係活動のふり返りは「活動後すぐ」が効果あり!
係活動は、活動後すぐにふり返りを行うことで、子供たちが育つ絶好のチャンスになります。ここでは、その手立ての一つ、「係感想カード」について紹介します。
執筆/東京都公立小学校主任教諭・佐藤あすか
目次
低学年こそ「すぐ」のふり返りが効果絶大!
子供でも大人でも、自分ががんばったことや努力したことをほめられるとうれしいものです。そしてほめられると「もっとがんばるぞ!」とやる気が出ます。係活動のふり返りは、学期末に行う方法もありますが、それぞれの活動後、すぐにふり返りを行うことで、子供たちが育つ絶好のチャンスになります。また低学年(特に一年生)の場合、活動から時間が経つほど、子供たちの記憶は薄れていってしまいます。だからこそ、すぐにふり返りを行うのが効果的です。
そこで、その手立ての一つ、「係感想カード」について紹介します。自分たちががんばって係の発表をしたり、係の掲示物を貼ったりしたとき、クラスの友達から「すごいね!」「がんばったね!」と、たくさんの感想がもらえるようになります。
準備は二つだけ!
①一つ目の準備「係感想カード」(B5の半分サイズ)
- 「かいたひと」の枠には自分の名前を、一番下の枠には感想を書きます。
- 「すごくおもしろかったよ!」など、一言だけの感想でもOK! まずは書いたことを認めてあげましょう。続けていくうちにリクエストやアドバ イスなども書けるようになっていきます。
たくさん印刷し、子供たちがカードを取りやすい場所に置いておきます。箱などに入れておくと便利です。
②二つ目の準備「係ポスト」
子供たちが書いたカードを入れられるポストを用意します(作るのが大変なら、かごや箱など、なんでもOKです)。
「係ポスト」の例
カードが入ったのが分かるような工夫があるとよいですね。
①は、段ボールで作った箱に、ぺりぺりっとはがせる布用ワンタッチテープを貼ったもの。
②は、段ボールの箱の下をくりぬき、透明のプラ板などを貼ったもの。
これで準備はばっちり! 子供たちに使い方を伝えよう
子供たちに「係感想カード」の使い方を説明します。伝える内容は、次の三つ。
- 係の発表や掲示物に対して感想を書くもの。
- いつでも、誰でも、自由に書いてよい。
- 内容は、書かれた人が「うれしいな」と思うようなものを書く。
ポストに入ったカードは、教師がみんなの前で読んで、「よさ」を全体に広めよう
ポストに入った「係感想カード」は、必ずみんなの前で紹介しましょう。大切なのは「みんなで共有すること」です。それにより、低学年の子供たちのやる気はぐんぐんと上がり、自信を付けていきます。教師がみんなの前で読んであげて、「○○さん、書いてくれたんだねえ。ありがとう」と言ってあげれば、感想をもらった係の子はもちろん、書いた本人もうれしくなります。
朝の会や、帰りの会のちょっとした時間を使ってカードに書かれた内容を紹介しましょう。続けていくことで友達のよさを見付ける力が育つのはもちろん、係活動を通していつでも「誰かに認められることができるクラス」になっていきます。
読んで紹介し終わったカードは掲示しよう
貼り重ねて掲示していくことで、子供たちが後からぱらぱらとめくって見ることができます。また、「こんなにたまったんだ」と視覚的に確認できるのもうれしいですね。
写真協力/東京都公立小学校教諭・矢能亮 イラスト/佐藤雅枝
『教育技術 小一小二』2021年6/7月号より