうかわからないと思いますので、床や机に叩きつけて跳ね上がるか、やってみます。
跳ね上がったら拍手をしてください(笑)。
……見事に跳ねました!!
このように、ゴムの樹液「ラテックス」は、酸に混ぜるとゴムになる、ということを見せてあげましょう。
小6『水溶液の性質』の発展学習に!
ラテックス(アルカリ性)+レモン汁(酸性)⇒ゴム
ちなみに 、このラテックス液にはアンモニアが入っています。アンモニアを混ぜてあるんですね。
空気中にも酸があるので、それと結びつくと簡単に固まってしまいます。酸に反応して固まるので、アルカリ性のアンモニアを入れて液体の状態を保っています。
6年生の『水溶液の性質』の発展学習として、「ゴムは、酸性とアルカリ性を混ぜ合わせて作っている製品だよ」と話をしてあげると面白い知識になると思いますので、ぜひ試してください。
レモン汁は百円均一・スーパー・コンビニなどで、ラテックスは通販で購入できます。
ラテックスは1000円くらいするので、ちょっと高いですが、子供たちの笑顔には代えられませんね!
……ということで、ぜひ試してみてください!
【編集部記】ラテックスアレルギーほか一部の食物アレルギーをお持ちの方や、皮膚に傷などがある場合は、取り扱いにご注意ください。
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手作りスーパーボール、楽しいですね! 子供たちにとって身近なものが何からできていて、どのような原理で製品になるのか、実験を通して学べると深く理解でき、あらゆる物や現象にも興味や探究心が湧いてきそうです。みなさんの学級でも「理科は楽しい!」という子供たちを、ツッチー先生の理科ネタで増やしてみませんか?
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土作彰(つちさくあきら)●1965年生まれ。奈良県公立小学校教諭。「学級づくり」改革セミナー主宰。『マンガでわかる 学級崩壊予防の極意: 子どもたちが自ら学ぶ学級づくり』(小学館)、『知っているだけで大違い!授業を創る知的ミニネタ45」(黎明書房)他多数。