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11月クライシス「荒れ」予防は9月から!【予防編】

2019/8/22

学級崩壊のカウントダウンは9月からと言われています。気づかぬうちに崩壊が進み、11月には手遅れ・・・とならないために、9月の今から対策を練ることが大事です。今回は【予兆発見編】につづく第2回【予防編】として、具体的にどういった方法で荒れを回避するのが得策か、解説していきます。

【予兆発見編】はコチラから読めます。

荒れ予防後半
撮影/大庭正美

コツコツとクライシス予防

荒れを起こさないための特効薬はありません。ですが、種類と数はかなりたくさん存在します。最大のポイントは、

「夢中になれるものを企画すること」

11月には大きな行事がありません。だとしたら、クラスで子どもが夢中になる、一生懸命にがんばるようなイベントを企画すればよいのです。

例えば、〈サツマイモパーティ〉を企画します。グループは子どもたちが考えます。さらに、レシピや調理の役割分担もグループで相談して準備を進めます。サツマイモがクラスの畑で収穫されたものなら最高です。子どもたちは収穫に向けて、水やりも一生懸命するかもしれません。「サツマイモ大収穫祭」でさえ、子どもたちにとっては一大イベントです。さらに、他のイベントにつなげることができれば、ますます夢中になります。

学級の荒れ予防に、こどもたちで話し合って決める施策を

他にもあります。

  • 目指せ清掃名人! 一流の技を身に付けて清掃士免許ゲットだ!
  • イラスト係発「先生の似顔絵大会」優勝賞品は豪華な○○。
  • みんなで汗をかけ ケンケン相撲 横綱決定トーナメント
  • クラスみんなで達成11月の読書400冊!
  • ただの鬼ごっこじゃない!? 鬼にはサングラス「〇年△組版 逃●中」
  • 〇組のイメージソングを作ろう。作詞作曲大会!
  • イメージソングをCD化して、お昼の放送に流してもらおうプロジェクト

・・・などなど。
※注意する点は、「達成できなかった」「うまくいかなかった」原因が特定の子の責任にならないものにする

基本的にイベントは何でも構いません。楽しく夢中になれる活動があれば、子どもは荒れてなんかいられないはずですから。

イベントだけでは不十分

「よし! イベントをしよう。これでばっちりだ」と思ってはいけません。

なぜなら、学校生活のほとんどは授業だからです。学級活動を中心としたイベントを企画することは確かに効果的ですが、授業もひと工夫の必要がありそうです。

私は授業の中で、次の三つがクライシス予防の最低条件だと考えます。

【クライシス予防】授業の三か条
一. 授業に楽しさを
二. 達成できる喜びを
三. 活動できる時間を

みなさんの授業はいかがでしょうか。子どもたちは楽しく、達成した喜びを感じ、生き生きと活動していますか? これから三か条の一つひとつを詳しく解説していきます。

一. 授業に楽しさを

授業中に笑い声が聞こえること。人を嘲ったり、失敗を笑ったりするのではありません。授業中にみんなが笑顔になり、雰囲気が温かくなる時間が大切です。

授業の本質は「funny」ではなく「interesting」ですが、それには長い時間と努力が必要です。まずは先生の冗談でも、子どもたちの脱線でも、笑顔の場面を意図的につくりましょう。

退屈な時間が長いと、クラスは荒れに走ってしまいます
退屈な時間の長さと、荒れの危険度は比例関係!

二. 達成できる喜びを

できたときの喜びと、うまくいかないときの苦しさは大人も同じです。子どもならばなおさらのこと。「できた!」「分かった!」と思える場面を増やしてあげましょう。

場合によっては、とことんレベルを下げて、「これくらいは誰でも分かるだろう」というところにします。中学年には、「ぼく、できる!」「わたし、分かる!」が次への大きなエネルギーになるはずです。

三. 活動できる時間を

45分間ずっと座りっぱなしの授業では、子どもたちは飽きてしまいます。子どもたちの集中は10分もたないということを聞いたこともあります。図工の作品づくりもそうですが、国語でも、社会でも、算数でも、子どもたちが活動する時間を確保したいものです。

9月が肝心 再スタート

子どもたちに身に付いた力は、残念なことに夏休みで、ある程度リセットされてしまいます。同時に、うまくいかなかったこともリセットされます。ですから、9月はチャンスなのです。4月からのクラスの様子を振り返り、ルールや大切にしたいことを再検討しましょう。

「そのルールはクラスに必要ですか?」
「どんなルールがあればうまくいきますか?」

そんな視点で、クラスの〝当たり前〟を総点検するとよいと思います。

先生自身も総点検!

ここまで、子どもたちに焦点を当てて11月クライシスを防ぐための方法を考えてきました。ですが、大切なことをもう一つ。先生自身が荒れのもとをつくっていないでしょうか?

  • 先生自身の表情が乏しく、笑顔が少ない。
  • 子どもと目を合わせず、視線が定まらない。
  • 授業中も休み時間も声が小さく、覇気がない。
  • 子どもに「やらせっぱなし」「言いっぱなし」で評価しない。
  • 子どもに「やりなさい」と言っていることを自分がしていない。
  • 先生の言うことが日によって、場合によってコロコロ変わる。
  • 授業時間を平気で延長する。
  • 先生自身の机の上が散らかっている。

子どもたちは教師を映す鏡です。11月はまだまだ先のようで、すぐにやってきます。今から準備をしておいて損はないはずです。

先生一人で悩まないで

よく聞く言葉です。しかし、とても大切なことだと思います。夏休み前に違和感をもち、夏休みが明けたら教室が騒がしい。先生の指示が通らない。そんな状況を自分ではどうしてよいのか分からない。そのような時には、どんなに教育書を読んでも、解決策をネットで検索しても、よい解決策は見つかりませんよね。最も大切なことは・・・

まずは誰かに相談する

先生方はマジメです。目の前で起こり始めている荒れを見ると、「自分のせいだ」「わたしがなんとかしなくては」と思い、相談ができなくなります。ですが、さらに状況が悪化することを想像すれば、すぐにでも誰かに相談すべきです。そして、先生方ご自身の心身の健康を最優先すべきです。

相談相手はたくさんいます。みなさんを助けてくれる人が周りにいるはずです。みなさんは、誰ならば相談できますか? そして、どの順番で相談に行きますか?

ことが大きくなる前に誰かに相談する相手
1.家族に相談
相談と言うより話を聞いてもらう。聞いてもらうだけで楽になる。どんどん聞いてもらいましょう。
2.同僚に相談
年齢の近い、話しやすい同僚に聞いてみる。親身になって相談に乗ってくれるはず。
3.学年主任、学年部の先生に相談
同じ学年の子どもたちを担任している立場から、適切なアドバイスをしてくれるかもしれません。学年主任の教師は、たくさんの経験に裏付けされた効果のある具体的な対応策を教えてくれるかもしれません。
4.前年度の担任に相談
自分が知らない子どもたちの昨年度の様子や、対処法を知っているかもしれません。
5.管理職に相談
複数の目、負担軽減、そして全校体制を組んで対応してくださいます。

私たちは大切な子どもたちを預かっています。そして「チーム学校」として組織で教育活動を行っています。ですから、管理職への相談は必須です。管理職が解決に向けて、組織的な対応をしてくださるはずです。

チーム学校として、クラスを大人たち全員で作る気持ちで。

ですが、私ならば、まずは同僚の先生に相談します。私の勤務する学校には優秀な信頼のおける素晴らしい同僚がたくさんいます。

みなさんの学校にも、そのような同僚の先生方がいるはずです。その人は必ずや力を貸してくれるはずです。そして、信頼のおける同僚が「一緒に管理職に相談に行こうよ」と言うのなら、「そうだな。行こう」と思うはずです。

さぁ、11月クライシスへの予防薬は9月のうちに処方しましょう!

執筆/新潟県小学校教諭 畠山明大
イラスト/terumi

『小三教育技術』2017年9月号より

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