話す・聞く力を付けるための学級づくり
子供たちを話し方・聞き方名人に! 話す・聞く力を付けるための学級づくりのポイントの紹介です。
執筆/神奈川県公立小学校教諭・杉本竜太
目次
この時期に身に付けよう
中学年の子供たちは、自分の考えを発表したいという意欲をもっている反面、友達の話を注意深く聞くということが難しいという実態があります。その理由として、友達が話をしていても気付かなかったり、最後まで話を聞く姿勢が身に付いていなかったりする傾向があるからです。この時期に、友達の話を最後まで聞く、友達が話していることを理解しようとする姿勢を身に付けることは、相手とコミュニケーションをとるうえで、とても大切なことです。
話し方・聞き方を指導する掲示物の例
話し方名人に
- 意見を言うときは、しずかに手をあげましょう。
- 名前を言われたら、「はい」とへんじをしましょう。
- へんじをしたら、立って話をしましょう。
- みんなにとどくような声で話しましょう。
聞き方名人に
- 話している人のほうを向いて聞きましょう。
- うなずきながら聞きましょう。
- 友達が何を言いたいのか考えて聞きましょう。
話す・聞く力を付けるための学級づくり
話す力・聞く力は、授業中だけで育まれるものではなく、朝の会や帰りの会、学級会といったさまざまな時間の中で身に付けていくべきものです。
その中で、最後まで話す、最後まで聞くといった指導をし、子供たちの話す力・聞く力を伸ばしていくことが重要です。そのために、友達が話をするときには、自分の話を止めることを徹底させる必要があります。
話し始めるときには、「話してもよいですか」と教師に確認をしてから話すことを指導しましょう。
また、話すことが苦手と感じている子供にとっては、友達が自分の話を聞きながら、うなずいたり返事をしたりと反応を示してくれることが、話を温かく聞いてくれるという安心感につながり、話す力が高まる要因となります。
相手に分かりやすく話す、相手の話を温かく聞く、このような視点を子供たちに示すことは、よりよい学級をつくっていくために大切なことです。
まずは、隣の席同士でペアトークをしたり、グループ内で全員が同じように話したり、互いに聞き合ったりする活動を十分にとることで、学級全体でも、一人で話したり、一人の話を全員が聞いたりできるようになります。
イラスト/山本郁子
『教育技術 小三小四』2021年6/7月号より