絵本を活用して、多様性の大切さを理解しよう!
目次
どんな特性や個性をもった子も受け入れる学級をつくろう
学校は、すべての子供が過ごしやすい場所であることが求められます。そして、どんな特性や個性、価値観をもった子も大切な子供であることに変わりません。そのため、多様性を認め合う学級づくりに力を入れている先生も多いことでしょう。
子供たちが多様性を理解するために、絵本を活用してみてはいかがでしょうか? 多様な価値観のすばらしさを教えてくれたり、多様性について深く考えるきっかけとなったりする絵本を紹介します。朝の会などで読み聞かせるもよし、道徳の教材として取り上げるのもよいでしょう。
多様性を理解する! おすすめ絵本
『じぶんだけの いろ』
好学社 作/レオ=レオニ 訳/谷川俊太郎
2匹のカメレオンには、ある悩みがありました。「ぼくらは どうしても じぶんの いろを もてないんだろうか?」。さまざまな色に変身することができる、カメレオンならではの悩みです。オウムは緑、キンギョは赤…、みんなそれぞれ自分だけの色をもっています。やがて春になって、2匹のカメレオンは、すばらしい答えを見付け出します。悩んだ末に出した答えとは、果たして…。
『いいこってどんなこ』
冨山房 文/ジーン・モデシット 絵/ロビン・スポワート 訳/もきかずこ
子ウサギのバニーはいろんなことが心配になって、次々にお母さんに質問します。「ねえ、おかあさん、いいこって どんなこ?」「ぜったい なかないのが いいこなの?」。お母さんはいつも、バニーを真っ直ぐに受け入れて、いまのまんまのバニーが大好きと言ってくれます。「いろいろな考えがあっていい」「ありのままの姿がすてき」―そんなふうに思える優しいお話です。
『てをつなぐ』
金の星社 作・絵/鈴木まもる
男の子がお母さんとつないだ手は、世界中のいろいろな人々、地球上に生きるいろいろな生き物へとつながり、広がっていきます。私たちが暮らしている地球上には、見た目だけでなく、心も考え方も違う、いろいろな人や動物たちがいます。そんなメッセージが伝わってくる一冊です。世界中のみんながつながり、いっしょに生きていることを再確認し、そのすばらしさを教えてくれます。
『まあるい いのち』
小学館 お話と絵/イルカ
主人公のノエルちゃんとお友だちの犬のきんのすけが、水の惑星「地球」にやって来て、いろいろな生き物が共存していることや、生命の大切さに気付いていくお話です。「生物多様性(地球上には多様な生物が存在することを示すという造語)」をテーマに書かれた歌「まあるいいのち」をもとに、シンガーソングライターのイルカさんが創作しました。「まあるいいのち」の歌のCD付きです。
「絵本を活用した授業づくり」について、さらに詳しく知りたい方へ
絵本を活用した授業づくりをより詳しく知りたい先生には、京都女子大学准教授・齊藤和貴先生の『絵本で広がる小学校の授業づくり』(小学館)がおすすめです。主体性を育む、多様性を理解するなどの14のシチュエーション別に、312冊の絵本の紹介や活用法を解説。教科別の授業例も紹介しています。
『豊かな心と思考力を育む
絵本で広がる小学校の授業づくり』
京都女子大学発達教育学部准教授
齊藤和貴/著
B5判/112p、オールカラー
〈著者プロフィール〉
齊藤和貴(さいとう かずたか)
京都女子大学発達教育学部准教授。元小学校教諭・司書教諭。東京都公立小学校及び東京学芸大学附属小金井小学校、附属世田谷小学校で28年間、教育活動や授業実践に取り組む。その間、生活科や総合的な学習の時間を中心に指導法やカリキュラム、評価方法の工夫・改善を図り、「子供とともにつくる授業」の創造に励む。また、司書教諭の経験を生かし、「絵本を活用した授業づくり」にも取り組んできた。
【関連記事】
絵本を活用して、子供のコミュニケーション力を育もう!
二学期のリスタートは、絵本を活用して、チャレンジ精神を育もう!