教室が笑顔になる6月のラッキーアイテム「メッセージ・トランプ」
教室に「あるとイイな♪」を毎月紹介する新連載。6月に選んだのはこのアイテム! 新しい学級で友達やクラスのために頑張っている子供たちに、先生から「ありがとう」の気持ちを贈りたい。そんな時に役立つとっておきを、ポイントとともに紹介します。
目次
6月のラッキーアイテム
「メッセージ・トランプ」
学級がスタートして2か月。子供たちのなかには目を見張るほどの活躍をする子もいれば、縁の下の力持ち的な活躍をしている子もいるなど、どの子の頑張りも素晴らしいものがあります。その頑張りを発見したら、私はトランプにメッセージを添えて贈るようにしています。
Point1 言葉をかけて、手渡しで
〇〇さん、今日は理科の実験でリーダーとして頑張っていましたね。とても素晴らしいことだと思います。先生からのプレゼントです。
このように言葉をかけ、メッセージ・トランプを手渡ししています。添えるメッセージは、子供たちの日々頑張っている様子を記します。
【メッセージ例】
・休み時間のドッジボール、パシッ!とキャッチする〇〇さんがカッコよかったです。またみんなでやろうね。
・逆上がり、ついにできたね! 〇〇さん頑張ってたもんね。先生もうれしかったです! これからも応援しています。
受け取った児童は、大切そうに持ち帰り、保管してくれています。日付と名前を入れておくことで、よりメモリアルなアイテムとなるでしょう。全員に行き渡るよう、日直さん(男女1名ずつ)に毎日渡すようにしています。日直が一周したら席替えをするようにしていました。
Point2 メッセージ・トランプ週間
メッセージトランプの文化が根付いてくると、子供たちからこのような声が上がってくるようになりました。
私もみんなに書きたいな
先生にも書いてあげる!
このように子供たちが「やりたい!」という気持ちが芽生えたタイミングで、教師から次のような提案をします。
では、今週1週間はみんながクラスの仲間に書いてみましょう。名付けて「メッセージ・トランプ週間」!
仲間の「頑張り」を見つけられる人は素敵だと先生は思います。
こうしてメッセージ・トランプを行うことで、子供たちは仲間の頑張りを見つけ、それを伝えるということが習慣になっていくでしょう。子供同士でメッセージ・トランプを渡す際は、全員が均等にメッセージをもらえるよう、
・隣りの席の子供同士が贈り合う
・抽選などで贈る相手を決める
などの工夫や配慮をするよう心掛けてください。
この実践を続けることで、教師自身が子供の頑張りを見つけるだけでなく、教室の全体が、頑張りを認め、称え合う風土が醸成されていくでしょう。私自身、本当にやってよかったなと思う実践のひとつです。皆さんの学級でもぜひ行ってみてください。
八神進祐(やがみしんすけ)●1988年、愛知県生まれ。愛知教育大学卒業。教育サークルMOVE代表。子どもたちの“ありのまま”を大切にした教育実践に取り組んでいる。
著書「今すぐ真似したくなる教室のひみつ道具図鑑」、教育論文入賞多数、第5回・第7回「全国授業の鉄人コンクール」優秀賞、フォレスタネットグランプリ初代MVP。
YouTubeでは小学館「みんなの教育技術」より、授業力アップ動画を、Twitterでは「だいじょーぶ先生」(@teacher16694123)としてアイデア溢れる教育実践を発信中。