二学期の学校行事 教師が見通しをもつことが大切
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二学期は、教師は見通しをもって、子供たちが主体的に取り組むための支援を行いましょう。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・木村綾子
目次
どんな力を育てていくのかを明確に
二学期は、運動会や音楽会、学習発表会など学校行事が多く設定されているところもあるでしょう。行事を通して、どんな力を育てていくのかが明確になっていないと、ただ「忙しい」だけで終わってしまいます。
せっかく多くの行事を経験するので、行事や活動を通して、いろいろな力が身に付くように準備をしましょう。
そのためには、まず教師自身が「見通し」をもつことです。一つ一つの行事のねらいや内容、やり方などを事前に把握しておくことがとても大切になります。学年で情報を共有しながら進めていきましょう。
教師自身が見通しをもてたら、次はその行事をどのように子供たちと出合わせていくのかということを考えます。
「もう決まっていることだからやるよ」ではなく、子供たちが「早くやりたいな」「こんなことができるといいな」と、ワクワクできるようなしかけがあるとよいでしょう。
出合わせ方のアイデア例
運動会
前年度、運動会で中学年がどんな様子だったのかを知る機会をもつことで、子供たちのやる気につながるようにしましょう。
- 映像を見せる
- 写真を見せる
- 四年生が直接、三年生に話をする など
学習発表会
年間指導計画を見直し、学習進度の確認をしましょう。学習発表会を通し、子供たちの力を教科等横断的な視点で育てられるようにします。
そのうえで、子供たちの「なぜだろう」「どうしてだろう」を引き出せる学習計画を立てていきましょう。
学習における教材との出合わせ方がとても重要です。学校内だけではなく、地域の中にある教材にも目を向けておくとよいでしょう。
子供同士の関わりを深める
学級づくりも、《知り合う》から《関わる》時期に入ります。もちろんこれまでも、学習や活動の場面でさまざまな関わりをもってきたと思います。その関わりをさらに深めていくのが、二学期になります。
教師は、子供たちが関われるような場面を積極的につくっていきましょう。とくに中学年では、グループ活動で関わりがもてるようにしていくとよいでしょう。
自分たちで計画を立て、実行してみる経験がたくさんできるようにします。実行した後は必ずふり返りをし、次の活動に生かしていく流れも子供たちと確認しておきます。
グループ活動では、時にはグループ内でうまくいかないことも出てきます。そういうときが、実はチャンスです。教師がすぐに解決してしまうのではなく、子供たちに考えさせるようにしましょう。
何に困っているのか、それを解決するためにどんなことをしたらよいのかなどの話合いを、子供たち同士でできるように教師が支援していきましょう。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年8/9月号より