面白い国語授業アイデア:100文字作文、百人一首を導入してみよう!

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兵庫県公立小学校校長

関田聖和

夏休み気分が抜けない子供たちの心を引き付ける、100文字作文、予想作文、ぱわぁあっぷ百人一首など、楽しい国語授業のアイディアを紹介します。

監修: 兵庫県公立小学校教頭・関田聖和

授業を楽しく受けている子ども

イラスト100文字作文(小三)

スクールカット集などのイラストを提示して、それを基に、100文字以上の作文を書きます。イラストという具体物があるので、文を考えやすく、作文が苦手な子供も取り組みやすくなります。

【進め方】

①カット集などのイラストと、マス目が入ったワークシート(100字目が分かるようにしておく)を配ります。ワークシートの右上にイラストを貼り、名前欄は、欄外につくります。

②まず子供たちに、イラストを見て気付いたことを発表させます。それらを簡単に板書していきます。これは、書く活動において必ずやっておきたいことです。

こうすることで、書くことに苦手意識をもっている子供たちも取り組みやすくなります。板書したことがヒントになるからです。

③「それでは書き進めましょう。100字を超えられるかな。黒板を参考にしてもよいです」と伝えます。

原稿用紙

「よそう作文」を使った行事作文(小三)

作文に取り組ませると、ついつい一回の授業時間で終えがちです。また、原稿用紙を配り、「運動会の練習の様子を作文にしよう」と投げかけることが多いかもしれませんが、子供にとって難しいことがあります。作文を作品と捉え、時間をかけることで、一つの事柄をより詳しく書くことができます。

【進め方】

①いきなり作文用紙には書かせず、左のような作文作成メモをつくります。項目ごとに、メモをするのです。時間がなければ、ノートに箇条書きで書かせるだけで十分です。

作文作成メモ

②作文スタート。前につくったメモによって、書く内容が増えていきます。メモの項目ごとに段落を起こせばよいのです。メモが、作文を書くためのワークシートとなります。

〈メモの項目〉
◦演技が決まった時に感じたこと
◦苦労したこと、苦しかったこと
◦楽しかったこと
◦悔しかったこと
◦悲しかったこと
◦特にがんばってきたこと
◦みんなに伝えたいこと
◦保護者に見てほしいところ

など。すべての項目を網羅する必要はありません。

③運動会開催前までに取り組みます。ある程度、練習のふり返りができるような時期がよいかもしれません。運動会の練習の思い出やワンシーンを書くのです。

ポイントは、出場する種目から一つだけ選ぶこと。つい、運動会一日のことを書きたくなるものですが、あえて一つにすることによって、より詳しく書くようになります。

④さらにメモを使って書いた作文の続きに、「こうなってほしい! こうなっているはずだ!」とイメージする「よそう作文」を書きます。

⑤そして運動会終了後、当日について書きます。これも前半・中盤・後半と分けて、メモをつくるとよいでしょう。走競技ならば、(前半)走る前、(中盤)走っている間、(後半)走り終わった後などに分けて書くとよいでしょう。

⑥練習シーンや当日の様子など、写真を印刷して、黒板に提示しておくと、さらに書きやすくなります。子供たちが書くことを想起しやすくなるからです。

「ぱわぁあっぷ」百人一首(小四)

全首読むのではなく、10首だけ取り組みます。みんなで楽しみながら行うことで、あっという間に覚えることができます。学級づくりにも使える「楽習」ネタです。一回戦が、1分30秒で終わります。

【進め方】

百人一首から10枚選びます。

①二人が向かい合い、図①のように机の上に、10枚の百人一首を並べます。5枚ずつお互いに見えるように並べます。

二人が向かい合い百人一首を並べる

②教師が、百人一首を音読します。ポイントは、10句中9句を読むことです。そうすることで、勝敗が付くからです。

③勝敗を確認。対戦相手を替える時は、図②のように移動します。教師が音読しているほうへ負けた子供が移動し、勝った子は、その逆に移動。一番後ろの座席で勝った子供と一番手前で負けた子供は、動きません。私はこれを「エレベーター」と呼んでいます。

④何回か対戦をしていると、自然に札を取るのが苦手な子供が教師の付近に集まってきますので、教師が読む前に、その子供にちらっと、札を見せたり、苦手な子供のペースに合わせて音読したりすることができます。苦手な子供が、一度は勝てるよな支援をさりげなく入れることができるのです。

⑤10枚で取り組むので、一回戦は1分30秒程度。5分もあれば、3度取り組むことができます。授業直前に始めて、休み時間から帰ってきた子供たちが揃い次第、終えるのもよいでしょう。

移動図

取材・文/出浦文絵

イラスト/宇和島太郎

『教育技術 小三小四』2019年9月号より

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