キャリアパスポートを活用した学級活動(3)の進め方
キャリアパスポートを活用して、学級活動(3)の指導を充実させましょう。
執筆/福岡県公立小学校教諭・吉田卓
目次
特別活動はキャリア教育の要
学習指導要領には、「子供が学ぶことと自己の将来とのつながりを見通しながら、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身につけていくことができるよう、特別活動を要としつつ各教科等の特質に応じて、キャリア教育の充実を図ること」と示されています。
これからの教育に求められること
今後、教育に求められることを整理すると、キャリア教育の要である特別活動の重要性とキャリアパスポートの必要性が見えてきます。
キャリアパスポートを活用する意義
題材名 もうすぐ中学生
ウ 現在や将来に希望や目標をもって生きる意欲や態度の形成
本題材でめざす資質・能力
【知識及び技能】
大きな節目となる中学校進学の意味を理解し、中学校生活について調べたり、中学校進学へ向けた準備をしたりすること。
【思考力・判断力・表現力】
なりたい自分の実現に向けて中学校進学までの過ごし方を考え、選択すること。
【主体的に学習に取り組む態度】
小学校卒業までの日常生活において、主体的に中学校進学の準備をしようとする態度を養うこと。
事前の活動
- 中学校進学への期待や不安に関するアンケートを実施する。
- 中学校での生活の様子について、中学生の兄弟姉妹や先輩に取材して調べる。
- キャリアパスポートを見返し、これまでの成長と、中学校進学に向けてさらに伸ばしたいよさや可能性を確認する。
キャリアパスポートを活用することで、これまでの活動のつながりや積み重ねを効果的に振り返ることができます。
本時
ワンポイントアドバイス
つかむ(課題の把握)
キャリアパスポートをもとにこれまでの自分を振り返り、なりたい自分の姿とのギャップに気づかせます。
さぐる(可能性への気づき)
中学生の話を聞いて中学校への憧れや期待を高め、キャリアパスポートをもとに、さらに伸ばしたい自分のよさや可能性を明確にさせます。
見つける(解決方法等の話合い)
中学生をゲストティーチャーとして招いたり、ビデオメッセージを見せたりして、中学生としての心構えや大切なことを考えさせます。
決める(個人目標の意思決定)
なりたい自分を明確にした上で、継続的に取り組める具体的な目標の意思決定をさせます。
事後の活動
何のために実践をしているのか、目標を見失わないように適宜振り返りを行い、キャリアパスポートにその時々の思いを記入させるなどして、粘り強く主体的に取り組ませるようにしましょう。
中学校だけではなく、高等学校までのつながりを見通し、よりよい成長とキャリア形成を意識させる上で、キャリアパスポートは大変有効です。
イラスト/高橋正輝
『教育技術 小五小六』2021年2月号より