保護者を味方に付ける!保護者会のNG&ベスト対応例

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保護者との良好な関係をしっかりつくることで、1年間の学校生活も楽しくスムーズに過ごせます。保護者との重要な接点となる保護者会で、よく出される質問とNGな回答、及びベストな対応術を、ベテラン先生方に聞きました。

監修/千葉県私立小学校教諭・松尾英明、兵庫県公立小学校教諭・中村力、東京都公立小学校教諭

「宿題が少ない(あるいは多い)気がするのですが、大丈夫ですか?」

宿題は子供に応じて必要な量になっています。
イラスト/大橋明子

【×NG回答例】
そうですね。もう少し増やします(減らします)。

【◎BEST回答例】
宿題は、子どもに応じて必要な量になっています。授業中に必要な学力は付けていきますが、個人差があり、どうしても授業中に終わる量に差が出ます。宿題が少ないと感じられるのは、子どもが授業中に集中し、努力している証しです。各家庭によってご事情もあるかと思いますが、宿題の量にはそうした趣旨があるものとご理解ください。

現在の宿題の量に根拠が感じられない回答は避けましょう。(松尾英明)

「忘れ物は届けたほうがよいですか?」

【×NG回答例】
学習に支障が出ますので、届けてください。お願いします。

【◎BEST回答例】
忘れ物をしても、放っておいてくださってかまいません。忘れ物をして困るのも学習です。学習用具に関しては、基本的にはこちらで貸し出し用を用意しておきますので、大丈夫です。忘れたことを申告して、借りることを頼むというのも、立派な学習になります。特別な日のお弁当など、ないと本当に困るという例外的なものを除いては、基本的に届けないでください。

学校のルールは理由とともに、きちんとお伝えします。失敗から学ばせるというスタイルも伝えることで理解を得やすくなります。(松尾英明)

「クラス替えをして、仲のよい友達がいないと不安になっています。」

【×NG回答例】
それは不安ですよね。しっかり見ておきます。

【◎BEST回答例】
不安なお気持ちは確かに分かります。しかし、クラス替えは新しい友達をつくるチャンスでもあるので、おうちでも不安な気持ちは受け止めながらも、「大丈夫。新しい友達に声をかけてみたら?」などと笑顔で背中を押してあげてください。決しておうちの方も一緒に不安になって落ち込まないようにしてください。

うちの子大丈夫かしらと保護者会で不安がる保護者
イラスト/大橋明子

保護者の方の不安な気持ちや疑問は、しっかりと傾聴して受け止めるよう心がけましょう。しかし保護者の相談に対して、担任も不安な表情をすると、さらに不安にさせてしまいます。若い先生は、保護者と話をすること自体とても不安に感じると思いますが、笑顔だけは心がけ次第でできるはずです。(中村力)

「けんかが多いようなのですが、大丈夫ですか?」

【×NG回答例】
けんかがなくなるように、努力します。

【◎BEST回答例】
けんかは人間関係を学ぶうえで「必要悪」ともいえるものです。けがを心配されるご家庭も多いかと思いますが、小さなけがを経験するからこそ、大きなけがを防ぐことができます。私も子どもたちの話を聞くなどして、心と体の安全面には配慮していきますので、どうか信じて見守っていてください。

けんかを問題と捉えて、それ自体をなくそうとする回答はすべてNGです。保護者の悩みに寄り添いつつ、「子どもの成長のために、ともにがんばりましょう」というスタンスで協力を求め、担任としても誠実にあきらめない姿勢を見せましょう。(松尾英明)

「家で言うことを聞かないのですが、学校ではちゃんとやっていますか?」

【×NG回答例】
親御さんがなめられないように、もっと厳しくしてください。

【◎BEST回答例】
家でリラックスして、学校でスイッチを切り替えてがんばれているのはとてもよいことです。学校ではしっかりがんばっているので、少しくらいの反抗や甘えは大目に見ながらも、「見守っているよ」というサインや声かけは送り続けてあげてください。ただし、食生活と睡眠時間だけは、家庭でしっかり管理をしてあげてください。この基盤が乱れると、学校でもがんばれなくなってきます。

保護者は心配事があるからこそ、こうした相談をもちかけるのです。担任として、「きっと気になることがあるのだろう」と察しながら、どんなサポートが有効なのか誠実に答えましょう。(中村力)

「お小遣いはいくらが妥当ですか? 携帯電話も与えてよいでしょうか?」

【×NG回答例】
中学年では○○円が相場ではないでしょうか? 携帯電話については、お子さんとよく話し合ってください。

【◎BEST回答例】
(保護者会に参加した保護者に)みなさんのご家庭ではどうされていますか?

お小遣いのことなどは、あえて保護者に話題を振ってみる
イラスト/大橋明子

お小遣いや携帯電話の使用については、あえて情報を共有させるために、保護者同士で話し合わせるとよいでしょう(地域性にもよるので、その場に応じて共有します)。さらに、質問の内容に答えられないようなときは、迷わず「学年で相談してお答えします」と伝え、学年だより等で伝えるほうがよいでしょう。保護者は他のクラスの保護者とも情報を共有しているため、クラスによって担任の言うことが違うと混乱します。(東京都公立小学校教諭)

取材・文/出浦文絵

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『教育技術 小三小四』2019年7/8月号より

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