ページの本文です

発達障害の特性と支援とは~特別支援教育を知る②~

教育現場では、発達障害がある児童生徒の対応に苦慮している現実があります。今回、小社の『通常学級の発達障害児の「学び」を、どう保障するか』の発刊を記念して、専門家3人によるオンラインセミナーを開催しました。そのなかから、我が国の発達障害研究の第一人者である竹田契一氏による講座を2回に分けてお届けします。2回目は、発達障害の特性と支援についてのお話です。

講師/大阪医科薬科大学LDセンター顧問、大阪教育大学名誉教授・竹田契一

子ども支援のイラスト

障害と特性を分ける

教育現場では、障害と特性をしっかり分けていくことが大切です。例えば、自閉症スペクトラム障害を取り上げると、子どもの一つの特性と思い、初めから障害と決め付けないようにします。一般に障害というのは、その子どもが関わる環境のなかで、成立したり、関係の中でさまざまな問題を起こしてきたりします。その作用で、障害が起こってきます。

医学では初めから障害名の診断が付きますが、特に教育で子どもの発達のことを考えるときは、障害と特性を分けたほうがよいでしょう。

もう一つよく聞かれる問題は、「私の育て方が悪かったかしら」とお母さんから言われることです。基本的に発達障害は、育て方やしつけなどその子の環境というものが原因で起こるものではなく、脳の中枢神経系の機能障害ですので、親の育て方ではないということが言えます。世界で様々な研究がされていますので、発達障害の原因についても、今後、考え方が変わっていくことと思います。

どこでつまずいているのかを見つける

特別支援教育を考えるときに、大切な考え方があります。それは、今何ができないという状況ばかりに目がいくのではなく、「この子はいったいどこでつまずいているのだろう」という、元になっている原因を見つけることです。

最近、どこでつまずいているのかということを抜かし、書けない、読めないという問題があるということばかりを指摘することが起こっています。そうではなく、その子の一番元になっている、どこでつまずいているのか、なぜそれができないのか、ここをしっかりと捉えていくことが大切です。

発達障害の子どもの支援には連携が欠かせない

学校の先生に役立つ情報を毎日配信中!

クリックして最新記事をチェック!

人気記事ランキング

教師の学びの記事一覧

フッターです。