【相談募集中】ストレスが重なり休職し、復帰したが担任を続けられるか自信がない
ストレスが重なり休職し、復帰したけれど今後に不安を感じている先生からの相談が、「みん教相談室」に届きました。ここでは、同じ経験をもつ先輩教師、東京都公立小学校教諭・松原夢人先生からの回答をシェアします。
目次
Q.ストレスから休職し、復帰しましたが、担任を続けられるか自信がありません
公立高校で1年生の担任をしています。今年で初任3年目です。初めての担任で分からない事も多く、問題もたびたび起きる学年で、10月頃にストレスが重なり1か月休職をしました。
今は復帰しており、授業やその他の業務も自分の体調と相談しながらやっていけるくらいには回復しています。
ただ担任やクラスに関わる業務については、気分の落ち込みや不安が大きく、副担任の先生にお任せすることがほとんどです。
私自身、教員という仕事は好きなので続けていきたいのですが、来年度も担任を続けられるのかについては正直自信がありません。(るる先生・20代女性)
A.今の自分の気持ちをありのまま受け入れてみましょう
私が心の病を経験したことをもとに、回答を書かせていただきます。
初めての担任ということで、分からないことばかりで大変苦労されているとお察しします。学級で問題が起きる度に対応に追われて、心労が重なってしまったことでしょう。るる先生は、1か月間の休職を経てある程度まで回復しているということですが、「仕事が思うようにできない」「気持ちが不安定になる」「この先どうすればいいのか?」といった不安や心配を抱いてしまうのも無理はありません。
なぜなら、“心の病”というのは寝ていれば治るようなものではないので、非常にやっかいなのです。良くなったと思っていたら急に悪くなってしまったり、悪い状態から急に良くなったりと波があります。しかも、その波が不規則に起こりますから、本当につらいですよね。
では、気分の落ち込みや不安が大きくなってしまった時は、どのように対処すればいいのか?
それは、今の自分の気持ちをありのまま受け入れることです。
落ち込んだ時は「落ち込んでるなあ」と思い、不安になった時は「不安だなあ」と思うのです。無理に「気分を上げていかないと!」と奮い立たせても、なかなか上手くいきません。例えば、熱が出てしまった時に「熱が下がって!」と念じても、体温は変わりません。骨折した時に「早く治れ!」と唱えても、状態は何も変わりません。病気や怪我を治すためにはゆっくり休むことが必要です。実は“心の病”も同じなのです。
体調が悪い時は、誰かに頼っても構わないと思います。副担任の先生が代わりに業務をしているのであれば、今と同じようにお願いしましょう。気分が良い時は一緒に取り組むなど、その時々に応じて、担任や学級の業務に関わっていけばいいと思います。学級担任、副担任、同じ学年の教員、管理職、スクールカウンセラー、事務、主事など、チームで行うことで学級が成り立っているのですから。
自ら「未来をつくる行動」を起こすためには、膨大なエネルギーが必要になります。未来のこと、すなわち来年度のことに目を向けるより、まずは、今のことだけに目を向けてみてはいかがでしょうか?
今のことなら、その瞬間に今をつくったり変えたりすることができます。また、1日1日を一つずつクリアしていくことにより、「今日という1日を過ごせた」という達成感を噛みしめることができます。
そして何よりも、今目の前にいる学級の子供たちを第一に考えなければなりません。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、様々な不安や悩みを抱えている子供たちが学級にいることでしょう。そんな子供たちが毎日楽しく学校に通えるようにするのが、学級担任としての役目です。るる先生の力が必要だと思います。決して無理をせずに、でも頑張らなければならない時は頑張って、子供たちを修了式まで見届けてほしいです。
来年度のことも含めて今後どうするかは、主治医と相談した上で、来年度に受け持つ学年・学級や校務分掌について管理職と話し合っていくことが望ましいでしょう。自分だけで抱え込まず、まずは今の自分のありのままの気持ちを伝えることで、少し先のことが分かるかもしれません。
みん教相談室では、現場をよく知る教育技術協力者の先生や、各部門の専門家の方が、教育現場で日々奮闘する相談者様のお悩みに答えてくれています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
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