「LGBTQA+」とは?【知っておきたい教育用語】

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【みんなの教育用語】教育分野の用語をわかりやすく解説!【毎週月曜更新】

さまざまな性のあり方を表現する言葉として使われる「LQBTQA+」。それぞれの頭文字の意味や学校現場における留意点について紹介します。

執筆/「みんなの教育技術」用語解説プロジェクトチーム

性自認や性的指向が多数の人とは異なる

「LGBTQA+」は、性自認や性的指向が多数の人とは異なる性的少数者(セクシャルマイノリティ)の総称のひとつとして使用される言葉です。「LGBTQA+」以外にも、Sexual Orientation (性的指向) と Gender Identity (性自認) の頭文字をとった 「SOGI(ソジ)」という言葉が使われる場面も増えています。

性自認
自分がどのように性別を認識しているかということ

性的指向
どの性別の人を好きになるのか(または、好きにならないのか)ということ

性自認や性的指向には、これが正しいという「正解」はありません。人それぞれに千差万別で、多種多様であるということを理解しておきましょう。

LGBTQA+の各頭文字の意味

「LGBTQA+」は、次の英語表記の頭文字をとって構成されています。

L:Lesbian(レズビアン)
女性を好きになる女性

G:Gay(ゲイ)
男性を好きになる男性

B:Bisexual(バイセクシャル)
男性、女性、どちらの性別も好きになる人

T:Transgender(トランスジェンダー)
性自認が生まれたときに割り当てられた性別と異なる人

Q:Queer(クィア)またはQuestioning(クエスチョニング)
性に対するあり方が定まっていない人、意図的に定めていない人、またはどの性にも当てはまらない人

A:Asexual(アセクシャル)またはAromantic(アロマンティック)
アセクシャルは他者に性的に惹かれない人、アロマンティックは他者に恋愛感情を抱かない人のこと

+:上記に当てはまらない人
自身の性を男性、女性のいずれかに限定しない「ノンバイナリー」や「Xジェンダー」、性的指向が性別にとらわれない「パンセクシャル」、生まれつき男性と女性の両方の身体特徴をもつ「インターセックス」など

個々人の性的指向や性自認は、必ずしも「LGBTQA+」だけで網羅ができるわけではありません。性のあり方は、人によってグラデーションがあり、ときによって変わっていく場合もあります。

日本の教育現場における「LGBTQA+」への理解

日本における性的少数者の割合は、3~10%といわれています。しかし、世界の国々に比べ、日本ではまだまだ「LGBTQA+」への理解や教育が進んでいないのが現状です。誤った知識や知識不足が偏見を生み、いじめや差別、当事者の生きづらさなどにつながっています。

平成27年には、文部科学省が「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」という資料を教職員向けに発行していますが、学習指導要領には「性の多様性」についての記述は盛り込まれておらず、学校現場の裁量に任されています。

学校においても、性的少数者に該当する児童生徒は必ずいます。今まさに悩んでいる子どもが身近にいる可能性もあるのです。そうした子どもを孤立させないためには、子どもに関わる大人がきちんと性の多様性について勉強し、理解を深めておくことが不可欠です。そのうえで、「LGBTQA+」にまつわる書籍や動画を活用したり、授業の題材に取り入れたりするなどして、学校全体で多様性を受け入れる環境づくりを行います。

また、実際に学校で生きづらさを抱えている子どもがいる場合は、担任だけでなく、スクールカウンセラーや養護教員、外部機関といったさまざまな人々と連携しながら、相談しやすく、安心して通える環境を整えていく必要があります。

▼参考資料
法務省(ウェブサイト)「多様な性について考えよう!~性的指向と性自認~
東京レインボープライド2022(ウェブサイト)「LGBTQとは
gooddo(ウェブサイト)「LGBTQIAとは?多様化する性的マイノリティへの理解を深めよう
ELEMINIST(ウェブサイト)「LGBTに代わる新たな呼称『LGBTQIA』とは セクシャルマイノリティの多様化を知る
東洋経済ONLINE(ウェブサイト)「クラスに2、3人?学校のLGBTQの『現実』
文部科学省(ウェブサイト)「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について
日本教育新聞(ウェブサイト)「LGBT教育に求められる取り組みとは? 日本の現状と残された今後の課題

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