<第3回>ヒツジを飼う パンク町田が語る! みんなのいきものがかり

どの学校にも飼育委員会や飼育係があるのは、なぜでしょうか。学習指導要領の生活科や道徳科の規定を待つまでもなく、生き物に親しむ学習活動が生命を尊重する心情を養うことにつながるからでしょう。ありとあらゆる動物を扱ったことがある動物研究家のパンク町田さんが、身近な動物の愉快な話や飼育のこつを伝授します。
ヒツジを飼う

特徴は毛が伸びること
ふだんからヒツジはぼーっとしています。毛を刈られるとき、電動バリカンで皮膚を傷つけられても痛がったり抵抗したりすることがないので、頭が悪いかというと、そうではありません。前回お話ししたヤギと同じくらい賢い動物です。
ヒツジとヤギは餌が同じなので、一緒に飼うことができます。私の会社である「ULTIMATE ANIMAL CITY」の飼育場でもヒツジとヤギを一緒に飼っています。
どちらの動物も肉とミルクが食用になる点が同じですが、ヒツジはさらに毛を利用することができます。そう、ウールの原料です。ヒツジの原種は短毛でさまざまな改良を経て長い毛の品種になりましたから、元来は毛を利用するのではなく、食肉のために飼われていたのではないでしょうか。
毛が伸び続ける動物は、野生では生きられません。自分の毛の重さに耐えられず、死んでしまいます。それが夏場ならば、夏ばてで死にます。だから、毛が伸びたら刈ってやらなければいけません。牧場を逃げ出したヒツジをしばらくしてつかまえて毛を刈ってみたら、30キログラムもの毛がとれたという話を聞いたことがあります。
ヒツジの毛を刈るには、まずお尻をついた格好でヒツジを座らせ、安定させておいてから電動バリカンで一気に毛を刈っていきます。ヒツジの毛は非常に密に生えているので、電動バリカンの刃を奥に入れるのに苦労します。何百頭、何千頭も刈るわけですから、これは大変な作業です。
アルパカの毛を刈った経験しかなかった私は、ヒツジの毛も刈ってみようかと思いましたが、それを見ているだけでもう十分だと思いました。
