絵本を入り口にして、「食育」に取り組もう!
目次
子供たちと一緒に食の問題を考えよう
日本社会は、食料自給率の低下や食品ロスなど、多くの食に関する問題を抱えています。子供たちにおいても朝食の欠食などは、見過ごせない問題となっています。そのため、多くの学校では、食育月間を設けたり、管理栄養士による特別授業を実施したり、さまざまな手法で「食育」に力を入れていると思います。
今回は、食の大切さを知ることができる絵本を紹介します。好き嫌いにまつわる話、日本の主食であるお米について、食と命を考える話などを集めました。絵本を入り口にして、食育に取り組んでみませんか?
食の大切さを知る! おすすめ絵本
『たべる たべる たべること』
おむすび舎 作/くすのきしげのり 絵/小渕もも
実穂ちゃんの毎日は、たくさんの「たべること」で、できています。タイからやって来た友達、家族で世話をした田んぼ、みんなで食卓を囲んでの夕食、仕事をしながらの一人暮らし、思いがけない再会…。実穂ちゃんの成長を追いながら、人生のさまざまな場面で、「食べることには、大切な意味がある」ことを描いています。誰かといっしょに、「たべること」を楽しみたくなる絵本です。
『ジャムつきパンとフランシス』
好学社 作/ラッセル・ホーバン 絵/リリアン・ホーバン 訳/松岡享子
「ジャムつきパンしか食べたくない!」と、わがままを言うフランシス。誰の言葉も聞き入れません。だけどある夜、泣きながら小さな声で言いました。「本当は…」。小さい子供たちにありがちな、食べ物にまつわるちょっとかわいいお話です。
『絵本 いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日』
講談社 原案/坂本義喜 作/内田美智子 絵/魚戸おさむとゆかいななかまたち
しのぶくんのお父さんは、食肉センターで牛を「解く」仕事をしています。授業参観でお父さんの仕事を聞かれたしのぶくんは、「ふつうの肉屋です」と答えてしまいます。だけど先生に、「おとうさんが仕事ばせんと、肉ば食べれんとぞ」と言われ、お父さんの仕事の偉大さに気付きます。男の子の表情が、リアルに命の尊さを伝えています。
『ごはんのにおい』
おむすび舎 作/中川ひろたか 絵/岡本よしろう
ぼくは朝、ごはんの炊けるにおいで目を覚ましました。「あーいいにおい」。早速、朝ごはんを食べ始めると、ごはん粒がついたぼくのほっぺを見て、お母さんがお米について、いろいろなことを教えてくれました。お米の大切さ、ごはんの偉大さが詰まった絵本です。
「絵本を活用した授業づくり」について、さらに詳しく知りたい方へ
絵本を活用した授業づくりをより詳しく知りたい先生には、京都女子大学准教授・齊藤和貴先生の『絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)がおすすめです。主体性を育む、多様性を理解するなどの14のシチュエーション別に、312冊の絵本の紹介や活用法を解説。教科別の授業例も紹介しています。
『豊かな心と思考力を育む
絵本で広がる小学校の授業づくり』
京都女子大学発達教育学部准教授
齊藤和貴/著
B5判/112p、オールカラー
〈著者プロフィール〉
齊藤和貴(さいとう かずたか)
京都女子大学発達教育学部准教授。元小学校教諭・司書教諭。東京都公立小学校及び東京学芸大学附属小金井小学校、附属世田谷小学校で28年間、教育活動や授業実践に取り組む。その間、生活科や総合的な学習の時間を中心に指導法やカリキュラム、評価方法の工夫・改善を図り、「子供とともにつくる授業」の創造に励む。また、司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも取り組んできた。
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