運動会定番種目、綱引きを楽しく上手に。体育・国語・調べ学習に役立つ楽しい指導法【動画】
劇団俳優を経て、公立小学校の教壇へ。得意のダンス指導で日本一になったり、絵本作家にチャレンジしたりと、精力的な毎日を過ごす松下隼司先生。その教育観の底には、子どもも指導者も毎日楽しく、笑顔でありたいという願いがあるそうです。そんな松下先生から、笑顔のおすそわけをしてもらう本コーナー。
運動会の定番種目「綱引き」。その必勝法は三つのポイントで説明できますが、そこに誰もが知っている教材「おおきなかぶ」を関連付けて説明すると……どんどん子どもたちの興味と活動が広がっていきます。今回は、その指導法を動画でお届けします。
指導:大阪府公立小学校教諭/松下隼司
運動会の綱引きは、「おおきなかぶ」視点で!
「綱引きって、オリンピック種目にある?」と子どもたちに聞いてみてください。
子どもたちは、「ないないない!」と言いますが、実は、昔はオリンピック種目にあったのです(※)。
子どもたちは、「えーっ」となります。
※1900年の第2回パリ大会から1920年の第7回アントワープ大会まで、オリンピックの陸上競技として実施されました。4000年以上も前のものとされるエジプトの遺跡の壁画に綱引きの様子が描かれており、日本では飛鳥時代の書物に綱引きに関する記述があります。
「じゃあ一回、運動場でやる前に、教室でやってみようか」と言って、エアでやってみます。子どもたちは色々な可愛い引き方をしますよ。
「上手やな、前に出てみんなに見せて」と紹介しつつ、ここで、綱引きの三つのポイントを紹介します。
綱引きの三つのポイント
- 足はハの字
- 綱は脇に挟む
- 体は正面に向けて倒す
この三つのポイントをふまえてもう一度エア綱引きをやってみれば、もうばっちりです。
そしてその後は体育でもいいのですけれども、ひと工夫!
「あれ、この引っ張るのって、国語の教科書のお話で出てこうへんかった?」と子どもたちに聞いてみます。
「そうそうそう!『おおきなかぶ』!!」
子どもたちは、指示されなくても教科書の挿絵を見て、「三つのポイント合ってる!」「脇挟んでる!」とか言い出します。
「おおきなかぶ」が載っている教科書が無ければ、「図書館にあった!」という子が出てきます。おおきなかぶの絵本は色々な出版社から出ているので、それらを教室に並べたり、大きな画面に映したりします。
すると子どもたちは、三つのポイントのどれに当てはまっているのかの検証を始めるのです。
中には、ポイントを全部外しているものを探す、やんちゃな子も出てきます・笑。
綱引きの三つのポイントをきっかけとして、体育と国語、さらに、画像検索するなどのパソコンを使った調べ学習にもつなげることができます。
とっても盛り上がる楽しい活動なので、ぜひ、参考にしてみてくださいね。
松下隼司の笑って!!エヴリディは、木曜更新です
松下隼司(まつした じゅんじ)
大阪府公立小学校教諭。第4回全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞、第69回(2020年度)読売教育賞 健康・体力づくり部門で優秀賞を受賞。さらに、日本最古の神社である大神神社短歌祭で額田王賞、プレゼンアワード2020で優秀賞を受賞するなど、様々なジャンルでの受賞歴がある。小劇場を中心に10年間の演劇活動をしていた経験も。著書に、『むずかしい学級の空気をかえる 楽級経営』(東洋館出版社)、絵本『ぼく、わたしのトリセツ』(アメージング出版)、絵本『せんせいって』(みらいパブリッシング)がある。
イラスト/したらみ